
騎手時代に約20万人が来場した90年ダービーをアイネスフウジンで逃げ切った中野栄治元調教師が、
独自の視点で重賞の好調教馬を導き出します!
【阪神大賞典】天皇賞・春でも面白い存在!レジェンドの狙いは元管理馬ではなく…
2025/3/22(土)
当前 栗東ウッド(重) | ||||||
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82.9 | 67.1 | 52.3 | 37.6 | 11.4 | 馬なり |
早いもので桜の季節だね。先週も言ったけど、気候的に今が一番過ごしやすいよ。理由?年齢的に(笑)
週中は東西で季節外れの雪が降っていたね。美浦も当然降っていたんだけれど、その影響で水曜追いを木曜に切り替えた陣営もいたようだ。こればかりは仕方がない。視界とか、馬場状態とか、僕もそこは神経を使ったものだよ。やはり安全が第一だから。
今週は天皇賞・春の前哨戦ということで、阪神大賞典を取り上げていこうか。
管理していたブローザホーンが出走するんだけれど、昨年秋の復帰後が物足りないんだよね。僕が管理していた頃から気分次第なところがあったからなぁ。
実績はここでも一番だし、復活を祈っている。要は気持ちの問題だと思うので、何ならハナに行くつもりで前々で競馬をすれば面白いかもしれないね。とにかく実績は一番なんだから頑張ってほしい。
今週のナンバーワンはゴールデンスナップ。元々長丁場で大成する馬だと思っていたけれど、前走は格上挑戦で圧勝だったね。追い切りでも気負いなく走っていて集中していたし、いよいよ本格化といった印象を受けたなぁ。天皇賞・春でも面白い存在になると思うよ!
次にヴェローチェエラ。前走の日経新春杯でも取り上げた馬だ。この中間は更に良くなっているね。川田君が乗った1週前追い切りは軽く仕掛けただけで終いは切れたし、次というよりまずはここを勝ちに来た仕上げだね。
ショウナンラプンタも良かったよ。今週は雪で動きが見にくかったけれど、1週前の坂路では抜群の動きを見せていたし、この時点でほぼ仕上がっている感じだった。以前より走ることに前向きになっているし、口向きの悪さも改善したようだ。
最後にマコトヴェリーキー。今週の追い切りは集中していて良かったね。1週前は併せた相手に劣勢だったけれど、ズブいところは長丁場向きだと思うんだ。バテてるわけでなく終いも伸びていたし、距離延長は魅力だと思うよ。

アスタールフナ
エコロヴァイスとの兼ね合いになるけれど、ここはアスタールフナの逃げ切りに期待してみたい。意欲の関東遠征で、しかも斤量は51kg。ハナを切れれば簡単には止まらないと思う。
プロフィール
【中野 栄治】Eiji Nakano
1953年大分県生まれ、東京都出身。父は大井の元調教師という家庭で育ち、1971年に騎手デビュー。数多くの活躍馬に騎乗し、約20万人が詰めかけた1990年日本ダービーをアイネスフウジンで逃げ切り伝説を作る。1995年には調教師に転身。短距離G1を2勝したトロットスターなどを育て、日本競馬にその名を残した名ホースマン。