【特別対談part1】ダービー制覇に挑む戸崎圭太騎手とあのレジェンドジョッキーが豪華対談!

ダービー制覇の極意を継承。悲願の日本ダービー制覇に向け挑む戸崎圭太騎手が、今回、騎手として1990年の日本ダービーをアイネスフウジンで制した中野栄治氏とスペシャル対談を敢行!20万人近い大観衆の前でダービーを制したレジェンドが授ける、ダービー制覇の極意とは…

レジェンド、早くもダービー勝利宣言!?

——ジャスティンミラノと挑まれた先日の皐月賞については戸崎騎手にも既にコラムで語っていただきましたが、改めて触れていただきたいと思います。

中野:僕、この間の皐月賞見ていて思ったのはペースが速かったじゃない?それで、川田(将雅)君が先にいるところをマークしているのかなってね。直線に向かってコスモキュランダが上手く外に出してきて、差されると思ったよ。でも、ここまで来たらジャスティンミラノには粘って欲しいと。

あの時は調教をつけていた藤岡康太くんのことが浮かんできたね。彼の魂が乗り移ったかのようで抜かせなかったのかな。レースを観てちょっと泣いちゃったんだけども、戸崎くんは乗っていてどんな感触だった?

★

戸崎:実際、ペースは速かったですけど、ジャンタルマンタルはおそらく中山2000mはギリギリ持つかどうかじゃないかなと思っていたんです。それでも4コーナーから直線で離されたんですよ。あの時は「アレっ!?」と思いました。ペースが速かったから、勝つのは甘くないなと思っていました。あれだけ離されたのでね。しかも、こちらも手応えが怪しくなったので。

中野:ジャスティンミラノは間隔が空いていたからね。だから、(手応え的にも)コスモキュランダがいいなと。差されちゃうなと思ったね。

戸崎:僕も後から映像を観直しましたけど、(コスモキュランダの騎乗は)上手いなと思ったし、スムーズでしたよね。

中野:ジャスティンミラノの距離はどうなの?

戸崎:良さそうですね。大丈夫です。

中野:じゃあ、勝ったね(笑)。

戸崎:ありがとうございまぁす!(笑)

★

中野:ダービーって皐月賞の3着までが中心じゃない。広く見ても5着以内。トライアルから来ることもあるけれど、クラシックに走ってきた馬は相手が強い中で頑張っているからね。

トライアルって「あのレースは強い内容だった」と言われても、1勝クラスの馬が混ざっていることもあるから。皐月賞はみんな2勝以上していたり、重賞でも上位に来ている馬たちが戦うわけ。

戸崎:今年はチャンスかなと思っているんですよね。「いよいよ来たな」と。

中野:ダービーはきっと1番人気になると思うけども、気分いいよね、どう?

戸崎: いや、気分はいいでしょうけど、何と言いますか、ダービーに向けての精神的な持っていき方と言いますか、そこは気になりますね。

★

中野:アイネスフウジンの時はもう前年の暮れに朝日杯FSを勝って、そこからダービーまでがずっと楽しかったですよ。約5か月間。その間にダービーに向けて歯も治したしね。あとは私生活を正せればもっと良かった(笑)。その頃はトレセンの近くに寿司屋があって、朝から行っていたくらいだから。

戸崎:ハハハ(笑)。緊張やプレッシャーはなかったですか?

中野:ダービーまで楽しかったですよ。緊張っていうのはいい緊張だよね。

★

戸崎:ダービー当日はどうでしたか?

中野:全然緊張はなかった。

戸崎:ええ!?

中野:僕の場合、ダービーで1番人気の馬に跨がるのが夢だったんです。どんな感じなんだろうって。1番人気って全国からずっと見られていてさ、パドックから注目されるからね。勝つことも大事だけど、勝つ以前に1番人気に乗りたかったですね。それが僕の夢だった。だから戸崎くんがうらやましいよ。

戸崎:なかなかこういう経験はできないでしょうからね。いや~、今すごく味わっています。

中野:歯医者はもう行った?

戸崎:これから歯医者に行っておきます(笑)

中野:本当に当日まで怪我のないよう気を付けてください。自分も年が明けてね、5月にダービーがあるのを意識していたから怪我しないように気をつけていた。