【府中牝馬S】実力馬モリアーナが新コンビで巻き返しに挑む

約1年ぶりの勝利を目指すモリアーナ

約1年ぶりの勝利を目指すモリアーナ


府中牝馬S
モリアーナ
武藤善則調教師

——前走のクイーンステークスは12着でした。レース内容を振り返ってください。

武藤調教師(以下、武):10日間競馬という調整過程が懸念とされるところもありましたが、馬体重の増減もなく良い状態で臨めました。結果的には大外枠を引いてしまって、脚が溜まらなかったことが響きましたね。それでも0.7秒差でしたし、外を通らざるえない厳しい形になったことを考えればやはり能力があると思いました。

——この中間の過ごし方を教えてください。

武:前走後は放牧に出しました。早い段階から今年で引退すると決めていて、秋は府中牝馬からエリザベス女王杯というローテーションを予定していたので、その目標から逆算して帰厩、調整を進めています。

——10/3(木)に行われた1週前追い切りの狙いと動きの評価をお願いします。

武:今回初めてコンビを組む岩田康誠騎手に乗ってもらって、感触を掴んでもらいました。これまでの競馬内容からかかりそうなイメージを持っていたのか、構えて乗っていた分折り合いがつき過ぎるくらいでした。

前半で楽をさせた分全体時計は目立ちませんが、脚が溜まっていたのでラスト1ハロンではビックリするほどの伸びを見せてくれました。やはりこの馬は、溜めると終い切れるなと再認識しました。今日の追い切りでジョッキーもかかるイメージが払拭できたと思いますし、競馬前に1回乗って確かめてもらえたことは大きいですね。

——前走時と比較して状態面はどのような印象をお持ちですか。

武:好不調の波がないタイプで今回も相変わらず体に張りもあって、いつも通りのモリアーナです。年齢を重ねて精神面も成長してきましたし、体つきもしっかりして完成された域に入っています。血統的にも早熟な感じがありますし、4歳の今がピークでしょう。

——東京芝1800という舞台設定への見通しは。

武:使いたいと思っていた舞台です。東京マイルは早めに3コーナーが来るので位置取りが悪くなってしまうことがありますが、1800なら無理せずもっと良い位置につけられるのではないか、と考えています。位置取りと折り合いがカギになるので、今の折り合いがつきやすくなったモリアーナにとって、東京1800は力を発揮するのに持ってこいの舞台だと楽しみにしています。

——レースへ向けて意気込みをお願いします。

武:あと残り2戦です。早い段階から「この子はG1を勝てる馬だ」と思っていましたが、なかなか上手く噛み合わず現状はG2勝ちに留まっています。これまでG1でもそれほど差のない競馬ができていますし、能力は通用すると今も思っています。ここを勝って、良い雰囲気でラストチャンスに臨みたいですね。