騎手時代に約20万人が来場した90年ダービーをアイネスフウジンで逃げ切った中野栄治元調教師が、
独自の視点で重賞の好調教馬を導き出します!
【東京新聞杯】このレースも勝っているレジェンドが推すのは伸びシロタップリのあの馬!
2025/2/8(土)
当週 美浦坂路(良) | ||||||
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55.3 | 40.4 | 26.3 | 12.6 | 馬なり |
今週は東京新聞杯だね。いつも通り昔話からさせてもらってもいいかな。
僕、ジョッキー時代に東京新聞杯を勝ったことがあるんだよ。1984年、シンボリヨーク。豪脚で有名なマティリアルのお兄ちゃんにあたるんだけど、この馬で東京新聞杯を勝たせてもらったんだ。
実はその時、父親を亡くした直後でね。当週の水曜が葬儀だったから調教は休んだんだけれど、木曜日にスタンドに顔を出したら、たまたま管理していた保田隆芳先生がいてね。
「東京新聞杯、空いてるか?」って先生が言うから依頼を引き受けたんだけれど、テン乗りで勝っちゃったんだ(笑)
その時からだよ、冠婚葬祭ジョッキーって言われるようになったのは。実はその後も息子が産まれた時とかに色々あったんだけれど、この話を始めると終わらなくなるんだ。続きはまたの機会にしよう。
本題に移ろう。今週のナンバーワンはボンドガールだ。1週前追い切りはちょっと掛かり気味だったけれど、今週は落ち着いていて気持ち良く走っていたね。
次点はジュンブロッサム。跳びの大きい馬だけれど、道中もリズミカルにノビノビ走っていたし、久々を感じさせない動きだったよ。
あとはブレイディヴェーグ。これは先週、今週ともに凄くイイ動きだった。仕掛けてからの反応も良かったし、変わりなく順調に来ていると思う。
最後にウォーターリヒト。先週ビシッとやっているので今週は終い重点。それにしても終いの脚は鋭かったなぁ。成績通り、馬が充実している感じだね。
スズカダブル
狙いは京都9Rのスズカダブル。明確な同型が不在であることに加え、土曜の競馬が中止になったことから実質開催3日目ということで、まだ内目が使えるはず。京都のマイルはベスト条件。単騎ならこのメンバーでもいいところがありそうだ。
プロフィール
【中野 栄治】Eiji Nakano
1953年大分県生まれ、東京都出身。父は大井の元調教師という家庭で育ち、1971年に騎手デビュー。数多くの活躍馬に騎乗し、約20万人が詰めかけた1990年日本ダービーをアイネスフウジンで逃げ切り伝説を作る。1995年には調教師に転身。短距離G1を2勝したトロットスターなどを育て、日本競馬にその名を残した名ホースマン。