【NHKマイルC】アドマイヤズームってどうなん?2歳王者の実力、本音で語ってみた!

どっちなんだい!?

どっちなんだい!?


おいっ! アドマイヤズーム!!来んのかい?来ないのかい? どっちなんだい!?――。

競馬ファンの気持ちをJRAのCMに出演している「なかやまきんに君」さん風に例えると、こんな感じではないでしょうか。

アドマイヤズームは前々走の朝日杯フューチュリティSで、後に皐月賞を制す2着ミュージアムマイルに0秒4差(2馬身半)の快勝。3着ランスオブカオス以下には1秒弱という決定的な差を付けています。

ところが前哨戦となる前走ニュージーランドTでは、まさかのクビ差2着に惜敗。同馬は新馬戦でも4着に敗れており、ここまで成績にバラツキがあるのが特徴です。もしも無傷でNHKマイルカップ(G1、東京芝1600m)に駒を進めていれば、断然人気に支持されていたのは間違いないでしょう。

果たしてアドマイヤズームは強いのか、強くないのか。『横の比較』だとミュージアムマイルは朝日杯フューチュリティS2着後の弥生賞では4着に敗れており、能力比較の物差しには使いづらい印象を拭えません。

そこで注目したいのが『縦の比較』です。具体的には先ほど紹介した新馬戦4着、ニュージーランドT2着時のレース内容を徹底検証。「どうしてアドマイヤズームは勝てなかったのか?」を深掘りします!

[1戦目]
京都芝1600m新馬戦4着
1分34秒7(良) 0秒3差

まずは後の2歳マイルG1馬が4着に敗れた新馬戦です。勝ち馬テレサは2勝を挙げて先日のスイートピーSでは6着に敗退。2~5着馬は未勝利を勝ち上がったものの、1勝クラスで何とか馬券内に入れる程度と、お世辞にもレースレベルが高いとは言えません。

しかし、レースはスタート後の向こう正面でゴチャつき他馬と接触。この不利で外傷を負うアクシデントに見舞われました。敗因は明確で未勝利戦、朝日杯フューチュリティSの結果を振り返れば、負けて強しと言えるのではないでしょうか。

[4戦目]
ニュージーランドT(G2、中山芝1600m)2着
1分32秒4(良) クビ(勝ち馬とタイム差なし)

レースは芝1200m戦の未勝利、1勝クラスを連勝して挑んだベイビーキッスが、1000m通過57秒7のハイペースで逃げる形。マイル戦にしては速い流れをアドマイヤズームは人気を背負っていたこともあり、道中4番手追走から勝負所で早め先頭に立つ勢いで進出します。

そのまま直線で押し切りを目論むも、後方から末脚勝負に賭けたイミグラントソングの末脚に屈し2着敗退。それでも展開を考慮すれば1番強い競馬をしており、NHKマイルCに向けて悲観すべき内容ではありません。

その証拠に管理する友道康夫調教師は「前哨戦としては悪くない内容。関東圏までの輸送やキックバックを経験できましたし、今回はいい状態でG1へ向かえると思います」と手応えを掴んだ様子。これまで数々の名馬を育て上げた名伯楽の言葉だけに重みがあります。

結論として、アドマイヤズームは「強い」と評価。成績上はムラ駆けに見えても敗戦にはそれぞれ理由があり、不安は払拭されたと判断します。能力は確かで、世代マイル王の最有力候補に最も近い存在ではないでしょうか!