【2歳馬情報】新馬戦がスタート!土曜東京にはハーツクライ産駒の素質馬が登場!

2歳新馬戦がいよいよ今週からスタートする。オークス、ダービーが終わり、新たに2歳馬たちがターフに登場する。素質馬の始動も年々早くなり6月の新馬戦の重要度も増してきた。この中に来年のダービー馬、オークス馬がいるかもしれない。今週も厩舎育ちのPOG好き、数多くの名馬をPOGで指名した達人・山田乗男が紹介していく。

◆6月4日


●東京芝1600m

ノッキングポイント(牡、モーリス×チェッキーノ、美浦・木村厩舎)
母はフローラS勝ち馬、オークス2着。おじコディーノ(重賞2勝)。「完成度が高く、牧場でも特に進んでいる組で、東京開催のトップバッターとして登場。抜群に切れるというよりも、持続する脚を使う。モーリス産駒でも重苦しさはなく、適度な軽さは見受けられる」とは現地記者の話。1週前調教(以降も調教は、主に1週前のもの)はウッド5F67秒9-11秒8で、古馬3勝クラスのレッドヴェロシティ相手に余裕をもって併入。少しかかり気味だった2週前に比べると、落ち着いて走れるようになってきている。当レース(開幕週の混合マイル戦)を勝ったサンデーRの先輩は、ステルヴィオ、グランアレグリア、コマンドラインと後に重賞ウイナーに輝いている。ここを勝って、偉大な先輩を追いたい。鞍上はルメール騎手。

エゾダイモン(牡、ハーツクライ×メジロツボネ、栗東・武幸厩舎)
半兄グローリーヴェイズ(GⅠ香港ヴァーズ2勝)。セレクトセール1億8150万円(税込)。期待馬が並ぶノーザンFの中でも、早くから高い評判が伝わってきていた。栗東トレセン入厩後も順調で、CWで5F66秒6-11秒3の好時計をマークし3頭併せで最先着と、高い評判に変わりはない。ここでノーザンF関東勢を破れば、早くもクラシックが見えてくる。鞍上は武豊騎手。

スティルディマーレ(牡、ロードカナロア×コケレール、美浦・国枝厩舎)
母はフランスGⅠサンタラリ賞勝ち馬。半兄ラヴィエベール(3勝)。同厩の良血2歳馬(エルダーサイン、ダノンザタイガー)による豪華な3頭併せで、ウッド5F67秒0-11秒4をマークし併入。2週前は2頭に見劣ったが、1週前は互角に動いたように良化が進んでいる。鞍上は横山武史騎手。

バロックダンス(牝、モーリス×リトミックダンス、美浦・小手川厩舎)
半姉フォーエバーマーク(キーンランドC勝ち馬)。ウッド5F66秒4-12秒0と全体時計は上々で、併せた2頭に先着している。メンバー強力だが、勝って評価を大きく上げたい。

●中京芝1600m

ダイヤモンドハンズ(牡、サトノダイヤモンド×メチャコルタ、栗東・池江厩舎)
母はアルゼンチンGⅠ勝ち馬。サトノダイヤモンド産駒で池江厩舎となれば、期待は高いはず。調教はCW67秒0-11秒2と、2週前に続き好時計をマークし、初戦勝ちへ向け順調に進んでいる。鞍上は福永騎手。

リアリーホット(牝、ロードカナロア×ホットチャチャ、栗東・斉藤崇厩舎)
半兄エタリオウ(菊花賞2着)。セレクトセール1億7600万円(税込)。2週前までは目立たなかったが、1週前は坂路51秒8-12秒5と大きく前進してきた。馬主の長谷川氏は藤沢和厩舎がメインだったが、師の引退に伴い今年の2歳馬は、セレクトセール出身馬に関しては斉藤崇厩舎が主力。新たなラインにも注目したい。鞍上は川田騎手。

トゥーテイルズ(牝、ラブリーデイ×ウリウリ、栗東・藤原英厩舎)
母は重賞を2勝。全姉は2歳時にオープン特別3着が2回あるジャカランダレーン(現3勝)、おじにダービー馬マカヒキがいる。CW5F68秒6-11秒3で古馬3勝クラスの馬に最後は交わされたが、終い11秒3が出ていれば心配ない。

