【プロキオンS】本当に買える?「怪物」ヤマニンウルスの無敗記録を脅かす伏兵

引き続きヤマニンウルスに騎乗する武豊騎手

引き続きヤマニンウルスに騎乗する武豊騎手


7月7日(日)に行われるプロキオンS(G3、小倉ダ1700m)で注目を集めるのが、なんといっても目下4連勝中のヤマニンウルスでしょう。

デビュー時に2着と4秒3差と、1984年以降ではJRAの平地レース最大着差で勝利を収めた同馬。以降も底を見せない走りを続けていることから、一部では「怪物」との呼び声高い1頭が、5戦目にして初の重賞制覇へ乗り出しました。

そこで今回は、ヤマニンウルス優勝の可能性をさまざまな角度から検証!同時に連勝を阻む可能性のある馬もピックアップしながら進めていきます。

【データ①:対戦成績】

まずはプロキオンSの舞台となる小倉ダート1700mにおいて有利な脚質を見てみましょう。なお、データは以降のもの含めてすべて近3年のものを参照しています。

▼小倉ダート1700m「脚質」成績
逃げ [ 52- 38- 24- 146]勝率20.4%
先行 [122-115-104- 431]勝率15.8%
差し [ 48- 60- 83-1063]勝率 3.8%
追込 [ 2- 5- 12-1069]勝率 0.2%
マクリ[ 9- 15- 10- 28]勝率14.5%

(※過去3年)

前有利のダートコースらしく、やはり圧倒的なのは逃げ・先行勢。中でも小倉は平坦部分が多いためか、いっそうその傾向が強いようです。ヤマニンウルスはここまでの4戦は全て2番手から進める王道の競馬を見せており、不安は少ないと言えるでしょう。

一方で、勝率で上回る「逃げ」勢からの刺客を挙げるとするならば、まずはダートで逃げた際の成績が[3-3-0-0]連対率100%と驚異の数字を誇る3歳馬ブルーサンでしょう。斤量が前走から4キロ減の54キロで出走できる点も有利に働きそうです。

また、22年のゴドルフィンマイルを4コーナー先頭の競馬で押し切ったバスラットレオンも怖い1頭。スプリント戦で戦ってきた経験を活かし、ハナを主張しても不思議ではありません。

【データ②:騎手】

▼小倉ダート1700m「騎手」成績
武豊 [ 4-2-1- 5]勝率33.3%
松山弘平[13-5-9-56]勝率15.7%

(※過去3年)

続いては騎手別の成績。騎乗回数こそ少ないものの、武豊騎手はさすがの仕事人ぶりで小倉ダ1700mでも信頼度バツグン。対抗するのは松山弘平騎手。コース勝利数としては今回の参戦ジョッキー内ではトップであり、近3走続けて5着と堅実なマリオロードのひと押しにも期待です。

【データ③:血統】

▼小倉ダート1700m「種牡馬」成績
ジャスタウェイ [ 1-1-1-42]勝率 2.2%
シニスターミニスター[11-5-7-78]勝率10.9%

(※過去3年)

最後の締めくくりは種牡馬成績ですが……。ここに来てはじめてヤマニンウルスに暗雲。なんとジャスタウェイ産駒のコース勝利は、ヤマニンウルス自身が新馬戦で打ち立てた1度のみ。当時は2歳レコードを記録したとはいえ、今回は古馬相手。産駒全体の傾向から適性面に疑問符が付きます。

一方で対抗はシニスターミニスター産駒。のちに24年帝王賞などG1級を2勝するキングズソードがオープン特別の阿蘇Sを勝利。今回、産駒はラインオブソウル1頭のみが参戦となりますが、血統適性から十分に注意を払う必要があるでしょう。

さて、以上3つのデータを参照してきましたが、ヤマニンウルスはうち2つを問題なくクリア。血統面でのみ不安が残ることとなったものの、逆にこの壁が突破できれば真に「怪物」であることが証明されます。

無敗の大器が勝るか、はたまた虎視眈々と構える伏兵たちの逆転なるか。手に汗握る名勝負に期待です!