トレセンレポート【天皇賞】エアシェイディ

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【エアシェイディ・伊藤正徳調教師共同インタビュー】

-:エアシェイディの伊藤正徳調教師にお聞きいたします。よろしくお願いいたします。

伊:よろしくお願いします。

-:まずは今年初戦となりました前走の日経賞を振り返っていかがでしょうか?

伊:内容は非常に良かったと思います。堂々としたレース振りでしたし、内容には満足しています。

-:年齢は9歳ですが、まだまだ充実している感じがありますが。

伊:そうですね。昨年の秋前くらいから「この馬が充実期に入りつつある」という風にいろんなところで申し上げていましたけれども、実際にそうなりつつありますね。やっと本当のエアシェイディの姿になってきたのかなと思います。

-:今年は「長いところを中心に使っていこう」と考えていらっしゃいましたか?

伊:元々長いところを使おうという気持ちはありました。過去には、競馬の内容が満足できなくて「瞬発力をつける競馬を覚えさせるために」という理由で1600のレースを主に使っていました。その後は2000前後を使っていると思いますけど、元々は中距離から3000メートルくらいまでのランナーだと思っています。なので、元から自分が得意だと思っている距離に戻った、と考えていただいて結構です。

-:では、初めてとなる3200メートルも問題はない、と。

伊:問題はないと思っていますし、またこのくらいのクラスの馬というのは、筋肉的に、同じペースで走りますと4000でも5000メートルでも走れますからね。ウチの馬も同じだけの力を持っている、ということですね。

-:この中間はどのように調整されてきたのでしょうか?

伊:前走が思っていた以上に走ってくれたので、若干、激走後の疲れはありましたから、まずその疲れを取るのが主眼でした。その計画どおりにいきましたので、先週くらいから速い時計を出し始めたところですね。「ここのレースにこういう風に持っていったらいいかな」というような考えの中での幅の中におさまっています。

-:今週の追い切りですが、昨日(4/28・水)は軽いキャンターにとどめて、今日(4/29・木)は北Cコース単走でしたが、ポイントを教えていただけますか?

伊:今週は輸送がありますから、それを前提にした追い切りをするということと、それでいながら、馬をダラッとさせないということが主眼でした。それで「上がりの3ハロンはしっかりまとめて来るように」という指示をしました。前回の時計は自分が思っていた以上に速くなりましたけどね。でもそれは、お馬さんの走り方が良いからだと思いますので、問題はないと思います。

-:では、評価としては上々、と。

伊:そうですね。上々の上、でしょうね。

-:では自信を持って送り出せますね。

伊:ここまでは順調に来ましたので、あとは競馬にどういう風に持っていくかだけですね。

-:一昨年の宝塚記念以来の関西でのレースとなりますが、輸送についてはいかがでしょうか?

伊:輸送に関しては、非常に心配なところを抱えている馬なので、それを克服するのがまずは第一ですね。その為にはどうしたらいいか、というのを、我々はもちろん輸送会社の方たちともよく話をして、一番良い方法をとりたいと思っています。基本的に、環境が変わることに非常に敏感な馬なんですね。その敏感なところをいかに出さないようにするか、ということですよね。移動した場所での時間をなるべく短くする方法をとりたい、と思っています。

-:レースは京都の坂越え、3200メートルになりますが、ジョッキーの戸崎騎手に京都の乗り方について何かお話される予定はありますか?

伊:過去には「京都の坂はゆっくり下らなければならない」とか、いろんなセオリーみたいなものがありましたけど、現在は昔のセオリーはあまり通用しないと思うんですよね。なので、乗り方としては柔軟に乗ってもらった方がいいかな、と思います。それと、我々が口でいくら言っても、そのとおりになることはあり得ないので「乗り役さんの感覚でしかない」と思っています。

-:では、先生としては、スタートしてからこうなって欲しいな、という展開に関してはあまり考えていらっしゃいませんか?

伊:競馬は何があるか分かりませんし、流れも速くなったり遅くなったりいろいろありますから、そのときにどうやって対処をしていくか、というのは、考えをひとつにまとめてしまうとなかなか対処が出来なくなるんですよね。私も騎手であった経験から「いろいろな縛りがあると動けなくなってしまう」というのがありますから、そういう意味でも乗り役さんの感覚を大事にして乗ってもらえるといいかな、と思います。

-:早くから大器と見なされていたエアシェイディですが、9歳で初の3200メートルで初のG1勝利となると、これは快挙といえますね。

伊:そうですね。その快挙を達成できれば本当に嬉しく思いますし、それを達成できるように我々は頑張ってきたと思いますので、少しでも良い結果が出るように神様にお願いしておきます。

-:最後にファンに向けて一言、抱負をお願いいたします。

伊:出来るだけ良い結果が出るように頑張りますので、馬券をいっぱい買っていただければ有難いと思います。

-:ありがとうございました。


エアシェイディ
(牡9、美浦・伊藤正厩舎)
父:サンデーサイレンス
:エアデジャヴー
母父:ノーザンテースト
全妹:エアメサイア
通算成績:36戦7勝
重賞勝利:08年アメリカジョッキーC(G2)