サトノミスチーフ(牡、Into Mischief×プレイプリティー、栗東・平田厩舎)
近親ディルガ(忘れな草賞1着)。CW5F66秒7-11秒9で、古馬オープンのゴールドレガシーと併入は評価できる。鞍上は藤岡佑騎手。

マイネルメモリー(牡、ゴールドシップ×コスモエンドレス、栗東・宮厩舎)
半姉エントリーチケット(タンザナイトSなど6勝)。坂路主体で調整も、1週前は初めてCWで時計を出し、5F66秒0-11秒8なら上々だ。鞍上は和田竜騎手。

スズカダブル(牡、バゴ×ダブルファンタジー、栗東・西村厩舎)
母は交流GⅢマリーンC3着。CW5F67秒5-11秒2。速い時計を出す馬が多い西村厩舎だが、それでも終い11秒2は目立つ。他にも6月デビューに有力馬を複数揃えている西村厩舎。先鋒を務める本馬の走りで、全体のレベルが見えてくるだろう。

◆6月5日


●東京芝1600m(牝馬限定)

エルダーサイン(牝、ハーツクライ×コンドコマンド、美浦・国枝厩舎)
半兄コマンドライン(サウジアラビアロイヤルC勝ち馬)、アルジャンナ(重賞2着3回)。「さすがは血統馬で、稽古はセーブ気味でも水準以上の時計で動く。父の産駒は晩成傾向だが、比較的早い時期から活躍が期待できそう」と記者の話。調教はウッド5F67秒4-11秒4で、同厩の2歳馬ダノンザタイガー、スティルディマーレと併入。兄を見る限り早熟性は高く、初戦から結果を出したい。鞍上はルメール騎手。

メリオルヴィータ(牝、ダイワメジャー×メリオーラ、美浦・池上厩舎)
一つ上の姉メルトクラシーは、昨年同時期に新馬勝ち。父(ダイワメジャー)と所属クラブ(GⅠレーシング)が同じで、且つ早期から評判も高かったことから、「第2のセリフォス」のイメージがある。「牝馬ながら均整の取れた好馬体。父の産駒らしくスピード能力が高く、稽古は楽に好タイムが出る。1600~1800mまでこなせそうなタイプ」と記者の話。調教も内を回ったとはいえ、ウッド64秒9-11秒7と、評判通りの時計をマークしている。鞍上は福永騎手。

ビューティーワン(牝、ハーツクライ×ディヴィナプレシオーサ、栗東・武英厩舎)
母がチリのGⅠを2勝。25日のCWは5F68秒1-11秒6、28日の坂路では全体が52秒0で、1Fはなんと11秒7! この時計から、相当な脚力を感じる。鞍上は武豊騎手。

モリアーナ(牝、エピファネイア×ガルデルスリール、美浦・武藤厩舎)
近親ジーニマジック(クイーンC3着)。25日水曜日に、ウッド5F64秒3-11秒7をマーク。この5Fの時計は、当日の美浦ウッドでは古馬も含め全体で4番目。これは評価したい。

エンジェリックアイ(牝、エピファネイア×ファンタジックアイ、美浦・牧厩舎)
おじハイアーゲーム(重賞2勝、日本ダービー3着)、ダイワマッジョーレ(重賞2勝)。ウッド5F65秒6-11秒5と水準以上の時計をマーク。2週前から時計を大きく詰め、デビューへ向け上昇が窺える。鞍上は石橋騎手。

マラマプア(牝、ダイワメジャー×セットプレイ、美浦・伊藤圭厩舎)
半姉は地方で3勝、JRAで2勝し、準オープンに在級のステラータ。坂路51秒7-12秒2をマークしたスピードで、デビュー勝ちを狙う。

●東京芝1400m

マローディープ(牡、スクリーンヒーロー×モルジアナ、美浦・木村厩舎)母は4勝、半姉コラリン(カンナS1着)、おじシャケトラ(GⅡ3勝)。調教はウッド5F70秒1-12秒6。同時期デビュー予定の木村厩舎の馬と比較すると、少々遅れているイメージはある。ただ姉のコラリンも1番人気の新馬戦で4着に敗れ、2戦目から未勝利、カンナSと連勝。当馬も叩いてからが勝負かもしれない。鞍上はルメール騎手。

