【3歳馬情報】ダービーに向けステルヴィオの弟が負けられない一戦に挑む!

皐月賞、桜花賞トライアルが終わり、未勝利馬や1勝クラスの馬たちの狙いはオークス、そしてダービーとなる。負けられない戦いに挑む良血馬たちを厩舎育ちのPOG好き、数多くの名馬をPOGで指名した達人・山田乗男が紹介していこう。

◆3月29日

●君子蘭賞(牝馬限定1勝クラス)・阪神芝1800m

エバーグルーヴ(牝、ドゥラメンテ×ベアインマインド、栗東・藤岡厩舎)
前走の未勝利戦は後方で脚を溜め、直線に入ると大外から10頭以上の馬をごぼう抜きにする豪快な追い込みを決めての勝利。小雨が降る中、阪神芝1800m1分46秒2の時計も評価できる。強い競馬を演じた前走と同コースで、再度派手な追い込みを期待したい。

ルクスジニア(牝、キズナ×サトノアリシア、栗東・平田厩舎)
デビューから3戦連続2着後の4戦目で5着と着順を下げてしまったが、前走で大きく巻き返し。積極策に出ると、2F10秒9-11秒5の高速上りでまとめ、2着に3馬身差の快勝と一変した強さを見せてくれた。今回は1Fの距離延長だが、血統的には問題なし。前走の時計や勝ちっぷりから格上げも苦になるまい。

●1勝クラス・中山芝1200m

カラヴァジェスティ(牡、Caravaggio×Tonahutu、美浦・奥村武厩舎)
昨秋の東京・新馬戦では、2F10秒9-11秒1の高速上りとなったレースを差して勝利する強い競馬。続くシンザン記念はスタート前に気の悪さを出し、ゲートでは顔をぶつけるなどのアクシデントもあり、13着に終わっている。初戦の競馬から、自己条件の平場戦なら力は上位だ。鞍上は戸崎騎手の予定。

●未勝利・中山芝1800m

アールヴィヴァン(牡、ハービンジャー×グラマラスライフ、美浦・田中博厩舎)
22日の中山芝2000m戦を除外となり、ここへ回る予定。デビュー戦は、終い2F11秒0-11秒0の高速上りで逃げ切ったダノンセンチュリーをクビ差まで追い詰める2着。負けはしたものの、勝ちに等しい一戦だった。当時3着のレッドバンデは次戦を楽勝。本馬も初勝利は目前だ。

●未勝利・阪神ダート1800m

マスターライセンス(牡、サートゥルナーリア×トップライセンス、栗東・石坂厩舎)
母は3勝。近親スワーヴリチャード(ジャパンCなど)。昨年6月にゲート試験を合格し早期デビューの可能性もあったのだが、その後に繋靱帯炎を発症して休養。ここまでデビューが伸びてしまった。

「500キロを超える恵まれた好馬体で、筋骨隆々のパワーホース。血統的に芝もこなせるはずだが、馬力ある体と走りからダート適性が高いはず」と記者の話。1週前追い切りではCW6F81秒6-11秒3の好時計をマークし、経験馬相手でも好勝負になりそうだ。鞍上は川田騎手の予定。なお翌日の中京ダート1800m戦にまわる可能性もある。

●未勝利・中京芝2200m

オブラマエストラ(牡、レイデオロ×ブエナビスタ、栗東・池添厩舎)
デビューから2戦連続の4着。前走は勝ち馬から1・7秒も離されてしまったが、勝ったヴァリディシームスが強すぎたもの。タフな馬場で、436キロと小柄な本馬には厳しい状況だったかもしれない。レースに集中しきれていない面もあるとのことで、まだまだ変身の余地はある。鞍上はシュタルケ騎手の予定。

◆3月30日

●ミモザ賞(牝馬限定1勝クラス)・中山芝2000m

カネラフィーナ(牝、Frankel×ジョイカネラ、美浦・手塚厩舎)
デビューから2戦連続2着と好走し、3戦目となる前走で初勝利を挙げている。「母はアルゼンチンのGⅠホース。父譲りのスピードタイプで前進気勢が強く、競馬センスもある。マイル適性は高いが、レースぶりを見ると中距離までこなしそう」と記者の話。鞍上は石川騎手の予定。

