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バレットは大変!一番大変な仕事は妹のお世話!?【永島まなみ騎手コラム】
2025/7/4(金)

先週末の小倉競馬ではアクシデントに見舞われたまなみ騎手。暑い時期の難しさを改めて感じさせる先週のプレイバックと、期待馬たちと挑む今週末の話、そして多くの反響をいただいている"永島姉妹対談"第2弾も加え、今週も超特大号、盛りだくさんでお届けします!
今週末は小倉で12頭に騎乗!自厩舎の楽しみな馬とは…
——今週末も小倉競馬で、土曜8鞍、日曜4鞍の計12鞍に騎乗予定です。いつものように実戦、追い切りで騎乗経験のある馬を中心に伺いますが、まずは土曜、1R・2歳未勝利のシーキングザバースは連闘での騎乗です。芝1200mから芝1800mへ距離延長となります。

先週乗せていただいた時は、最初は良かったのですが向正面で弾かれてリズムを崩してしまったんです。スムーズであれば結果は違っていたと思いますし、距離は長くなりますが、5頭立てでもうまく流れに乗っていければなと思います。
——想定では2頭立て、最終的には5頭立てになりました。ジョッキー心理からすると、頭数が少なすぎても乗り難しいところはあるのでしょうか。
そこは全然ないですね!まだ2歳ということもあって、頭数が少ないところで1頭離れてしまうと物見したりする可能性はありますが、それ以外に特に乗りにくいところはないです。

——続く2R・3歳未勝利ではデビュー戦となるオルフェーヴル産駒スマートカリーナに騎乗されます。今週、坂路での最終追い切りに騎乗されましたね。
まだ自分から進んでいくというタイプではないですが、促すとしっかり応えて動いてくれます。牝馬らしいカリカリした面はあるので、既走馬相手に流れに乗ってうまく運べればなと思います。
——ディープインパクト産駒のお兄さんであるスマートクラージュは現在、芝短距離のオープンで活躍中です。妹さんの今回の条件はダート1700mですが、乗った感じこの条件はいかがでしょうか。
距離は1200mよりも、もっとあったほうがいいと思います!ダートがどうかですが、使いつつ合う条件を見つけられればですね。

——テン乗りとなる7R・3歳未勝利のヒットザノートは今週の最終追い切りに騎乗されましたね。
乗せていただきましたが、少し頭を上げて力みやすいところがありました。ある程度ハミが抜ければフットワーク良く走ってくれますし、今回は再度芝ですが、前走騎乗された渡邉竜也さんも「芝のほうがいいかもしれない」とおっしゃっていたようです。
——父はダートのG1ケンタッキーダービーなどを勝ったAuthenticですが、現状ダートより芝なんですね。
そうですね、前走はコーナーでペースを上げていきたいところでトモが流れる形になり、スピードを上げていかなかったと聞いています。手先も硬くないですし、跳びも綺麗なほうなので、地方のダートよりは中央の芝のほうがいいかもしれません。

——8R・3歳上1勝クラスのセントキルダは昨年3月のあざみ賞以来1年4ヶ月ぶりの騎乗となります。あざみ賞同様、小倉芝1200mという条件です。
その時は終いいい脚で伸びてくれました。管理されている東田(明士)先生ともお話して、「少しでもポジションを取って競馬してほしい」とのことでした。松若さんが乗った時のようにポジションを取って、ちょっとでも流れに乗っていきたいです。
——近10走中8走が稍重馬場か重馬場とやけに道悪に当たる馬で、まなみ騎手が騎乗されたあざみ賞も稍重でした。当時は5着でしたが、馬場は良馬場、綺麗なほうがいいのでしょうか?
そのほうがいいと思いますね。フットワークからすると良馬場のほうが良さそうです。

——この日の小倉のメインレース・マレーシアCでは自厩舎のサウンドウォリアーに騎乗されます。3走ぶりの騎乗となります。
ハンデも53kgと軽いですし、前走津村さんが乗ってくださった時も残り1Fくらいまで頑張ってくれていました。今のウォリアーの脚質を考えても淡々としたペースで行って、どこまで粘れるかという競馬をしたいです。
——改めて見ると、トゥラヴェスーラが引退したことで、7歳のサウンドウォリアーはサムハンターと並び厩舎で一番のベテランなんですね。
そうですね、私が競馬学校生の時から厩舎にいるんです。ウォリアーは新馬戦の前の調教もずっと乗せていただいていて、大好きな一頭です!

