ミラクルレジェンド他/平林雅芳の3歳戦ピックアップ

トピックス

土曜京都6R
3歳500万下
ダ1800m
勝ちタイム1.52.9

勝ち馬
ミラクルレジェンド(牝3、栗東・藤原英厩舎)

未勝利を勝った時にも、このコーナーで取り上げた馬である。限定戦ならば十分に通用と書いた。失礼しました、男馬相手でも十二分な活躍。それもゴール前で岩田Jが小さくガッツポーズをしている様に、思うものがあった馬なのだろうと推測できる。会心の勝利だったのだろう。

最後の1ハロンが11.9と、凄い切れを見せたこのレース。逃げたアキノフライが1000メートルを1.03.6と、マイペースの流れを演出。実際に4コーナーを廻る時にはかなりの馬が圏内かと思える程に脚を残していて、横一列に6頭ぐらいが並んだ。内めの3番手から、スッと内ラチ沿いを瞬時に抜けて出てきたミラクルレジェンド。アッと言う間に抜き去った脚は速かった。
逃げたアキノフライが左右にブレないのを確認してからその内を抜き去るという、用心に用心を重ねた乗り方。最後の11.9は、ほとんど自身の上がり脚である。
踊るように先頭に出て、最後は左ステッキを持った手で下へ小さなガッツポーズ。よほど納得の勝利だったのだろうと思える。

2着3着は、4コーナーで外から追い上げてきたタガノジンガロメメビーナス。使った脚の数字はいかにも速いものであるが、勝ち馬が前々で楽に追走していて、内から抜け出る競馬内容では追いつかない。そんな切れ味の勝負となっていた。

これで、ミラクルレジェンドはダート戦で2戦2勝の内容だ。中2週での出走もあるのだろうし、馬体が432キロと小柄な方だけに、そんなに攻めてきてないケイコ。もっともっと体に実が付き、大きくなってくる日が待ち遠しい馬の感じだ。先々も楽しみにしたい・・・。


日曜京都2R
3歳未勝利
ダ1400m
勝ちタイム1.24.3

勝ち馬
スナークヒロイン(牝3、栗東・野村厩舎)

大外から好発のスナークヒロン、ダートに入ってもその勢いのままに先頭に。結局、後続に影をも踏ませぬ完璧な逃げで、終わってみれば8馬身差の圧勝。思いっきりのいい新人高倉Jの競馬っぷり。時計も悪くなく、大きな1勝を挙げたものであった・・。

ゲートが開いた瞬間に、スナークヒロインが1馬身は出ていて、スーッと先手を取って行った。中からロードアビリティも悪くないスタートだったのだが、相手の方が断然速かった。
ダートに入ってスナークヒロインがそのまま先頭、2番手には後続が追いついてきて、ロードアビリティの位置が悪くなった。

3コーナーでは、2番手マリンバラッドに2馬身差をつけて先行。3番手サクラフェニックス、4番手エーシンサンダーだが、幾分、押し付け気味な手応えだ。5番手が内ロードアビリティで、外へペガサスダンディが上がって来ていた。
4コーナーへと入って来たが、先頭のスナークヒロインは楽な手応え。2番手以下が苦しい追走だ。

直線半ばでも、まだスナークヒロインの脚色は衰えず、鞍上もまだゴーサインを出していない。残り1ハロンの標識を過ぎてからしばらくして、やっとステッキを入れる高倉J。もう後続との差は5、6馬身あり、最後は流し気味でのゴールであった。

2着は、終始追いどおしの手応えだったロードアビリティが、内々から出て伸びてきて確保。3着も、4コーナーでほぼ同じ位置どりのペガサスダンディー。この2、3着は、内と外との差か。
1番人気スカイサーファーも、直線では2、3着馬と同じ位置まで詰め寄ってきて、最後の追い合いに参加はしていたが、伸びきれず。何せ勝ったスナークヒロインのラップが凄い。前半3ハロンが34.7、1000通過が58.9であり、1200を1.11.3で通過。さすがに最後の1ハロンは13.0だが、ここは流してもいたから、実際はもっと速い時計が出たはず。
やっと父の良さが出たのだろうか。積極的な競馬もよかったのだろう・・か。


日曜京都6R
3歳500万下
ダ1200m
勝ちタイム1.11.4

勝ち馬
メイショウトリノ(牡3、栗東・松永昌厩舎)

