【菊花賞】近10年で馬券率100%!阿賀野川特別の好走馬が来る理由

美浦

菊花賞に好走馬を送り続けているレースがある。それが阿賀野川特別だ。例年8月半ばに新潟競馬場の芝2200mを使用して行われるこのレースは、夏の新潟の古馬混合2勝クラス(1000万)の中距離番組が少ないこともあって、メンバーが揃いやすい。加えて新潟の内回りは向正面からロングスパート勝負になりやすいため、スタミナが必要となる。

それだけに阿賀野川特別で連対できる3歳馬は実力だけでなく、3000mをこなす体力を兼ね備えている場合が多い。

阿賀野川特別で連対した3歳馬(近10年)
09年フォゲッタブル2着→菊花賞2着
17年ポポカテペトル1着→菊花賞3着
18年ユーキャンスマイル1着→菊花賞3着

ここ10年で3頭が該当し、3頭全て菊花賞で3着以内という好成績。08年オウケンブルースリも阿賀野川特別を勝っている。

今年該当するのはホウオウサーベル(牡3、美浦・奥村武厩舎)。管理する奥村武調教師は「本当に良くなってくるのは来年だと思いますが、最初から期待の高い馬でしたし現状でどれだけやれるか楽しみです」と話す。今年も阿賀野川特別の好走が続くのか注目だ。

美浦

【奥村武調教師のコメント】
「1週前追い切りで負荷をかけて作ってきましたし、今週は輸送もあるので最終追い切りは半マイルから終い重点の指示を出しました。やり過ぎたくなかったので、最後は前の馬を交わして突き抜けないように並びかける程度でと指示しましたが、ジョッキーも良い感じだったと話していました。追い切り後の息遣いも良くてケロッとしていましたし、中身はできていると思います。

春シーズンと比べて大きく変わってはいませんが、ここまで順調にきています。ここ2戦は横綱相撲で勝ってきてまずまずの内容でしたが、この馬はまだ条件馬ですし今回は皐月賞やダービーを戦ってきた馬たちが相手なので、あくまでチャレンジャーの気持ちです。本当に良くなってくるのは来年だと思いますが、最初から期待の高い馬でしたし現状でどれだけやれるか楽しみです。

新潟まで輸送してもトラブルはありませんでしたし、今回も大丈夫だと思います。今回が初めての右回りになりますが、たまたま使うタイミングがなかっただけですし、普段の追い切りでも右回りの走りはスムーズなので心配はいりません。

ステイヤーの体型をしていますし、息遣いも良く折り合いに問題がないので、距離はいくらあっても良いと思っています。2歳の頃は闘争心が足りない感じでしたし、そういう心構えでは強敵相手の東京スポーツ杯では厳しかったですね。今年6月に勝った頃から、仕草や気持ちなど牡馬らしい面が見えてきましたし、そこからレースでのパフォーマンスも良化してきたので良い傾向だと思います。

厩舎として初めての牡馬クラシック参戦になりますが、目標にしている舞台なのでここまで無事に来られて良かったと思います。皆さんの期待が高い馬だと承知していますし、結果としてその答えを出したいですね。今回だけでなく、この先も応援していただけるように頑張りたいです」

【蛯名正義騎手のコメント】
「1週前追い切りを結構ハードにやりましたし、最終追い切りは先生と相談して相手に併せて軽く気合いを乗せる感じでやろうと思っていました。やり過ぎないようにラスト1ハロンで並べればいいかと思っていてその通りの内容でしたし、余力を残してできたと思います。ここ2戦良い形で競馬ができていると思いますし、この馬は乗りやすくて難しさがありません。

春先に乗せてもらったときから良い馬だと思いましたし、期待していました。オットリして大人し過ぎるくらいでしたし、これなら距離ももつだろうと思って秋に目標を切り替えることができました。どうすれば菊花賞に良い形で進めるか、オーナーや厩舎サイド、牧場などの関係者を含めて相談しながら、何とかここまでは順調に来られたと思います。右回りは初めてなので何とも言えませんが、長丁場への不安はありませんし流れには乗せられるのではないかと思っています。長丁場のレースはいろいろ駆け引きもできますし、自分が考えた乗り方ができる点が面白いですね。

また乗り役に戻ってきましたが、乗り役としてダメだから調教師の道に進もうと考えた訳ではありませんし、今回も良い馬の騎乗依頼をもらったので良い結果を出せるように頑張りたいです。今回調教師試験で合格できなかったことを良いことだと思われているファンの方も多いようで、もう1回ダービーに乗れなど多くの声援をいただいて有難かったです。

調教師試験の勉強をしたことで見えてきた部分もありますし、やってきたことは無駄ではありません。良い競馬をしてみんなに喜んでもらえればと思いますし、どういう立場でも応援してもらえるようになっていきたいです」