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【皐月賞】トライアルで切符掴んだメタルスピードが短期間で更なる上昇カーブを描く!
2023/4/12(水)
スプリングS3着から本番に挑むメタルスピード
■皐月賞
メタルスピード
斎藤誠調教師
——メタルスピードは初勝利をあげるまで5戦要しましたが、その後すぐに1勝クラスも勝ち上がります。結果が出た要因についてどのようにお考えですか。
斎藤誠調教師(以下、斎):この子は最初の頃から走法や削蹄などに問題があって、その辺りを改善していかないと上のクラスで活躍するのは難しいと思っていました。
大きなポイントで言うと、右にササるところがあったので馬具や調教方法を工夫して矯正していきましたが、それらが奏功して真っ直ぐ走れるようになってきました。そういう走りが出来るようになったことが連勝という結果に繋がったと思います。
——1勝クラスを勝って中一週でスプリングステークスに参戦されましたが、レース選択の意図を教えてください。
斎:これまでの競馬の内容や血統背景から見て1800、2000まではいけると思っていましたが、普段乗っている助手は「マイルまでかな」という感触でしたし、NZTからNHKマイルカップという路線も考えていました。ただオーナーもシルバーステート産駒で距離はこなせそうだと考えていらっしゃったでしょうし「行けるなら夢を見ましょうか」と言ってくださって。
その言葉に背中を押されて、スプリングステークスに挑戦することにしました。あとそれまで乗ってくれていた戸崎騎手の「マイルから1ハロン延びても大丈夫だと思う」という意見も重要でしたね。
——重馬場のなか3着という結果でした。
斎:ゲートをポンと出られずひとつ後ろのポジションになりましたが、課題である真っ直ぐ走ることは出来ていましたし、ジョッキーの指示にもきちんと反応していてしっかりした競馬が出来たと思います。まだ成長途上の段階ですし、次が楽しみになる内容でした。
——津村騎手とは初コンビでした。
斎:馬乗りが上手でクセ馬も難なく乗れますし、ソツがなく馬の能力を発揮させることが出来るジョッキーなので何も心配していませんでした。実際良い競馬をしてくれましたし「右にササる面は気にならない」と話していました。
——この中間はどのように過ごしていますか。
斎:重馬場で走った分、3月末頃までは少し疲れが残っていましたが、4/2(日)には時計を出せるくらいになって疲れも取れました。真っ直ぐ走れるようになったことで、体の左右のバランスが良くなって筋肉の付き方が変わってきましたし、この短期間で更に馬が良くなっています。
——4/5(水)の1週前追い切りの狙いと評価を教えてください。
斎:1週前なので少し強めにやろう、と思っていました。2頭併せの前を走って追われてからムチが入りましたが、良い反応を見せていました。この疲れが取れれば更に良くなるんじゃないかと思っています。
レース数を使っていてもう息も出来ていますし、あとは調整程度で十分でしょう。レース当該週は、津村騎手を乗せてサラッとやるつもりです。
——ここまでのキャリアから、この馬の性格など特徴はどのように感じていらっしゃいますか。
斎:賢い子ですね。1回1回の競馬で覚えてくれることが多いです。3歳のこの時期はヤンチャな馬も多いですけど、この子は躾がしやすかったです。基本的にムダなことはしない、優等生で扱いやすい子です。
——競馬を使われながら成長してきたんですね。
斎:そうですね。この子に限らず、元々私が「競馬で教えないといけないことは、実際の競馬でないと教えることが出来ない」という考えを持っていまして。だからウチの厩舎は出走回数が多いんです。
調教だけでは教えられないこともあるので、競馬の数を使いながら馬を強くしていきたいと思ってやっています。もちろんただ闇雲に数を使うのではなく、レースごとにテーマを持ってムダな使い方はしないように気を付けています。
——初めてのG1挑戦です。皐月賞の舞台となる中山2000や力関係について、見通しはいかがでしょう。
斎:世代上位のメンバーが揃いますが、今年は混戦模様かと思っています。距離は違いますが中山でも好走していますし、今のこの子の上昇度合いを見ると何とか上位に食い込めないかと期待しています。あの…、3歳馬の5大特別競走登録ってありますよね?
正直、この子は距離適性を考えて皐月賞までしか登録をしていないんですよ。だからここで上位に来てダービーに出走出来ることになったら、追加登録料を払わなきゃいけないんです。
——そうなのですね。
斎:オーナーは「その場合は嬉しい誤算ということですね」とおっしゃって、了承していただいています。なのでこの皐月賞は、試金石でもありメインイベントでもあります。
——次走予定にも関わる大事な一戦ですが、最後に意気込みをお願いします。
斎:まだ成長途上ではありますが、現状でやれるだけのことはやって仕上げてきました。厩舎スタッフや装蹄師、牧場関係者など多くの人たちと協力しながらやってきましたし、競馬でいろいろなことを教えてくれた戸崎騎手の功績も大きいです。
みんなで作り上げてきた馬で挑戦出来ることに嬉しさややり甲斐を感じますし、今まで教えてきたことをこの大一番で出し切ってくれればと思います。藤沢和雄先生じゃないですけど、馬に頑張るようによく言っておきます(笑)。
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