"大好きな1頭"というサウンドウォリアー
——翌日日曜、小倉3R・3歳未勝利の自厩舎ダイアナクイーンはこれがデビュー戦となります。重賞3勝ダイアナヘイローや、先程話に出てきたサムハンターの妹という血統です。
サムに似ていて、すぐサボろうとするところがあるのですが(笑)、調教の動き的にはすごくいいんです。バランスはもっと良くなる子だと思いますし、まだ完成形ではないのですが、毎回調教での動きは抜群で。
このクラスは余裕で勝てるだけの能力はあって、この子は走ると思います。既走馬相手というのが鍵になってきそうです。


期待の存在・ダイアナクイーン ※まなみ騎手ご提供
——調教ではまなみ騎手が付きっ切りで騎乗されています。アクシデントでデビューが延びましたが、追い切りの動きはいかがでしょうか。
爪をぶつけた分延びてしまったのですが、それでも変わらず調教の動きはメチャクチャいいですね。
——コラム初登場です。どんな女の子か、性格面とニックネームを伺いたいです。
普段は"ダイちゃん"と呼んでいます!すごく可愛らしい顔をしていますが、お兄ちゃんのサムに似ていて反抗的と言いますか、すぐやめようとするところがあるんです。そこでやめないよう怒ると「何すんの!」といった感じで耳を絞って怒り出します(笑)
——お兄さんのサムハンターは当コラムで"とても賢い男の子"としてお馴染みです。この前のコラムにて担当の古谷助手がサムハンターの得意技である"ベー"という芸を仕込んでいましたが、上達したのでしょうか?

兄・サム

妹・ダイちゃん
教えられませんでした…。近づくと噛もうとしてくるんです。私がずっと調教に乗っているので、私のことをすごく嫌っていて、馬房の前を通るたびに噛みついてこようとするんです…。
——不穏な船出です。
かなり嫌われてます(笑)。嫌われるのはもう少し後かなと思っていたのですが、早かったです…。

——仲直りできることを祈っております。7R・3歳上1勝クラスのルージュサリナスはテン乗りとなりますが、1週前追い切りに騎乗されていました。
乗せていただきました、ただちょっと頭高めのところでハミを噛むところはあり、追って伸びるというタイプではないので、うまく流れに乗っていければなと思います。
——東京サラブレッドクラブさんの所属馬です。どのような女の子なのでしょう。
結構カリカリするところはあって、ザ・牝馬という感じの女の子です!
——続く8R・3歳上1勝クラスのファムエレガンテは前走福島ダート1150mで、まなみ騎手を背に2着に7馬身差をつける圧勝劇を見せています。連勝が期待されます。

51kgというのもいいですし、スタートだけだと思います。少し気が入りやすい子なので、うまくなだめられればですね。
——ダート1000mに距離が短くなる点はいかがでしょうか。
問題ないと思います!むしろ1000mは合いそうです。
——前走は8枠15番からの圧勝でした。希望としては再度外枠というところでしょうか?
真ん中くらいから外のほうがいいかもしれません。砂を被ったらどうかなというところは少し感じます。

——この日の9R・小郡特別では自厩舎のサニーサルサと6度目のコンビとなります。今回は200m距離短縮で初めての芝1200mとなりますね。
以前よりしっかりしてきましたが、先週ゲート練習で乗せていただいた際に、新馬に乗った時より少し気持ちが乗っていないところはありました。
助手の西岡さんがずっと乗ってくださっていて、西岡さんも「動き的には申し分ないけれど、新馬の時のほうがファイトしていたかな」とおっしゃっていました。頭数も少ないですし、うまく流れに乗ってついていければなと思います。

——昨年12月末の万両賞以来、約6カ月半ぶりの実戦です。
身体はちょっと大きくなった感じがあります!元々坂路で下ろす時に我慢できず立ち上がるようなところがあったのですが、そういった部分も落ち着いてきてくれて、精神的には大人になってくれている感触があります。
アクシデントのあった先週末!熱中症とは隣り合わせの夏
——先週末からスタートした小倉競馬でしたが、アクシデントもありました。日曜の7R・3歳未勝利のエリセイラは軽度の熱中症だったとか…。
いいところで競馬してくれたのですが、3コーナー手前からまったく手応えがなくなってしまい、4コーナーではフラつくところがありました。
ゴールしたらすぐ止まるくらいフラフラになっていて、本来ならすごく能力のある子だと思うのですが、かなり暑かったこともあってかわいそうなレースになってしまいました…。

