騎手時代に約20万人が来場した90年ダービーをアイネスフウジンで逃げ切った中野栄治元調教師が、
独自の視点で重賞の好調教馬を導き出します!
【京都大賞典】G1馬も倒せる!レジェンドが選ぶ調教ナンバーワン!
2024/10/5(土)
当週 栗東CW(良) | ||||||
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84.7 | 69.3 | 54.0 | 38.1 | 11.2 | 馬なり |
ナンバーワンはサトノグランツ、この馬で決まりだね。川田くんが3週続けて調教に乗るのも珍しいけれど、この馬には期するものがあるかもしれないな。
みんな覚えてるか分からないけど、僕は管理馬だったブローザホーンでこの馬を倒してるんだよ、今年の日経新春杯で(笑)。でもこの時は状態もあまり良くなかったらしい。いかにも次に控えていた海外遠征の叩き台といった印象だった。
前走、帰国緒戦だった目黒記念はシャープな動きを見せていて成長を感じたんだけれど、今回は目黒記念よりいい。1週前は軽く気合を付けただけなのに凄く反応が良かったし、直前はゆったりと走れていてしなやかさがあった。久々でも全く心配ないね。
相手一番手のスマートファントムからは勢いを感じるよ。全身を使ったパワフルな動きが目立ったし、天皇賞・春4着は伊達じゃないな。フロックじゃないと思うよ。
シュヴァリエローズもいいな。帰厩後はそこまで乗り込んでいないんだけど、牧場でやっていただろうから問題なし。1週前に負荷をかけたことでピリッとしたね。年齢を感じさせない、首を使ったイイ動きを見せてくれている。
忘れちゃいけないのがブローザホーンだ。応援しないわけにはいかないよね(笑)。調教時計がそこまで出ていないことを気にしている読者の方もいるかもしれないけれど、以前から稽古では動かない馬なんだ。
元々調教をやりすぎると良くない馬なんだよ。だから稽古はこれで十分。いつもの動きと気配だったと思う。大丈夫、2年以上間近で見てきたから(笑)
サベージラヴ
今週の狙いはこの馬。新潟のダートは前が簡単に止まらない条件だ。サベージラヴは前走内枠を引いてしまって、引くに引けない状況でハナに立って、ペースも厳しかった。
今回は外枠。53kgの恩恵を追い風にすんなりハナを切ることができれば簡単には止まらないんじゃないかな。
プロフィール
【中野 栄治】Eiji Nakano
1953年大分県生まれ、東京都出身。父は大井の元調教師という家庭で育ち、1971年に騎手デビュー。数多くの活躍馬に騎乗し、約20万人が詰めかけた1990年日本ダービーをアイネスフウジンで逃げ切り伝説を作る。1995年には調教師に転身。短距離G1を2勝したトロットスターなどを育て、日本競馬にその名を残した名ホースマン。