【オークス】根性娘キタウイングが勝負根性生かして一発狙う!

強烈な末脚を武器とするキタウイング

強烈な末脚を武器とするキタウイング


■オークス
キタウイング(牝3、美浦・小島茂厩舎)
小島茂之調教師

——桜花賞を振り返ってください。

小島調教師(以下、小):自分の競馬をしようと決めていましたし、後ろから行って内の良いところでジッとして直線に向きました。道中目の前に勝ち馬がいましたし、それについて外を上がっていくのを見たかった気もしますが、そうしていたら恐らく止まっていたでしょうからね。自分の競馬に徹してメンバー中2位の上がりを使いましたし、概ね納得しています。

——改めてこの馬の良さや今後こうなってくれればいいなという点など感じるところはありますか。

小:この馬の良さは、杉原も言ってくれましたが「非力で華奢な現状でこれだけやれている凄さ」ですね。これから力を付ければ更に、と思いますが、本当に良くなってくるのは秋頃かと思っています。

——この中間の過ごし方を教えてください。

小:桜花賞後は放牧に出して、レースの約1ヵ月前くらいに帰厩しました。

——今回は東京2400に舞台が替わりますが、調整で気を付けていることがあれば教えてください。

小:レースで2400もつかどうかは正直やってみないと分かりませんが、そこはある程度血統で決まっている部分もあるかと思っています。なので単純に調教で長い距離を乗るのがどうか、という感じはしますね。

そもそもこの子は華奢なこともあってあまりこちらがいじくり過ぎないように、やり過ぎてオーバーワークにならないようにと気を付けながら調整してきました。栗東にいたときは逍遥馬道や坂路へ行くことで自然に負荷をかけられましたし、美浦に戻ってきてからは併せ馬の相手の選択肢が増えたので、その辺りを考えながら調整しています。強い負荷をかけてもっともっとと求めるよりも、現状を維持しながら形を整えていこうと思っています。

G1に向けての調整はしんどいので、抵抗力が落ちて皮膚に発疹が出る馬もいますが、この子はそういうことはありません。桜花賞の前も結構な量をあげたくらいカイ食いが良いですし、皮膚も発疹がなく綺麗ですよ。

——5/10(水)に杉原騎手騎乗で行われた1週前追い切りの狙いと動きの評価をお願いします。

小:私は馬が整っていない状態でジョッキーを追い切りには乗せたくありません。今回はきちんと整っていましたし、自分が乗った感じまだ1本足りないかなという印象だということを杉原に伝えて乗ってもらいました。

この1週前追い切りはキタウイングの追い切りというよりは併せた相手の為の追い切りというメニューでしたが、むしろそれで十分でした。スタートで一瞬離されましたが、杉原も慌てずゆったり併入してくれました

。私の目には直線で少しモタついたように見えましたが、杉原は気にならなかったと話してくれましたよ。今後は週末に1本やって当該週に最終追い切りをやる予定です。

——先ほど少しお話に出ましたが、最後に東京2400という舞台への見通しをお願いします。

小:この子は最初は1600っぽかったのでNHKマイルカップが目標かと考えていましたが、阪神ジュベナイルフィリーズの内容から距離がもちそうな感触を得たので、オーナーと相談してオークスを目標にしました。2000、2200くらいまでは大丈夫だと思っていますし、それぐらいこなせれば東京2400でもごまかしはきくと思っています。

先ほど話したように、やはり血統で半分くらいの馬は距離で苦戦しますからね。最後の直線でバラバラと崩れていく馬もいるでしょうし、馬を信頼してバタつかなければ最後まで頑張れるのではないかと思います。勝負根性を生かせるような形になってくれれば更に良いですね。