この馬に注目【新潟大賞典】ニホンピロレガーロ

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「ひと粒で2度おいしいどころか、3度も4度も。この馬には驚かされることばかりですよ」

担当の西浦和良厩務員がこう話すのは、ニホンピロレガーロ(牡7、栗東・服部厩舎)のこと。

母のニホンピロポリーナ(その父ニホンピロウイナー、2勝)は、ニホンピロサート(父スターオブコジーン、ガーネットSなど13勝)やニホンピロキース(父タマモクロス、6勝)など、様々なカテゴリーでの活躍馬を送り出している優秀な繁殖。アドマイヤベカ産駒の同馬は、3戦目となった京都で芝1600mを勝ち上がった。ただし、その後は10戦続けてダートを走り、その間に500万クラスを1勝。
「激しい気性に邪魔され、なかなか軌道に乗れませんでしたね。それに、左前の蹄に負担がかかりやすくて。もともと調教は動きますし、適性も見込んでいましたが、ダートを使っていたのは、そんな弱点に配慮してのことでした」

装蹄に工夫をこらし、丹念にケアした結果、ぎくしゃくしがちな歩様も改善に向かう。ターフの長めの距離に矛先を替え、急上昇を示したのが一昨年の春。
淡路特別、明石特別を僅差の2着した後、白川特別では順当に1000万を卒業した。
格上挑戦となった万葉Sで、ついにオープン勝ち。かつては一本調子だった脚質にも変化が表れ、鋭い決め手を発揮するようになった。
昨年は大阪ハンブルクCを2着すると、最低人気だった新潟大賞典でも2着に食い込み、波乱を巻き起こしている。
「去年のこのレースでは、ゲートでメンコを外してみたんです。その効果もありましたが、こんな脚を使えるのかと、目を疑いましたよ。7歳になっても、まだ隠されたギアがあるんじゃないか、そんな予感を抱きます」

栗東ホースクラブでの充電を経て、今シーズンは京都記念(12着)からスタート。阪神大賞典(13着)も見せ場をつくれなかったが、
「状態にかかわらず、休み明けはダメ。この傾向だけははっきりしています」

というのが特徴。すっかりレース感も戻り、前走の大阪ハンブルクCを優勝した。
出遅れながらも33秒9の上がりを駆使し、昨年以上の好内容。中間の調教でも迫力ある動きが目立ち、ムードは最高潮といえる。
同様のステップで臨む相性の良い舞台でもあり、初重賞制覇の期待がかかる。
「運動中はしきりに立ち上がりますし、蹴られたり、噛まれたり。何度も痛い目にあってきた馬です。それでも、ちょっと大人になり、すべきことを理解してきましたね。肉体も一段とたくましくなり、旺盛な闘争心とうまく合致するようになった。意外性が特徴でも、これは確かな事実ですよ」


ニホンピロレガーロ
(牡7、栗東・服部厩舎)
父:アドマイヤベガ
母:ニホンピロポリーナ
母父:ニホンピロウイナー
通算成績:26戦5勝