
騎手時代に約20万人が来場した90年ダービーをアイネスフウジンで逃げ切った中野栄治元調教師が、
独自の視点で重賞の好調教馬を導き出します!
【ホープフルS】2024年最後のJRAG1のナンバーワンは伏兵!レジェンドイチオシは…
2024/12/27(金)
1週前 栗東ウッド(良) | ||||||
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80.3 | 65.8 | 51.0 | 36.0 | 11.0 | 一杯 |
まずは先週の有馬記念に触れないとね。戸崎くんおめでとう!ダービー前に対談をしたこともあって、そのダービーは相当悔しがっていたそうだから、本人も相当嬉しかったんじゃないかな。
レガレイラは今回、好位に付けて競馬ができたのが大きかった。伊達に牡馬相手に戦ってきたわけではなかったということだろう。ルメールでもゲートを出なかったのに、あれだけいいスタートを切るとはね。戸崎くんの騎乗技術は以前から認めているところだし、改めておめでとう!
さて、今週はJRAのG1最終戦・ホープフルS。昨年レガレイラが勝ったレースだ。G1に昇格してからは朝日杯FSよりクラシックを意識した馬が出走するようになった。来年を占う意味でも重要な一戦だよ。
今週のナンバーワンはジュタ。まだキャリア一戦とは思えない風格があって、1週前の追い切りは3頭併せの内に入り、抜け出す時の反応が抜群。一気に突き放した。今週の坂路も時計以上に素晴らしい動きだったよ。
ジャパンCのシンエンペラーが出走していたこともあって東京デビューになった経緯はあるだろうけれど、関西馬の東京デビューはクラシックを意識していることが多い。それだけ期待は高いと思うんだ。
それにしても以前は有馬記念が終われば、暦によって金杯まで2週間くらいあってユッタリできたものだけど、今は忙しないよね…。まあ、ファンからすれば1週増えたことで嬉しいかもしれないけれど…。
次点はクロワデュノール。前走時の動きは正直物足りなさが残っていたんだけれど、それでいて勝つんだから能力は相当だ。その前走から明らかに上積みが大きいし、体全体を使ってパワフルな動きを見せている。
そしてクラウディアイ。これは人気なさそうだねぇ。印は別にして、なかなかイイ動きだったんだよ。追い切りでは前の馬の真後ろを追走して、直線で併せる形をとってキックバックなどに慣れされる教育を施している。それでいて気分良く走っていたのが印象的だった。
最後にジョバンニ。頭の高い走法で首の使い方には注文が付くけど、それでも加速してからの脚力は凄かった。過去に高松宮記念を勝ったキングヘイローに似ているな。あの走り方、皆さん覚えているかな?(笑)。余裕をもって好時計が出ていたし、状態はかなり良さそうだよ。

リギーロ
中山芝1800mって、コースの形状からスローペースになりやすい条件なんだよ。人気薄の逃げがハマったりするのも形状の影響があるから。 狙いは4R・芝1800mのリギーロ。前走はデビュー戦から一転して2番手につけられた。スタートをもう少し出られればハナに行けそうだし、マイペースなら勝ち負けできる馬だと思う。
プロフィール
【中野 栄治】Eiji Nakano
1953年大分県生まれ、東京都出身。父は大井の元調教師という家庭で育ち、1971年に騎手デビュー。数多くの活躍馬に騎乗し、約20万人が詰めかけた1990年日本ダービーをアイネスフウジンで逃げ切り伝説を作る。1995年には調教師に転身。短距離G1を2勝したトロットスターなどを育て、日本競馬にその名を残した名ホースマン。