前走の休み明けの未勝利戦を楽勝したメイショウトリノだが、昇級戦のここも、さらに楽な勝ちとなった。タイムも今年の3歳戦で一番速いものをマーク。ダートがいいのか、何せ完璧な勝ち方で、今後は距離との戦いとなるのだろうか・・・。

ゲートを出た瞬間は、隣のジョウショームテキが速かったが、内から何とか行ききった。2戦目を注目のフミノアカデミーが、そのゲートでアオリ気味のスタートで、一瞬のうちに最後方からの追走となった。
先頭はメイショウトリノ、2番手ジョウショームテキだが、そんなにペースは速くはなっていない。3番手グループもそう差はなく、一番内めをテイクエイムが追走した。

3コーナーを過ぎて4コーナーへかかる時には、2番手ジョウショームテキに、1馬身ぐらいの先行のメイショウトリノ。
2番手グループが3頭が横並びとなった。その後ろに、ポツンと最内のラチ沿いをテイクエイム。その後ろが、また4頭ぐらいが横並びで、一番内にモルフェキングが内ピッタリで追走だ。

4コーナーを廻って直線に入って来た。先頭はメイショウトリノで、むしろ後続との間が広がった感じだ。2番手ジョウショームテキが苦しくなって内が開き、そこへテイクエイムが入ってきて前を追った。
直線半ばでも、メイショウトリノの高倉Jは何もしていない。後ろの馬たちが必死で追っているのに、手綱は持ったまま。

そして残り50メートルを過ぎたあたりで、ステッキを2、3発入れた。その後はもう追わず、流してのゴールインだった。
2着は内から出たテイクエイム、3着は4コーナーまでインにいたモルフェキングが直線で外へ出しての急追。最後は際どくテイクエイムに迫ったところがゴールであった。

フミノアカデミーは、結局は終いも不発で後ろから数えた方が速い着順に終わった。初戦に見せた古馬のようなレース内容からは、今日の結果はまったく予想だに出来ないもの。競馬はみずものであると、改めて教えられた感じだ。
勝ったメイショウトリノが2着につけた着差は、8馬身。
高倉Jが2着につけた8馬身差の勝利は、本日2度目である。そして勝ち時計の1.11.4は、今年の3歳戦の京都、阪神での最速タイム。それもけっこう楽な競馬でのもの。
楽しみなスピード馬の誕生と言っていいのではなかろうか。


★次回注目馬

土曜京都5R
3歳未勝利
芝1800m

サンライズローマ(3着)(牡3、栗東・石坂厩舎)
(ポイント)
初出走の、このサンライズローマ。スタートがあまり芳しくなく出た瞬間に最後方。徐々に順位を上げていき、4コーナーを廻る時は勝ち馬の直ぐ後ろまで取り付いている。
しかし、そこまでに脚を使ってもいる上に、直線半ばでは少し内にもたれている格好も。ところがそこらでモタついていながら、ゴール前でもうひと伸びの脚がいい。勝った馬などは、好発から脚を貯めての瞬発力勝負に出ての結果。まったく違う内容での3着は悪くない。一度実戦を覚えた次走がどんなレースぶりをしてくれるのかが楽しみだ・・・。

土曜京都6R
3歳500万下
ダ1800m

メメビーナス(3着)(牝3、栗東・藤沢則厩舎)
(ポイント)
どうもゲートの出が芳しくない。これは馬を怖がるかららしく、そんな傾向があるだけに、前半は後ろからとなってしまう。4コーナーを大外から、最後はかなりのところまで迫ってはいる。軽い馬場も走れる要因だろうが、地力がない馬ではない。
いつでも走れる能力はある馬と言えようし、これからも展開とか流れなどに左右される事は大いにあろうが、逆にチャンスあれば、いつでも突っ込んでくる馬でもあると覚えていて欲しい。

日曜京都5R
3歳未勝利
芝1400m

トロワプレジール(3着)(牡3、栗東・友道厩舎)
(ポイント)
このレースも全体に速い流れとなって、直線1ハロンでは7、8頭がひしめく大接戦。
勝ったのは中団を追走のミラノムーンで、2戦目の初芝で大いに変身を見せたもの。最後の1ハロンが12.2と時計を要したのもあろうが、3着に突っ込んできたトロワプレジールの脚が印象的。
4コーナーではまだ前からはだいぶ差がある後方から3頭め。本当にゴール前だけの突っ込みで来たもの。次走がどんな変わり身を見せるのか。