【ローズS】一刀両断の切れ味。迷いが生じる混戦は、この馬から

17年に強烈な末脚を駆使して3着に入ったリスグラシュー

17年に強烈な末脚を駆使して3着に入ったリスグラシュー


今週のローズS(G2、阪神芝1800m)は4年ぶりのフルゲートで行われます。

秋華賞へのステップレースということで半数は下級条件からの挑戦。確実に権利を獲得したい陣営も少なくありません。また、近3年の馬券内に来た9頭中5頭が1勝クラスと、未知数の馬が好走するなど、混戦模様になるのがこのレースの特徴です。

実績馬だけでは決まらないローズS。だからこそ、今回重視したのは『上がりタイム』という極めてシンプルな指標です。

▼ローズS上がり3F1~3位馬の成績
【4-2-3-6】複勝率60%

●主な好走馬
23年
1着マスクトディーヴァ 33.2(2位)
2着ブレイディヴェーグ 32.9(1位)

19年
1着ダノンファンタジー 33.1(1位)
3着ウィクトーリア 33.3(2位タイ)

18年
2着サラキア 33.4(3位)

17年
1着ラビットラン 33.5(1位)
3着リスグラシュー 33.7(3位)

16年
1着シンハライト 33.7(1位)
3着カイザーバル 34.4(2位タイ)

※阪神で行われた直近5年(16~19、23年)のデータによる

このデータには後のグランプリホース・リスグラシューの名前もあれば、人気薄で激走したラビットランの名前もあります。人気・実力馬から穴馬まで共通する傾向だからこそ、複勝率60%という数字は信頼できるのです。

23年は中団でレースを進めたマスクトディーヴァが全体2位の末脚でコースレコードをたたき出して完勝。後方から最速の末脚で飛んできたブレイディヴェーグはわずか及ばず2着となるなど、中団・後方から鋭い脚を繰り出した馬が上位を独占する結果となりました。

それとは対照的に、19年は先行馬も粘る展開。その中で、中団からダノンファンタジーが大外を突き抜け、3着には好位から早めに動いたウィクトーリアが全体2位の末脚で粘り込んでいます。これは、スローペースになれば先行馬でも上位の上がりを使えるという好例です。

いずれの形にせよ、上がり3Fで上位のタイムを出す能力が好走の鍵を握っています。

さらに深掘りすると、過去の好走馬たちには『ローズS以前のレースで、複数回上がり3位以内の末脚を記録していた』という重要な共通点が見られます。一過性ではない、再現性の高い末脚を持つ馬こそが、この舞台で信頼できる1頭だと言えるでしょう。

そこで推奨するのが、タガノアビー。重賞勝ちこそありませんが、全7戦のうち6戦で上がり最速をマークするなど、出走メンバー中、屈指の末脚を誇ります。その能力がG1の舞台で通用することを証明したのが、記憶に新しいオークスでの激走です。

桜花賞組が人気の中心となる中で、低評価に甘んじていましたが、いざレースが始まると、最後方から1頭だけ最内を通り、メンバー最速の3F33.5という度肝を抜く走りを見せてくれました。

前走の長久手特別でもわずか及ばずの2着でしたが、叩き2戦目の今回はさらに状態が上がっているはずです。

再現性の高い決め手を持つ馬が勝つこの舞台でこそ、タガノアビーの真価が発揮されるはず。世代屈指の切れ味が阪神の直線で炸裂するシーンに期待しましょう。

また、ローズSで是非とも知っていただきたい穴馬は他にもいます。一筋縄ではいかない予想困難なレースで発見した、穴党研究員が狙う激走候補がこちら⇒ローズSの『三ツ星穴馬』をチェックする