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日本産馬とは一味違う!?外国産馬たちと積み重ねた思い出【永島まなみ騎手コラム】
2025/12/5(金)
先週末は人気薄のクリノオリーブで3着に粘ったまなみ騎手。あと一歩のレースのプレイバックから、今週末の展望、そしてなりたい童話の主人公から外国産馬と日本産馬の違いまで、今週も盛りだくさんでお届けします!
人気薄で3着!光の見えた一戦
——先週末のお話から伺います。先週末は土曜の京都8R・3歳上2勝クラスで単勝8番人気のクリノオリーブに騎乗され、3番手につけるとしぶとく粘り込み3着でしたね。
枠も良かったですし、前に目標を置く形で理想的な形でした。ただ抜け出してから耳を絞ったりして、他の馬を気にするところがありました…。そういった部分で、自分との戦いかなというところがありますね。
——前走も騎乗され逃げて8着でした。3番手に控えた今回、前走とは道中の感触も違ったのでしょうか。
そうですね、前に目標を置いたほうがいいタイプなのかもしれません。
——直線抜け出して耳を絞るというのは、つまり馬が先頭に立つのを嫌っているということなのですか?
そうですね、ソラを使うと言いますか、菱田さん(菱田裕二騎手、4着ニホンピロトッティ)の馬の前に頭半分出たあたりでめちゃくちゃ耳を絞って嫌がってました。勝てる能力はあると思いますが…。
——このような先頭に立つと耳を絞る馬で先頭に立ってしまった場合、有効な対応策はあるのでしょうか。
なるべくハミを外さないように、馬とのコンタクトをとる必要はあるんですが、それくらいしかないですね…。この道具を使ったら効果的とか、なかなかそういうものがないんです。難しいですね。
——ただ近走の不振を考えると光が見えた内容でしたね。
そうですね、元々調教はすごく動きますし、スピードもあって勝てるだけの力はあると思います。あとは気持ちの問題かなと思います。次は阪神の最終週のダート1400mでまた乗せていただくので、また今回のような形で運べたらなと思います。
——翌日曜の京都9R・白菊賞では自厩舎のエスティヴァリスに騎乗されました。先行策を取るも、勝負所で早めに手応えが怪しくなり9着という内容でした。
競馬前のテンションの上がり方は今までとそんなに変わらなかったのですが、これまでゲートの中がおとなしかった馬がゲートの中でもぐったりしていました。
競馬を覚えてきたことによって、これから走るということを分かってきたのかもしれません。だいぶテンションが上がっていた部分が今後の課題かなと思います。
——改めてパトロールビデオを見ると、向正面でエスティヴァリスがずっと内ラチのほうに行こうとしていますね…
元から右側に張る癖があるのですが、返し馬の段階から結構右に張ってしまっていて、なんか嫌だなぁ…と思いながら右ムチを持って乗ったんです。
実戦でも内に壁があればなんとかなるものの、前走よりずっと支えて乗ってあげないといけない感じでした…
——このような右に張る癖というのはエスティヴァリスの性格面に起因するのでしょうか。
性格と言いますか、馬の骨格にもよると思います。エスティの場合は最初もっと右に張っていて、だいぶ直してくださってマシにはなっていたんです。ただまだゼロではないので、そういった部分が課題ですね。
——前走比+14kgと体重はだいぶ増えていました。馬体面はこのくらいの体重でちょうどいいのでしょうか?
そうですね、これは全然成長分でした。このクラスでも全然やれる力はあると思います!