——3コーナー前から下がっていったのを見て心配になりました。その前から兆候のようなものはあったのでしょうか。
向正面に入った段階で思ったより手応えがなくて、ずっと踏んで踏んで、肩ムチを入れていたんです。3コーナー前から手応えが完全になくなってしまいました。
——レース自体はインの好位を取れ、いいところで運べていたように見えます。
競馬自体は上手にこなしてくれていましたね。熱中症だけでしたね…。

——エリセイラは次、北海道での競馬になるようですね。
そうなんですね!北海道のほうがいいかもしれません。
——気温もだいぶ高い中での開催でしたが、他のジョッキーの皆さんとも馬たちの熱中症の話にはなったのでしょうか。
それこそ(吉村)誠之助がケガしたレース(土曜小倉8R)で発走が延びたのですが、馬が熱中症にならないように、川田(将雅)さんがすぐに4コーナー奥のポケットの待機所に行く許可をJRAの発走委員の方にもらいにいってくれたんです。

常に人馬を気遣う神・川田将雅騎手
——あのレースは随分早く皆さんポケットに移動されたように見えました。そのような経緯があったのですね。
より熱中症の馬を少なくするため川田さんが動いてくださったんです。時間が掛かりそうな雰囲気はあったので。
——先週末の小倉で自厩舎の3頭に騎乗されましたが、皆さん熱中症などは大丈夫だったのでしょうか?
そうですね、大丈夫でした。みんな暑い中頑張ってくれました!

——人馬共にアクシデントが多かった先週の小倉、日曜の小倉では前日に負傷した和田竜二騎手に替わり、6Rの新馬戦でレザーアンドレースにも騎乗されていました。こちらはどのあたりで乗ることが決まったのでしょうか?
日曜の朝でしたね。JRAの職員さんから「声掛かってますけどどうしますか」という形になって乗せていただきました。乗り替わりになった場合は、その馬の調教師さんが職員さんに申請する形になるんです。

——急遽の代打騎乗はジョッキー側からするとどのあたりが難しいのかを伺ってみたいところです。
既走馬だったらそれまで走っているレースの映像を見たり、乗ったジョッキーに話を聞けますが、今回の場合は新馬ということで誰も乗ったことがなくて…。
乗り替わることになった子が平田厩舎ということで、平田厩舎繋がりで藤懸(貴志)さんに「調教で乗られたことありますか?」と聞いたのですが、藤懸さんもこの子の調教には乗られたことがなかったんです…。
ただ和田(竜二)さんが平田先生にどのような馬かを伝えてくださっていて、そのアドバイスがあった分不安なく乗れました!

——新馬はそれまでに調教に乗っているかどうかは大きい、と先日まなみ騎手がコラムでおっしゃっていました。新馬の代打騎乗はやはり返し馬からより慎重になるものでしょうか?
そうですね、新馬なのでそれまで伺っていた話と違う場合もありますし、緊張するところはありましたね。
——先ほど少し話になりましたが、前日の小倉8Rではネティフラウが不幸な事故により亡くなられるという出来事もありましたね…。
私はネティフラウの隣の枠にいたんですが、ウルさい素振りもなかったんです。なので私も隣をそこまで見ていなかったのですが、急に"バンッ!"という大きな音がして…。
ゲートの中でガチャガチャしていたならまだ分かるんです。ただ誠之助もそんなにウルさそうにしていなかったので、一瞬の出来事でした。
——今週末も、来週以降も人馬無事に競馬が開催されることを心から祈っております。
そうですね、無事に終わるよう頑張ります!
バレットは大変!一番大変な仕事内容は…
——2021年にまなみ騎手が小倉でデビューされました。その時のみなみさんの思い出を伺ってみたいです。
みなみさん(以下みなみ):デビューした時はみんなでテレビの前に集まって応援していましたね。祖父母や母、妹とワンコと。ドリンクも準備して、もう映画館にいるんかな?って感じで(笑)
まなみ騎手(以下まなみ):知らなかったです…。
みなみ:まなみのレースが始まる時は「まな走るでー!」と声が掛かって、みんなでテレビの前に集まってもう全集中です。

——デビュー前に何か応援メッセージなのは送られたのでしょうか。
まなみ:…メッセージあった?
みなみ:送った記憶はあるなぁ。
まなみ:じゃああったのかもしれない(笑)