シャンディエン(牡、ドレフォン×デグラーティア、美浦・林厩舎)
母は小倉2歳S勝ち馬。半兄ドミナートゥス(4勝)。ウッド5F72秒5-11秒7。全体は遅いように見えるが、ゴール後も脚を伸ばして1F12秒台レベルで走っており、実際の時計はもっと速い。手応えから良化の余地もありそうなので、最終調教はよく見ておきたい。鞍上はレーン騎手。

クラックオブドーン(牡、サトノクラウン×クラックシード、美浦・中舘厩舎)
母は3勝、3代母はファビラスラフイン(秋華賞勝ち馬)。調教はウッド5F66秒1-12秒1で、外に併せた古馬に見劣ったが、全体時計は上々。2週前は終い1F12秒を切っており悪くはない。鞍上は福永騎手。

●中京芝1400m

メイクザビート(牡、マインドユアビスケッツ×カジノブギ、栗東・西園厩舎)
半兄ジャスティンカフェ(現4勝)。古馬3勝クラスを煽った2週前も良かったが、1週前もCW5F66秒4-11秒4の好タイムを外目をまわってマークし、併せた馬を圧倒。売出し中の兄を追いかけたい。鞍上は和田竜騎手。

ナゲットモンスター(牡、モーリス×クッカーニャ、栗東・西村厩舎)
母は5勝し、POG期間内はオープン特別が2度。近親で同厩の先輩タイセイビジョンも、POG期間内に重賞2勝、朝日杯FS2着と活躍している。この馬も早くから坂路で好時計を連発。1週前は軽めだが、それだけ仕上がりも進んでいるのだろう。好調教の2歳馬が目立つ西村厩舎だが、特にこの馬に注目。鞍上は松山騎手を予定。

マニバドラ(牡、Speightstown×Trini Brewnette、栗東・森厩舎)
5月25日の坂路で49秒2-12秒1。これは古馬を含めての同日の1番時計だ。 Speightstown産駒の国内活躍馬はモズスーパーフレアが出世頭だが、他はマテラスカイ、ピンシャン、フルフラットなど森厩舎が目立っており、この馬も当たりの予感。芝からのデビューのようだが、将来はダートの短距離で活躍してくれそうだ。鞍上は松本騎手。

ジョウショーホープ(牡、ミッキーロケット×スターフォーユー、栗東・新谷厩舎)
近親サークルオブライフ(阪神JF勝ち馬)。2週前の坂路で52秒7-12秒6。1週前の坂路で52秒6-12秒0と好時計を連発。終いの時計を縮めたのも好感だ。相手は揃ったが、これなら好勝負に持ち込めそうだ。

◆新規入厩


エンパイアブーケ(牝、ダイワメジャー×キャッチータイトル、美浦・木村厩舎)
全姉メジャーエンブレム(阪神JF、NHKマイルC勝ち馬)

アスコルティアーモ(牝、キタサンブラック×アスコルティ、美浦・林厩舎)
半兄アスコルターレ(オープン特別2勝)、おばタッチングスピーチ(ローズS勝ち馬)、おじサトノルークス(菊花賞2着)

メイデンタワー(牝、ドレフォン×アゼリ、美浦・稲垣厩舎)
母はGⅠ11勝で、北米年度代表馬にも選ばれた名牝。半兄シルヴァンシャー(京都大賞典3着)、ロイカバード(重賞3着2回)

ノイアーターク(牡、ロードカナロア×クールドボーテ、栗東・安田隆厩舎)
母はGⅠフランス1000ギニー2着

ゴールドシーン(牡、エピファネイア×ローガンサファイア、美浦・林厩舎)
母はマーガレットS1着

デインバランス(牝、エピファネイア×ナッシングバットドリームス、栗東・杉山晴厩舎)
半姉ルージュエヴァイユ(現2勝)

アルジーヌ(牝、ロードカナロア×キャトルフィーユ、栗東・中内田厩舎)
母はクイーンS勝ち馬。半兄ロードプレジール(現3勝)、全姉サンクフィーユ(デビュー戦好タイム快勝)