毎週の注目重賞をテーマに競馬ラボ研究員がデータを精査。競馬ビギナーにも分かりやすく レースのポイントを教えます!あなたが選ぶ本命馬はこのデータをかいくぐれるか?
【神戸新聞杯】ダービー馬レイデオロに関西の壁!?
2017/9/18(月)
1953年に神戸盃としてスタートし、1972年より現在の名称へ。2000年以降は京都新聞杯が春に移行したため、関西では唯一の菊花賞トライアルとなり、負担重量は2003年より馬齢へ。また、阪神競馬場の改修によって、2007年から芝2400mに変更されている。過去の勝ち馬を見ても時代を彩った名馬が多く連ねており、ここ10年でも菊花賞馬を4頭輩出。そんな伝統の一戦をデータから占ってみる。
ダービー組が10年で8勝!
[前走レース]ダービーのあと休養に入り、ここで秋初戦を迎えた馬が8勝。春にクラシックを戦い、その中でも世代の頂点を決める日本ダービーに駒を進めた馬を中心に据えるのが基本パターンといえるだろう。相手候補になるのはラジオNIKKEI賞組と夏のローカルで条件戦を戦ってきた馬になるのだが、ラジオNIKKEI賞組は3頭が馬券に絡んで、2頭が人気薄。条件戦を戦ってきた馬も重賞、オープンに出走歴のある馬の方が好走している傾向が強い。
過去10年注目データ
[前走着順]クラシックに出走した馬、しかも上位に入った馬が秋初戦に選択する傾向が強いことから、過去10年の勝ち馬は全て前走5着以内。12年の勝ち馬ゴールドシップもダービー5着から巻き返してその後の連勝に繋げていった。
前走2ケタ着順から馬券圏内に入った馬は3頭。いずれも前走がG1で、重賞連対の実績を持っていた。
[枠順]枠番別では8枠が3勝、3枠と5枠が2勝ずつ。2枠は連対馬が1頭も出ていない。
3着までに優先出走権が得られるトライアルレースながら18頭フルゲートになったのは2回。8枠の3勝はいずれも15頭立ての「14」番だった。馬番別から推理すると外めがやや優勢。過去10年で馬券絡みがないのは「8」と「16」~「18」の4つ。
[脚質]脚質は様々なポジションから好走馬が出ているが、4角先頭での連絡みは15年の勝ち馬リアファルと09年2着のリーチザクラウン。ともに3番人気で上位人気に推されていた。近年は4角10番手以下からの差しも度々上位に食い込んでいて、それらはほとんどが人気薄。勝ち切るとなると難しいが、穴党は追い込み馬のヒモ付けをチェックしておきたい。
ダービー好走の1番人気は信頼
1番人気は(6-2-0-2)。馬券圏内を外した2頭は07年フサイチホウオー、09年アンライバルドは、どちらもダービーで掲示板を外していた。ダービーで結果を残し、かつ1番人気に支持された馬の信頼度は非常に高い。勝ち馬は9頭が3番人気以内。09年に7番人気で勝ったイコピコはオープン特別を勝ち、ラジオNIKKEI賞、プリンシパルSで4着と世代上位の実績があった。なお、2ケタ人気は1頭も馬券に絡んでいない。
人気順別成績 | ||||
人気 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
1番人気 | 6-2-0-2 | 60.0% | 80.0% | 80.0% |
2番人気 | 1-1-4-4 | 10.0% | 20.0% | 60.0% |
3番人気 | 2-2-1-5 | 20.0% | 40.0% | 50.0% |
4番人気 | 0-0-1-9 | 0.0% | 0.0% | 10.0% |
5番人気 | 0-1-2-7 | 0.0% | 10.0% | 30.0% |
6~9番人気 | 1-4-2-33 | 2.5% | 12.5% | 17.5% |
10番人気~ | 0-0-0-59 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
関西馬が圧倒的に強い!
実質、関西馬のレースで、関東は過去10年で出走がわずか6頭。08年にはダービー2着馬スマイルジャックが西下してきたが、関西馬の分厚い壁に敗れている。今年はダービー馬レイデオロが参戦してくるが、結果は果たして!?
ジョッキーの方は美浦所属も健闘しているが、馬券に絡んだ4頭のうち3頭はワンアンドオンリー、ゴールドシップ、エイシンフラッシュのクラシックホース。残る1頭も次走で菊花賞を勝つオウケンブルースリで、相応の馬で西下してきている。また、ワンアンドオンリー以外の3頭は内田博騎手が手綱をとっていた。
[キャリア]キャリア面では5~7戦が優秀で、中でも7戦の馬は4勝、2着4回、3着1回。出走頭数が最も多いのだが、それでいてアベレージも高い。5戦の馬は勝ち馬こそ1頭だが、3着が4頭。10戦以上は大きくマイナスで、馬券圏内に入ったのは08年の勝ち馬でダービー、NHKマイルCを勝っていたディープスカイのみ。
[乗り替わり]クラシック最終関門・菊花賞に直結する一戦。乗り替わりはマイナスで、アベレージは大きく下がる。ちなみに、乗り替わりで勝った3頭のうち2頭が武豊騎手。
[当該コースの騎手成績]2012年以降、阪神芝2400mで最も多く勝鞍を挙げているのは福永騎手の10勝。2着が12回と取りこぼしも多いのだが、44回の騎乗で連対率は50%に上る。サンプルは福永騎手のおよそ半分になるが、C.ルメール騎手は22回の騎乗で8勝。こちらは勝率38.1%、連対率57.1%、単勝回収率207%と驚異的な数字を誇る。以下、M.デムーロ騎手が7勝、浜中、幸騎手が6勝と続く。
[馬体重]07年に416キロのドリームジャーニーが勝っているが、傾向からはある程度の馬格は必要でドリームジャーニー以外の勝ち馬は460キロ以上。そこから520キロまでは幅広いレンジで好走馬が出ており、よほど小柄な馬でなければ馬体重はあまり気にしなくてもいい。
[種牡馬]過去10年でステイゴールド産駒が3勝。高い適性を持っているのは間違いないが、3頭はいずれもG1ホース。それ以外は掲示板にも入っていないのはどう見るか。好走馬の種牡馬を見るとスタミナももちろん重要だが、複数の好走馬を出している馬は確かな決め手を持ったタイプが多い。その代表がやはりディープインパクトで、昨年まで6世代が走って14年以外は全て馬券圏内に産駒を送り込んでいて、昨年は唯一の出走馬だったサトノダイヤモンドが快勝している。