PN.水無月さんご提供
——そういえばスポーツ報知の山下優記者のXでエスティヴァリスと撮られた動画がUPされていました。エスティヴァリスの水の飲み方、あまりに迷惑で思わず笑ってしまったところです。
大胆な女の子です、ちょっと女子力低めな女の子です(笑)
——逆に可愛さしかありませんね。
迷惑ではありますし「おいっ!」となりますが、可愛いなとは思います(笑)
——先日サトノビダーヤにも食べられていましたが、まなみ騎手の洗濯代が増えないことを祈るばかりです。
そうですね、綺麗にしていってもめちゃくちゃ汚れます…。
中京開催スタート!前走好走馬と挑む
——先週末といえば、土曜の京都の新馬戦で騎乗したスズノボンライミーはなかなかパドックから元気がいい馬でしたね。元気が良過ぎてなかなか跨がれなかったようで…。
びっくりしました、普段調教に乗っている時はすごくおとなしかったんです。私、新馬の時はいつも以上に早くパドックに行って馬の雰囲気を見ることにしているんですが、2人曳きで登場してきて"あれ???"となりました(笑)。うるさかったですね。
これは怪しいなと思ったのですが、乗ろうとしたら一回立ち上がって、その場で回してもらってから乗ろうとしたらまた立ち上がって…。乗ってからは立ち上がりはせずまだマシでした。
——幸ジョッキーの大ケガもそうですが、安全に一週間が終わることを祈るばかりです。
そうですね、気を付けます!
PN.水無月さんご提供
——そんな今週は中京開催がスタートします。土曜は中京で4鞍、日曜は阪神で2鞍の計6鞍を予定されていますが、いつも通り実戦、追い切りで騎乗経験のある馬を中心に伺いますと、土曜の中京7R・3歳上1勝クラスのストーンズは力が入る一戦です。
前回はすごく上手に馬が応えて走ってくれました。メンバー的に何頭か前に行きそうな馬はいますが、切れ味勝負になると分が悪いところがあるので、この子のスピードを生かす競馬ができればなと思います。
——前走は福島のダート1700mで2着でした。今回は延長でダート1800mとなります。
今までもずっと1800mは走っていたので問題ないかなと思います!大きい子なので広いコースに変わるのも良さそうです。
——前走はハナを切っての2着でした。番手に控えても好走経験はありますが、現状どちらがいいなどはあるのでしょうか。
できれば逃げたほうがいいのかもしれませんね。逃げてどうこうということもないですし、追ってちょっとワンペースなところもあるので、それなら最初からいいポジションを取ったほうがいいかなと。
——未勝利馬が多いメンバーだけにチャンス十分、楽しみですね。
はい、頑張ります!
——日曜の阪神では、メインレースのりんくうSにて、自厩舎のサトノルフィアンとコンビを組まれます。やはりポイントは初めてのダート1200mという条件でしょうか。
短いところでも前に行けますし、たぶんブリンカーも着けるので、スピードを生かす競馬ができればなと思います。
——この中間はまなみ騎手が一週前追い切り、当週追い切りどちらにも騎乗されています。
その前にも何度か追い切りにも乗っているのですが、一週前追い切りはその時に比べると前進気勢が足りなかったんです。年齢的なものもあるのかもしれませんが、ハミを取らないところがありました。
今回の当週追い切りは先週よりかはまだ行きっぷりも良かったですし、一週前にビッシリ追って変わってきてくれたんじゃないかなと思います。
PN.水無月さんご提供
——ダートの短いところはなかなか思う通り使えず調整が難しいところがありそうです。
そうですね、賞金もないので出たいところになかなか出られない難しさはあります。
——今週、厩舎でサトノルフィアンとのツーショットが栗東から届きました。ルフィアン、可愛いですね。
そうなんです、イケメンな顔してます!可愛らしい子なんです。
イケメン・サトノルフィアンと
外国産馬との思い出!初勝利の相棒はまるで…
——毎度お馴染み、ファンの方からの質問コーナーです。先週は修学旅行について色々伺いました。改めてコラムを読み直しましたが、中学の香川への修学旅行、これは小旅行ですね。
そうですね、これは小旅行です(笑)
——競馬ラボの新人スタッフも兵庫出身とのことで聞いたところ、中学の修学旅行は2泊3日で沖縄だったとのことです…。
いいなぁ…。私も沖縄行きたかったです…。
——今、素の「いいなぁ」でした。皆さんが沖縄に行く中、まなみ騎手は香川で…
うどんを踏み踏みして食べてました…(笑)
——学びになったことを祈るばかりです。
うどんの作り方は覚えてきました!