——そもそもみなみさんはなぜバレットをやることになったのでしょうか。
みなみ:私、そもそもバレットという仕事自体知らなかったんですよね。
まなみ:私が年々数多く乗せていただけるようになって、姉に「こういう仕事があるんだけど、どう?」と軽く相談させてもらったんです。そうしたら姉がすぐに「いいよ」と返事をくれたんです。割とすぐに決まりました。
みなみ:元々接骨院で働いていたんですが、まなみから話をもらう直前に正社員を辞めていたんです。アルバイトのほうに切り換えたタイミングだったので、迷いはなかったですね。バレットが何やるのか全然知らなかったんですけれど、「いいよ!」って(笑)

——全然知らないのにいいよと即決するあたりが…。
まなみ:永島家らしいですよね、全員なあなあで生きてる(笑)。でもすごくいいタイミングだったんですよね。
みなみ:ネットでバレットという仕事を調べても、仕事内容は全然出てこないんですよね。そんな時に和田竜二騎手のバレットをされている岩田咲子さんの記事をたまたま読ませていただいて、大体こういうことをするんだなと初めて知りました。
バレットとして最初に行かせていただいたのは福島でした。秋山稔樹騎手や亀田温心騎手のバレットをされている方がまなみの乗馬苑の先輩で、その方に付かせていただいて仕事を教えていただいて。
ジョッキーそれぞれでやり方が違うので、あとはまなみと2人で話しながら教えてもらって、少しずつ学んでいきました。初日は本当に疲れましたね…。

まなみ:めちゃくちゃ疲れてたよね。
みなみ:福島に行くことも初めてで、慣れない環境と場所で覚えることもいっぱいで…。競馬のことも本当に分かっていなかったので、馬具を覚えるところから始めてしんどかった覚えがあります。
——きょうだいでバレットというパターンは珍しくないのでしょうか?
みなみ:多いですね。池添さん、松山さん、鮫島克駿さん、菊沢さん、小牧加矢太さん…。
まなみ:きょうだいがやってくれるというのはやっぱり安心感がありますよね。

——バレットのお仕事の流れも伺いたいです。
みなみ:担当しているジョッキーが1Rに乗る時は2時間前には競馬場の検量室に行って、その日に乗る勝負服をまず集めて、帽色を全部つけて。前日までに鞍の準備もしておきます。そのレースごとの負担重量と、まなみの当日の体重を予想して作るんです。
西塚(洸二)くんもやらせてもらっているので、西塚くんの分も作っておきます。ダート板も新しいものを用意したり、ブーツを綺麗にしたり、使い終わった鞍やムチを洗ったり、使いまわす馬具の準備をしたり…。
まなみ:バレットさんは凄くやることがあるんですよね。あとは私の相談事に乗ってもらう仕事もあります(笑)

みなみ:まなみの話し相手をしつつ、検量の時間に遅れると制裁があるので、時間を常に確認しています。馬具の数の把握や来週どこで乗るかを確認して、違うところで乗るのならその競馬場に馬具を送る仕事もやっています。
まなみ:本当は私の話を聞いているヒマはないんですよね(笑)
みなみ:なので仕事をしながら、とりあえず「そうやなぁ」と相槌を打っています(笑)
まなみ:そんなに忙しいのに、「あねー!○○どこー!?」と声を掛けたりして…。姉はコニー(西塚騎手)もやっていますが、たぶん私が一番厄介です(笑)

——これはお給料倍にしないといけませんね。一日の仕事時間はどのくらいなのでしょうか。
みなみ:ローカルの時は朝7時には検量室にいるようにしています。私が心配性なので、準備が遅れてジョッキーの方に迷惑をかけたくないんです。仕事終わりは良馬場ならすぐ終わりますが、ローカルの土曜日は次の日の準備もあるので18時、19時まで仕事しています。
鍼灸師もやっているので、その後体を見てほしいというジョッキーがいれば、その後調整ルームに行って治療しています。
まなみ:私もよく頼みますね、(河原田)菜々ちゃんや(小林)美駒ちゃんもよく頼んでます。

——みなみさんがいないとローカル開催が成立しませんね。バレットの仕事の中で一番大変なことはなんでしょうか。
みなみ:朝の検量ですね。10Rくらい乗っているとレースの合間に計っていられないので、朝10R分まとめて計るんです。その前に鞍を作って…。
でもまなみは毎回体重がバラバラなんです。"このくらいで来るだろうな"という予想をして、例えば49kgで来ると見て鞍を組んだら49.3kgで来たりするんです。
まなみ:先週もそうやったよね(笑)。それで姉がバタバタして。
みなみ:でも怒ることもなくて、「チッ、読み間違えた…!」みたいな感じになります(笑)。それも楽しみにしてますね。(荻野)極さんもやらせてもらっているのですが、極さんは大体50kgで来るので、それに合わせて組めるんです。まなみはその日の気分で来るので…(笑)
まなみ:はい!その日の気分です(笑)

