【皐月賞】次なるターゲットは厩舎初G1!着々と成長をみせるニシノエージェント

前走京成杯を制したニシノエージェント

前走京成杯を制したニシノエージェント


皐月賞
ニシノエージェント
千葉直人調教師

——前走の京成杯は1着でした。レース内容を振り返ってください。

千葉調教師(以下、千):未勝利戦を勝った後に、そのまま在厩で調整を進めて重賞に挑戦させていただきました。いきなりの重賞挑戦で、正直どれほどやれるかという思いも大きかったですが、蓋を開けてみれば素晴らしい走りを見せてくれました。

これまでは好位から競馬をしていましたが、前走はペースが流れるなか後方でしっかり折り合うことができていましたし、勝負どころでも馬群を上手く捌いて「あれ以上はない」というくらいの競馬をジョッキーがしてくれました。

以前は気持ちの面が勝っている面があったので、距離を短くしてマイルも試してみようかと迷っていた時期もありましたが、2走前に1800で上手く折り合って勝ちましたし、2000の前走でも緩急をつけた走りができて気持ちの面の成長も感じられました。

——厩舎にとって初重賞勝利となりました。

千:西山オーナーに素晴らしい馬を預託していただき、本当にありがたいです。このような大舞台で活躍できる馬の管理を任せていただくことで、厩舎スタッフの士気も上がりますし団結力も強くなります。

エージェントとの併せ馬で調整したモンドデラモーレもファルコンステークスで2着と頑張ってくれましたし、エージェント1頭の存在が厩舎スタッフや馬たちに大きな好影響を与えてくれていると感じます。

——この中間の過ごし方を教えてください。

千:レースを使ってきていましたし、前走後は放牧に出してリラックスさせてから再入厩しました。皐月賞まで時間があるなかで、在厩期間を長めにとって調整させてもらっています。1週ごとに良い雰囲気になってきていますし、普段の様子や仕草を見てもレースが近づいてきていることを察しているように見えます。

——4/9(水)に行われた1週前追い切りの狙いと動きの評価をお願いします。

千:入厩してからエージェントの気持ちもレースに向いてきているので、あまり燃え過ぎないようにジョッキーを乗せてのトレーニングはギリギリまで引っ張ってきました。1週前のタイミングでジョッキーを乗せて強めにやりましたが、時計が出やすい馬場だったとはいえ時計も終いのキレも良かったと思います。

ジョッキーは「まだ少し重さがあったかな。もう少し動けそう」という感触だったようですし、来週にはピークを迎えられる状態だと思います。

——前走時と比較して状態面はどのような印象をお持ちですか。

千:もう一段レベルアップした感じがします。前走を勝ってより大人びてきた雰囲気で、気の悪さもなくなってきました。体も緩さが残るなかで、芯が入ってきたかなという感じがします。

——現状で先生が感じるこの馬のストロングポイントを教えてください。

千:ペースに合わせられる自在性が出てきたことがストロングポイントだと思います。津村騎手がフワッと乗ってくれることで前面に出ていた気持ちが上手く抜けて、レースでかかりにくくなっていると思います。ペースが遅ければ前で、速ければ後ろから競馬ができる自在性は強みですね。

——今後の成長を期待しているところは。

千:まだ体のトップラインにかけて幼さが見えているので、今後古馬になって各ジョイントの繋がりが良くなれば更に肉体面がしっかりしてくると思います。最初は気持ちが前向き過ぎる面が課題と感じていましたが、レースを経験するごとに操作性も上がってきていますし、気性面はこちらの想像以上のスピードで成長を見せています。

——厩舎にとって初G1挑戦です。レースへ向けて意気込みをお願いします。

千:私も昨年の皐月賞前のドゥラメンテカップをセイウンプラチナで勝って厩舎初勝利をあげさせていただきましたが、まさか1年後に皐月賞に挑戦できるとは思っていませんでした。皐月賞馬のセイウンスカイが勝った札幌記念を現地観戦したことが私が「競馬の世界に入ろう」と思ったキッカケでしたし、この皐月賞と西山オーナーには不思議な縁を感じます。

2022年の生産頭数が約7800頭いるなかで、トップ18頭の枠に入る権利を持っているエージェントは本当にすごいと思いますし、そのような馬を預託していただいてることを光栄に思います。レースまで気を抜かずに厩舎一丸となって仕事をして、ベストパフォーマンスを発揮できる万全の状態で送り出してあげたいです。応援よろしくお願いいたします。