騎手時代に約20万人が来場した90年ダービーをアイネスフウジンで逃げ切った中野栄治元調教師が、
独自の視点で重賞の好調教馬を導き出します!
【秋華賞】雰囲気は文句ナシ!レジェンドが選ぶのは2強以外の馬!
2024/10/12(土)
当週 栗東坂路(稍重) | ||||||
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57.0 | 41.3 | 26.3 | 12.8 | 馬なり |
ローズSのコラムの内容を覚えているかな?あの時もクイーンズウォークを一番に取り上げたんだけど、うん、今回もこの馬がナンバーワンだ。
ローズSは春よりもバランスの取れた走りだったのが印象的だったし、確かな成長を感じたよ。あくまで本番を見据えた仕上げであの勝ち方だから、秋華賞がより楽しみになったよね。
この中間の追い切りを見ていると、正直1週前追い切りは少し力みがあったんだ。時計は出ていたけれど、ちょっと物足りなさを感じたのも事実。でも直前の稽古はサッと流した程度でも気負わず、気分良く走っていたのが良かった。
直前の雰囲気としては文句ナシ。G1馬2頭の動きがちょっと物足りなかったことを考えると、今回はかなりチャンスがあると思う。
2番手評価は紫苑Sを勝ったクリスマスパレード。この中間は栗東で調整しているようだね。今となっては栗東留学は王道になった。僕はしなかったけど(笑)
休み明けを一度使ったこともあって、この中間強いところはやってないんだけれど、直前の動きは力強かったねぇ。イレ込むところもあるタイプだから栗東調整は間違いなくプラスだよ。
ミアネーロも良かったよ。直前はステレンボッシュと併せ、軽快な動きが目立っていた1頭だ。ステレンボッシュより全然良かったね。この馬も栗東調整組の1頭で、落ち着きもあって凄くいい雰囲気だった。
もう1頭取り上げるとしたらボンドガールかな。直前の坂路では馬場が相当悪かったようで上がりは掛かったけれど、フラフラしていた1週前追い切りよりも集中して走れていた姿が目についた。折り合いに課題のある馬だから、これは好材料と言っていい。
クリノキングマン
これはクリノキングマンの単騎逃げが叶うんじゃないか?短距離戦にしてはそこまで多くない頭数で、強力な同型も不在。
前走倒したスターターンはもうオープン馬だ。ここでは力の違いを見せてくれると期待している。
プロフィール
【中野 栄治】Eiji Nakano
1953年大分県生まれ、東京都出身。父は大井の元調教師という家庭で育ち、1971年に騎手デビュー。数多くの活躍馬に騎乗し、約20万人が詰めかけた1990年日本ダービーをアイネスフウジンで逃げ切り伝説を作る。1995年には調教師に転身。短距離G1を2勝したトロットスターなどを育て、日本競馬にその名を残した名ホースマン。