——それは良かったです。まな民の皆様から、小学校の修学旅行で行かれた"衣装を着れるところ"は愛知県のリトルワールドではないか、というメッセージがいくつかありました。
それだ!リトルワールドです、リトルワールド!
PN.水無月さんご提供
——解決したようで何よりです。送っていただいた方の一人、PN.ろろちゃんさんから「もしも一日だけ童話の主人公になれるとしたら、何になりたいですか?」という、面白い質問が届いております。
シンデレラがいいです!
——シンデレラ。
12時まで魔法をかけてもらいたいんです、時間は守るんで(笑)。
——シンデレラだとその前に下働きしないといけないような。
そうですね、それでも魔法をかけてくれるなら頑張りたいです!
——ガラスの靴を履けることを祈っております。さて、先週末はジャパンCが開催され、カランダガンが激しい叩き合いの末に20年ぶりの海外調教馬のジャパンC勝利を挙げました。京都の検量室も盛り上がったのでは…?
ちょうどレースが始まる頃に京都競馬場を出るところで、検量室にはいなかったのですが、最後は車の中で声出ましたね。
——今週はファンの方の質問と言いながら、私から質問です。アイルランド生産、フランス調教のカランダガンが勝利しましたが、馬も人間と同じように、日本産と海外産では性格面に違いがあるのでしょうか?もちろん個別には違うでしょうが、全体的に違いがあるのか気になりました。
勝手な私のイメージなんですが、外国産馬はパワフルなイメージがあります。森秀行厩舎が外国馬のイメージなんですが、森厩舎の馬はパワータイプと言いますか、ゴリゴリな子が多い印象です。
性格面は日本の馬たちと一緒でみんな違いますね。外国馬だから共通してこういう性格、というのはあまりないかもしれません。
——突然ですがいきなりまなみクイズです。まなみ騎手はこれまでJRA通算128勝していますが、そのうち"外国産馬"と挙げた勝利はいくつあるでしょう?
えー、分かんないなあ…。アクイール、プシプシーナ、ファムエレガンテ…。そんなないと思います、6勝くらいですか?
——正解は4勝です。まなみ騎手の初勝利であるアクイール、あとは3年前の夏にスエトニウスで未勝利を勝っています。
ああ!藤原厩舎!
サトノビダーヤと遊ぶまなみ騎手
——あとはファムエレガンテの2勝で計4勝です。
プシプシーナって内国産馬でしたっけ?
——プシプシーナはエピファネイア産駒ですね。たぶんまなみ騎手はフリアフロリダのことを言っているのかもしれません。
そっちだそっちだ(笑)。小栗厩舎の。
21年3月14日アクイール未勝利
22年7月23日スエトニウス未勝利藤原厩舎
25年4月20日ファムエレガンテ未勝利
25年7月6日ファムエレガンテ1勝クラス
——そもそもまなみ騎手は初勝利を外国産馬で挙げられた、珍しいパターンのジョッキーとなります。
なんですかね?なかなか外国産馬はそこまで多くないですし、確かにそうかもしれません。
——そんな初勝利を挙げた思い出の一頭・アクイールは、母は日本で走っていた馬ですがアメリカで繁殖入りしたため外国産馬となります。どんな性格の子だったのでしょうか。
アクイールはダチョウみたいな子でした(笑)
——ダチョウ。
すごく頭が高くて、乗りやすくはなかったですね…。トレセンの中の角馬場で跳ねられて、落とされた記憶があります…。
——ダチョウといえばまなみ騎手のようなところもあります。
そうですね、競馬学校でダチョウのモノマネとかしていたので…。
——共通点を見つけた気がします。だとおとなしくは…
なかったですね(笑)。レースを重ねるごとにまっすぐ歩かず、曳いていた担当者さんが躓いて転びそうになったりしていました。
——アクイールの姉・アニエーゼの子どもたちであるネトルやスフィダンテも自厩舎の高橋康之厩舎です。こちらは日本産馬ですが性格面や馬体面は違うと感じますか?
