【セレクトセール2020】今年も盛況!良血ディープ産駒がレコード更新!

5億1000万円で取引されたディープ産駒・シーヴの2019

5億1000万円で取引されたディープ産駒・シーヴの2019


7月13日、14日の2日間に渡り行われたセレクトセール2020。2日間の売上は187億6200万円で、昨年の205億1600万円には劣るものの、歴代2位の売り上げを記録した。新型コロナウイルスの影響が懸念された中、2日間の売却率は90.9%に達し、大きな成果を挙げたと言っていい。

・高額落札馬ベスト5
1歳セッション
1位 5億1000万円 シーヴの2019(牡、父ディープインパクト)
2位 4億円 フォエヴァーダーリングの2019(牡、父ディープインパクト)
3位 2億4000万円 テディーズプロミスの2019(牝、父ディープインパクト)
4位 2億2000万円 アブソリュートレディの2019(牡、父ディープインパクト)
5位 2億円 カンビーナの2019(牡、父ディープインパクト)

当歳セッション
1位 3億8000万円 ヒルダズパッションの2020(父ハーツクライ)
2位 2億7000万円 シーズアタイガーの2020(父ハーツクライ)
3位 2億1000万円 シーヴの2020(父ハーツクライ)
4位 2億円 ファイナルスコアの2020(父ロードカナロア)
5位 1億9000万円 マラコスタムブラダの2020(父キタサンブラック)

ディープインパクト、キングカメハメハという日本競馬をけん引してきた2頭の大種牡馬が相次いで亡くなったことから、残された産駒により希少価値が増すことが想定されていた。ディープインパクト産駒は合計13頭上場され、1頭主取で売却12頭、そのうち9頭が億超え。1歳落札額歴代1位にあたる最高額の5億1000万円を記録したシーヴの2019を筆頭に軒並み高額。12頭で24億9700万円は驚異的な数字だろう。

シーヴの2019

キングカメハメハ産駒からも2頭の1億超えホースが登場した。ただ例年ほどの売り上げではなく、合計落札額3位ロードカナロア、4位ドゥラメンテであるように、キングカメハメハの後継種牡馬たちの時代が到来したことを改めて感じさせる結果となっている。

種牡馬別合計落札額ベスト10
27億1800万円 ハーツクライ 36頭
24億9700万円 ディープインパクト 12頭
16億6100万円 ロードカナロア 35頭
14億400万円 ドゥラメンテ 27頭
9億3300万円 エピファネイア 21頭
8億6700万円 キズナ 25頭
6億2800万円 キタサンブラック 14頭
6億2200万円 ハービンジャー 19頭
5億6300万円 キングカメハメハ 8頭
5億3900万円 ドレフォン 17頭

ディープインパクトに変わりトップに立ったのはハーツクライ。1歳セッションのみ上場であったディープと違い、2日間に渡り上場された点、36頭上場された点も大きく影響しているものの、1歳セッショントップバッターで叔母にシンハライトがいるポロンナルワの2019がいきなり1億2500万円と億超えを果たすなど、2日間で7頭の億超えホースが登場した。リスグラシューを始めすでに実績十分の大種牡馬だけに、来年以降も産駒の高額売却は続いていくだろう。

ポロンナルワの2019

叔母にオークス馬シンハライトがいるポロンナルワの2019

明暗を分けたのは今年、初年度産駒がデビューした新種牡馬。ドゥラメンテは27頭が売却され、合計落札額は14億400万円。1頭あたり5000万円を超える落札額を記録している。直前の新馬戦を産駒のダノンシュネラ、ドゥラモンドが勝った影響も大きい。

逆に低調だったのがモーリス産駒。セレクトセール前日の函館新馬戦でようやくカイザーラインが産駒初勝利を挙げたものの、評判馬が続々と敗れてしまった影響もあり、17頭が売却され、合計落札額は4億1600万円。1頭あたり2500万にも達しなかった。ドゥラメンテ産駒の半額以下という結果に終わってしまった。この先産駒の巻き返しがあるかどうかで来年の結果が変わってくるだろう。

マラコスタムブラダの2020

半姉に2歳女王レシステンシアを持つマラコスタムブラダの2020

来年以降初年度産駒を送り出す種牡馬ではキタサンブラックに注目が集まっていた。14頭が落札され、合計落札額は6億2800万円。1歳セッションは低調な結果に終わったものの、当歳世代は好調。2歳女王レシステンシアの半弟にあたるマラコスタムブラダの2020が1億9000万円で落札されるなど、2頭の億超えホースが生まれた。

キタサンブラックと現役時代に名勝負を演じたサトノダイヤモンドも好調。初年度産駒にあたる当歳で11頭が売却され、合計落札額は5億1700万円。1頭あたり4700万円はドゥラメンテに匹敵するものだ。重賞3勝シャケトラの妹にあたるサマーハの2020が1億円で落札されるなど、"ポスト・ディープ"争いに名乗りを上げている。

サマーハの2020

シャケトラの妹にあたるサマーハの2020

落札者別の合計落札額を見ると、トップは9頭を落札した"ダノン"の冠名でお馴染みの(株)ダノックスで11億4500万円。15頭を落札した金子真人ホールディングス(株)が10億6500万円で2位。9頭落札し10億5400万円を記録した麻布商事が3位で台風の目となった。

落札者別合計落札額 ベスト10
11億4500万円 (株)ダノックス 9頭
10億6500万円 金子真人ホールディングス(株) 15頭
10億5400万円 麻布商事 9頭
7億6400万円 野田みづき氏 9頭
7億3700万円 小笹芳央氏 11頭
7億3400万円 国本哲秀氏 3頭
5億4600万円 エフレーシング 4頭
5億900万円 廣崎利洋HD(株) 7頭
4億100万円 (株)サラブレッドクラブライオン 13頭
3億円 大塚亮一氏 3頭

ノーザンファーム代表の吉田勝己氏はセールの結果を受けて、「こういう情勢だけに、始まるまでは“セールをやれればいいな…”という気持ちでした。本当に驚きです。どうやるかばかり考えていました。ギリギリ間に合った感じです。去年までも凄い数字でしたが、競馬全体が今観客なしであるにも関わらずこの成績を残してくれました。シーヴの仔などは世界トップクラスの馬だと思います」と話した。

吉田勝己

1日目終了後インタビューを受ける吉田勝己代表