【有馬記念】アメリカで収穫を得たローシャムパークがグランプリに挑む!

BCターフで2着に食い込んだローシャムパーク

BCターフで2着に食い込んだローシャムパーク


有馬記念
ローシャムパーク
田中博康調教師

——昨年の香港カップに続き2度目の海外挑戦となった前走のブリーダーズカップターフはクビ差の2着でした。レースを振り返ってください。

田中博調教師(以下、田):秋初戦の毎日王冠で結果を出せませんでしたが、そこから続戦でブリーダーズカップへ挑戦することになりました。2度目の海外遠征だったので出国検疫でも落ち着いて過ごせましたし、現地に到着してからも一度疝痛症状が出たものの、それを除けば思っていた通りの調整プランで進めることができました。

距離2400は新しいチャレンジでしたが、タイプ的には良さそうだと思っていましたし、課題のコントロールを上手くクリア出来れば、アメリカの小回りの流れで面白いところがあるかと思ってレースへ送り出しました。

特に展開が向いたとも思いませんし、そのなかであれだけのパフォーマンスを見せてくれたように、ローシャムパークの強さが際立った内容だったと思います。あれだけの差だったので勝ちたかったですけど、新たな一面を見られたのは大きな収穫でした。

——この中間の過ごし方を教えてください。

田:帰国後は競馬学校からノーザンファーム天栄へ移動して、牧場で3週間ほど過ごしましたが、その間に「有馬記念を使おう」という判断に至ったくらいに、海外輸送を挟んでも体が減って寂しく見えるようなこともありませんでした。帰厩後も肌ツヤなど体調面は良く見えますが、走りのバランスなどはまだまだ良化途上なので、レースまでに高めていきたいと思っています。

——中間の調整のテーマは。

田:1番の課題としては、まだ乗り難しさが残っているので、中山2500というコース形態のなかでジョッキーとの呼吸をいかに合わせるか、を主眼に置いて調整を進めています。1週前追い切りではマーカンド騎手に、有馬記念で騎乗することをイメージして乗ってもらって感触を確かめてもらいました。

——調整過程の手応えはいかがですか。

田:口が強くなる瞬間を感じてもらったり、こちらが伝えた通りの難しさがあることをマーカンド騎手に分かってもらえました。それでも「想像していたよりは上手に乗れそうだ」という感触を掴んでくれたようです。これからも課題克服に向けて取り組みながら、少しずつ進歩が見られればと思います。

追い切りの動きそのものは、有馬記念1週前としては物足りない面もあったので、残りの時間のなかで少しでも状態を上げていきます。

——今年は大阪杯2着から始まり、前走まで計4戦に出走しました。この1年でローシャムパークの変化を感じるところは。

田:春から夏、夏から秋にかけて少しずつ逞しくなっていった昨年に比べると今年1年では大きな変化は感じませんでしたが、強いて言えば海外遠征を2回経験して精神面が少し成長したかなと思います。キツい旋回癖のある子でしたが、少しずつ改善されてきました。ただこの子の課題を克服するには、まだ時間がかかりそうです。

——キャリア最長となる距離への挑戦ですが、中山芝2500という舞台適性への見通しは。

田:やはり簡単ではないと思います。この子の血統やポテンシャルを考えれば十分対応できると思いますが、気性面や操縦性など諸々の課題を考えると、難しいコースだと思います。

——厩舎としても有馬記念初参戦です。レースへ向けて意気込みをお願いします。

田:有馬記念は普段競馬をやらない方でも知っているような、とにかく大きいレースですからね。このような舞台に送り出せるのは嬉しいことですし、厩舎スタッフもみんな同じ思いでこの業界に入ってきていますから、厩舎一丸となってしっかり調整していきます。