全然違いますね。アニエーゼは私が厩舎に入った頃にはおとなしかったのですが、最初はすごくウルさかったらしく、みんなに"アブネーゼ"と言われていたくらいだったんです(笑)
最初の仔のネトルが入ってくることになって、その分みんなビビっていたんです。そしたらネトルはすごくおとなしくていい子だったんです。
——全然違いますね。
そうなんです。でも今厩舎にいる2番仔のスフィダンテがめちゃくちゃウルさくて乗れないくらいです(笑)。みんな違います。
——ネトルが異例だった説も。
かもしれません…。スフィダンテにはまだ私も乗ったことがないのですが、乗ることがあれば気を付けないといけないですね。
スフィダンテ、西岡助手と
——外国産馬で2勝目となった22年8月23日の小倉6R・3歳未勝利のスエトニウスも逃げ切り勝ちでした。アクイールと同じアメリカ産馬ですが、どちらも逃げ切り勝ちでした。アメリカ産馬は日本産馬に比べて揉まれ弱かったりするのでしょうか。
そんなこともないとは思いますね。ただスエトニウスも結構ウルさかったですし、ファムエレガンテもカリカリしているので、そういう部分は共通しているかもしれません。
——初めて騎乗する際に父が外国産馬だったりするところを確認したり、より意識することはありますか?
私の場合は特にはないですね。前走のレースなど今までのレースを見たりしながら臨んでいます。
——今年コンビを組んで2勝を挙げたファムエレガンテもアメリカ産馬です。こちらはどんな性格の子なのでしょう。
もうめちゃくちゃ真面目です、走るのに本当に真面目な子です。まさに短距離馬という感じです。
——ファムエレガンテは素晴らしいスピードを持っていますが、外国産馬のスピード、パワーは乗っていても違うものなのでしょうか?
これは全然違いますね、みんなドシっとしています。日本の子の中にはちょっとヒョロヒョロとした子もいるのですが、外国産馬はあまりそういうタイプはいないです。
——ちなみに調べたところ、まなみ騎手はこれまでJRAで2452回騎乗し、そのうち67回が外国産馬で、日本を除く5か国の生産馬に騎乗されたことがあります。今までどこの国の生産馬に騎乗されたか分かりますか?
意外と乗ってないですね…。えーとどこだろ、アメリカと、オーストラリアと、ニュージーランド…
——ニュージーランド産馬はまだ未経験ですね…
ないかぁ。イギリス、フランス、あと…アイルランド?
——正解です。その5か国です。今までのまなみクイズの中で一番スッキリ答えが出たかもしれません。
普通にスムーズでしたね、私にしては珍しい(笑)
今週、サトノビダーヤと
——これが最近始められた英会話の効果なのかもしれません。ヨーロッパの馬とアメリカの馬だと性格面に違いなどはあるのでしょうか。
そんなに感じたことはないかもしれませんね。やっぱり馬なので一頭一頭性格が違いますね。
——今週も色々と質問に答えていただきありがとうございます!先週から写真コンテスト"M(まなみ)-1ぐらんぷり2025"の募集を始めましたが、すでに昨年の応募数を超えております。素敵な写真ばかりであることを報告しておきます。
ええスゴい!皆さんありがとうございます!
——来週もよろしくお願いいたします。
よろしくお願いします!
ターコイズSに挑むスリールミニョンと
いつも永島まなみ騎手コラム"まなみの学び"をご覧いただきありがとうございます!コラム開始2年3か月、ここまでまなみ騎手に色々な質問に答えていただきました。
"ファンの皆様と共に歩む"コラムとして、これからもファンの皆様の質問を幅広く頂戴し、ご本人に聞いていこうと思っております。
競馬に関すること、そして日常生活について、永島まなみ騎手にこれだけは聞いてみたい!ということをぜひご応募ください。頂いたご質問、メッセージは上記のようにご本人に届けさせていただきます。
すべてのご応募はメールにて受け付けております。メールの件名に「まなみ騎手へ」、本文にお名前(ペンネーム)を記載の上、以下のアドレスまでご質問をお願いいたします。皆様ぜひご投稿よろしくお願いします!
manami_nagashima@keibalab.jp
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