みなみ:でも体重でストレスが掛かるのも良くないので、それはそれでいいかなと思っています。担当しているジョッキーの子が勝つとやっぱり嬉しいです。
もちろん大きいレースを勝てばより嬉しいですが、どのレースでも安全に帰ってきてくれて、なおかつ勝ってくれたらもうそれだけで嬉しいです。
——バレットを始めて、新たに知った妹さんの一面はあったりしますか?
みなみ:あー…馬を叱る声?
まなみ:皆さんそう言いますよね(笑)。この前園田に行った時にガッツリ聞かれました…。JRAって地下馬道と検量室が遠いので、普段声を聞かれることがないんです。でも園田は距離が近いのでガッツリ撮られてました…。
冒頭の"ヴぉい!"
※みなみさん撮影、まなみ騎手ご提供
みなみ:ちょうどまなみが園田でエキストラでも乗せてもらっていたんですけれど、生まれ育った園田の構造は分かっているので、ここにいればまなみが通るというところで待ってたんです。そしたらまなみの「ヴぉい!」という馬を叱る声が聞こえてきて(笑)
最初は何の声か分からなかったんですよ。父親の厩舎の馬だったので、父親に「今聞こえた声、誰の声や?」と聞いたら、「あれ、まなの声や…」と言われました(笑)
まなみ:あの声については岩田先輩、(団野)大成さん、(坂井)瑠星さん、あと川田さんにも言われたことがあります…。
みなみ:克駿さんにも言われてたな(笑)。馬の上では人が変わります。
まなみ:普段こんなにヘラヘラしてるのに(笑)。私も今出せって言われたら出せないです。

※まなみ騎手ご提供
みなみ:23年まなを見てますけど、普段聞いたことないですあんな声。でもプロだなと思います。馬にナメられたら振り落とされたりするので。まなからそんな声が出るんやと思いましたけどね。男の方だったら分かりますが。…まぁ男か(笑)
まなみ:菜々ちゃんも(今村)聖奈ちゃんも(古川)奈穂さんも出さないんですよね、あんな声。声を出していることは私も覚えているんですけれど、どうやってあんな声を出しているのか自分でも分からなくて(笑)
みなみ:父親だと思いましたもん、最初。
まさかのサインのおねだり!?妹も驚く姉の人気
——ご家族が競馬に乗っているという場面を体験されている方はそうはいないと思います。どういう気持ちでレースを見ているのでしょうか。
みなみ:一ファンかもしれません。「頑張れ!」、「いけいけ!」と応援していますし。でも妹に限らず皆さん無事に帰ってきてくれればという思いで見ていますね。
まなみ:アリスヴェリテでマーメイドSを勝った時も、姉は泣くくらい応援してくれたんです。

みなみ:あれは泣きますよね。アリスヴェリテが勝った時は初重賞制覇でもあったので、気づいたら泣いていました。嬉しかったですね。
——PN.すすすのひめみこさんから「まなみ騎手の他にも担当されていると聞いてますが、競馬場が分かれた時は、やはり妹は放置(笑)で他の方のところに行かれるのでしょうか?」というご質問をいただきました。
みなみ:大体まなみがいるところに行くんですが、それこそまなみの乗り馬が少なくコニーのほうが騎乗馬が多かったら、コニーのいる競馬場に行くこともあります。あとはまなみやコニーが重賞に乗る時は、重賞があるほうに行ったりしますね。
——色々助かっていると思いますが、まなみ騎手から見て、みなみさんがバレットでここが助かる、ここがありがたいというところはなんでしょうか。
まなみ:やはり私の性格を分かっているのがありがたいです。私が何も言わなくても、今イライラしているんだろうなとかそういうのを察してくれるので。気を使って離れたり、「どうした?」と声を掛けてくれるんです。生まれた時から見てくれている間柄なので気づいてくれるんです。

——色々気を使っているのに、突然「姉!」と呼ばれて…
まなみ:かわいそ(笑)
みなみ:どこで呼ばれるか分からないので、呼ばれたら「はい!」と返事してすぐに行きます(笑)。マネージャーかもしれません。
——みなみさんから見て、騎手・永島まなみの凄いと思うところはなんでしょうか?
みなみ:ストイックなところですね。普段と競馬では180度違って、本当に集中して真剣なんです。そういうところは本当に凄いなと思っています。
まなみ:普段褒められることがないので、もっと言ってくれていいです(笑)