クライスレリアーナ(牝、サートゥルナーリア×シユーマ、美浦・木村厩舎)
昨年夏の新潟で初勝利。以降は膝の不安などもあって長期休養。3月1日の牝馬限定1勝クラスで復帰予定も、熱発で回避。ここが復帰戦となる。1週前追い切りではウッド6F81秒2-11秒8の好時計を出し、仕上がりは良さそうなイメージ。初勝利を挙げたレース内容から、1勝クラスでも力は足りる。鞍上は戸崎騎手の予定。

●大寒桜賞(1勝クラス)・中京芝2200m

ジェゼロ(牡、サートゥルナーリア×ラルケット、栗東・須貝厩舎)
兄にG1馬ステルヴィオ、姉にG1で2着のあるウンブライルがおり、POGでも上位人気だった一頭。昨夏の新潟で新馬勝ち。その後は間隔を開けエリカ賞を予定も軽い不安が出て、復帰が伸びてしまった。「デビュー前から稽古駆けして評判になっていた馬。新馬戦は1.3倍の人気に応えて勝利。相変わらず調教は抜群で、同世代の重賞勝ち馬と併せても互角の動き。ダービーに駒を進ませたい血統馬」と記者の話。鞍上は川田騎手の予定。

エムズ(牡、ドゥラメンテ×ライフフォーセール、栗東・池江厩舎)
姉にG1馬ダノンファンタジー、兄に現在売出し中のスティンガーグラスがいる良血馬。昨年12月頭の新馬戦を勝利し、今回が2戦目となる。間隔は開いたが、1週前にCW6F82秒0-11秒3、2週前にはCW6F80秒9-11秒0と好時計を連発し、2連勝へ向け準備はできている。

●未勝利・中京芝2000m

エンスエーニョ(牝、Frankel×ドリームアンドドゥ、栗東・斉藤崇厩舎)
前走は、ゴール手前で抜け出そうかというタイミングで進路が塞がれ、結果は5着。管理している斉藤崇調教師が異議申し立てをしたほどのレベルで、不利が無ければ勝っていた可能性もある。ここは前走の鬱憤を晴らす一戦にしたい。鞍上はルメール騎手の予定。

◆2歳新規入厩

ロスパレドネス(牡、ドレフォン×アロマティコ、美浦・木村厩舎)
母は6勝(エリザベス女王杯3着)。兄ジオグリフ(現3勝、皐月賞など)

スマートプリエール(牝、エピファネイア×スマートレイアー、栗東・大久保龍厩舎)
母は9勝(京都大賞典など)。兄スマートワイス(現3勝)

テンユウ(牡、サートゥルナーリア×レーヌミノル、美浦・奥村武厩舎)
母は3勝(桜花賞など)

カレンショー(牡、カレンブラックヒル×カレンモエ、栗東・安田翔厩舎)
母は4勝(重賞2着3回)。祖母カレンチャン(スプリンターズSなど)

エコールナヴァール(牝、アドマイヤマーズ×ジューヌエコール、美浦・森一厩舎)
母は4勝(デイリー杯2歳Sなど)

チェルヴァーラ(牡、エピファネイア×チェッキーノ、栗東・松下厩舎)
母は3勝(フローラS)。姉チェルヴィニア(現4勝、オークスなど)、兄ノッキングポイント(現3勝、新潟記念)

コンティ(牝、キズナ×セレスタ、美浦・黒岩厩舎)
姉ヴァレーデラルナ(JBCレディスクラシック)、ハーパー(クイーンC)

ダーリングハースト(牝、エピファネイア×フォーエヴァーダーリング、美浦・国枝厩舎)
兄フォーエバーヤング(現8勝、サウジCなど)、姉ブラウンラチェット(現2勝、アルテミスS)

アウダーシア(牡、キズナ×リリーノーブル、美浦・手塚厩舎)
母は2勝(オークス2着)。兄デンクマール(現2勝)

モノポリオ(牡、リアルスティール×ミスエーニョ、美浦・森一厩舎)
姉ミアネーロ(現2勝、フラワーC)、ショウナンザナドゥ(現2勝、フィリーズレビュー)、ミスエルテ(ファンタジーS)

ガードオブオナー(牡、サトノダイヤモンド×ルミナスパレード、美浦・林厩舎)
母は4勝。姉ソングライン(安田記念など)

※現役馬の成績は3月21日現在