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騎手時代に約20万人が来場した90年ダービーをアイネスフウジンで逃げ切った中野栄治元調教師が、
独自の視点で重賞の好調教馬を導き出します!
【フェブラリーS】レジェンドが混戦に断!状態は文句なし!
2025/2/22(土)
当週 美浦ウッド(良) | ||||||
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84.1 | 68.2 | 53.9 | 38.5 | 11.6 | 馬なり |
いよいよG1の開幕だね。ダートとはいえ今年最初のG1ということで、ファンの方も盛り上がってるんじゃないかな。
まずはもう恒例だね、昔話をさせてちょうだい(笑)
1999年に勝ったメイセイオペラって覚えてるかな?地方所属馬として初めてJRAのG1を勝った馬で、地方所属ながらJRAG1を勝ったのはこの馬だけだよね。
この馬は今泉牧場、今でいう福島のテンコー・トレーニングセンターで調整されていた馬で、その場長とオーナーとは現役時代から付き合いがあったんだ。それでメイセイオペラがレース直前に美浦で調整していた時に、追い切りに乗ったことがあったんだよ。
いやぁ、今だから言えるけれど、まさか勝つとは思わなかった(笑)
メイセイオペラがフェブラリーSを勝った日は1月31日だったんだけど、実は僕の父の命日でもあったんだ。このあたりも冠婚葬祭ジョッキーと言われる所以なのかもしれない(笑)
それでは本題。今週のナンバーワンはコスタノヴァ。これは久々の前回も良かったけど、更に良くなっているね。集中力があって、実に素軽い動きだった。
マイルにも実績があるし、状態は文句なし。あとはR.キング騎手の腕次第だろう。サウジアラビアで乗ってから直行とは凄いスケジュールだね。
次に良かったのはガイアフォース。跳びの大きい走りだけれど、躍動感のあるフットワークが目に付いた馬だ。時計だけならチャンピオンズCの時の方が速かったものの、全体のバランスは明らかに今回の方が良かったよ。
エンペラーワケアはここを目標に予定通りに来ている感じだね。伸びやかな走りで気分良さそうに走っていたし、筋肉も付いた印象で成長も感じるね。
最後にペプチドナイル。昨年の覇者だ。7歳を迎えた今年も元気一杯だね。1週前より、ブリンカーを着けた今週の方が動きに鋭さがあった。いい意味でスイッチが入った追い切りだったと思うよ。
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ダイヤモンドレイン
浦開催ということもあって頭数も少ない2400m戦。スローペースが濃厚だ。ダイヤモンドレインは単騎逃げまで狙える。前走は行けなかったうえに接触の不利もあった。見直したい。
プロフィール
【中野 栄治】Eiji Nakano
1953年大分県生まれ、東京都出身。父は大井の元調教師という家庭で育ち、1971年に騎手デビュー。数多くの活躍馬に騎乗し、約20万人が詰めかけた1990年日本ダービーをアイネスフウジンで逃げ切り伝説を作る。1995年には調教師に転身。短距離G1を2勝したトロットスターなどを育て、日本競馬にその名を残した名ホースマン。