※まなみ騎手ご提供
——PN.やとさんから「みなみさんがまなみ騎手のレースの中で一番印象に残っているのはどのレースですか?みなみさんが個人的に好きな競走馬がいれば教えてください!」というご質問をいただきました。
みなみ:マーメイドS以外の印象的なレースだと、やっぱり2年前のフェリの新馬戦ですね。私がバレットを始めてから一番最初のアクシデントだったんです。地下馬道で蹴られたと聞いて、何がどうなってるんやと私はてんやわんやになってしまって…。
でも結局乗るってなって、しかも勝って。その場にいた調教師の先生方もジョッキーの方もJRAの職員の方も、「あの子は凄い、根性あるな」と言ってもらえたんです。凄いと思ったと同時に、妹がそう言ってもらえるのは嬉しかったです。


必死に痛みをこらえるまなみ騎手
まなみ:未だに傷が残ってますからね…。
みなみ:好きな競走馬となるとコイニョウボウとスリールミニョンですね。
まなみ:それは私も初めて知りました。
みなみ:コイニョウボウは名前が好きなんです(笑)。姉妹揃ってお世話になっている岡浩二オーナーの馬でもあるので。ミニョンもお世話になっている福盛訓之オーナーの馬ですし、まなみが名付け親なので、私も思い入れのある馬です。

——そんなみなみさんですが、実はみなみさんも人気になっているようで、PN.えりさんから「以前福島でみなみさんにサインを頂いている写真をXで拝見して驚いたのですが、やはりみなみさんもサイン求められた時はびっくりしたのでしょうか?すみませんどうしてもお気持ちが気になって…笑」という質問をいただきました。
みなみ:めちゃくちゃビックリしました(笑)。福島でしかサインを求められたことはないんですが、初めて言われた時は「わ、私のですか…?一般人ですけど…?」と返した記憶はあります(笑)
それこそ一般人でサインもないので、ひらがなで"みなみ"と書くしかなかったのですが、そうやって言ってくださるのは凄く光栄ですし、ありがたいです。

——PN.Nalさんから「私は福島県民で福島競馬場へ通っています。たぶん福島競馬場だけだと思うんですが、みなみちゃんファンが多く存在しています!声を掛けられることにみなみちゃんはどう思っているのか、それを見てまなみちゃんはどう思っているのか教えてください!これからも応援しています♡」というメッセージをいただきました。
みなみ:応援ありがとうございます!嬉しいです、「お姉ちゃんのファンもいる」とは聞いていたんで。
まなみ:私は凄いなぁと思いながら見てます(笑)。福島でサインを求められたんですが、色紙の下半分に"みなみ"と書いてあって、思わず「これなんですか?」と聞いてしまいました(笑)

みなみ:凄くありがたいです。まなみは多くのファンの方がいますが、私のほうにも声を掛けていただいて。光栄ですし嬉しいです。
まなみ:姉はみんなから可愛がられる性格だと思います。私はたぶん好き嫌いが分かれると思いますが(笑)
みなみ:まなみは人見知りだから。一度心を開くと妹全開なんです。皆さんに可愛がられていると思いますけどね。
まなみ:ありがたいんですけれど、姉のほうがフレンドリーなんで…。
——妹さんのサポートのため福島や新潟、小倉、そしてサウジアラビアまで行かれるのは本当に凄いお姉さんだなと思います。
みなみ:海外に1人で行かすのはさすがに怖かったんで…。
まなみ:これはママですね(笑)

※まなみ騎手ご提供
いつも永島まなみ騎手コラム"まなみの学び"をご覧いただきありがとうございます!コラム開始1年9カ月、ここまでまなみ騎手に色々な質問に答えていただきました。
"ファンの皆様と共に歩む"コラムとして、これからもファンの皆様の質問を幅広く頂戴し、ご本人に聞いていこうと思っております。
競馬に関すること、そして日常生活について、永島まなみ騎手にこれだけは聞いてみたい!ということをぜひご応募ください。頂いたご質問、メッセージは上記のようにご本人に届けさせていただきます。
すべてのご応募はメールにて受け付けております。メールの件名に「まなみ騎手へ」、本文にお名前(ペンネーム)を記載の上、以下のアドレスまでご質問をお願いいたします。皆様ぜひご投稿よろしくお願いします!
manami_nagashima@keibalab.jp
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