
騎手時代に約20万人が来場した90年ダービーをアイネスフウジンで逃げ切った中野栄治元調教師が、
独自の視点で重賞の好調教馬を導き出します!
【高松宮記念】今の勢いは本物!レジェンドの注目はあの穴馬!
2025/3/29(土)
1週前 栗東ウッド(重) | ||||||
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81.8 | 66.9 | 52.1 | 37.2 | 11.3 | ゴール前強め |
いよいよ今週から春の連続G1開催だね。ファンの皆さんも楽しみにしていたんじゃないかな?
まずはいつも通り個人的な話から始めます(笑)
先週の阪神大賞典では以前管理していたブローザホーンが3着だった。しばらく低迷が続いていたけれど、今回のパドックでは過去最高にトモの踏み込みが良かったんだよ。
"踏み込みがいい"って、歩幅が長くて力強い馬に対して言う人もいる。でもね、その歩幅は1mくらいの、むしろ短いくらいが走る馬の特徴なんだ。今回はそんな雰囲気だったし、"これはっ!"と思ったよ。
前残りだっただけにもう少し積極的に行っていれば少なくとも2着はあったかもね。まあ、これはあくまで個人的な感想。こればかりはやってみないと分からない。ただ天皇賞・春に向けていい準備ができたのは間違いないと思う。本番は更に頑張ってほしいね。
さて、高松宮記念の話に移ろうか。今週のナンバーワンはエイシンフェンサーだ。そんな穴馬を挙げるの?と思う方もいるかもしれないけれど、いいよ、この馬。2連勝中の勢いそのままに絶好調だと思う。
1週前追い切りは終い重点に、今週の坂路では残り1ハロンで気合を付けてからも集中していて、反応も実に良かったね。鞍上の川又くんも力が入るだろうなぁ。
正直実績では劣るけれど、こちらは使ってきている強みがある。今の勢いは本物だと思う。
お次はトウシンマカオ。追い切りは唸ってたねぇ。香港帰りの一戦なんだけれどここを目標に順調にきたようで、全体のバランスも良い。ここ2週の追い切りは素晴らしいね。ゴムまりのように弾んでいたよ。
昨年の覇者でもあるマッドクールも良かった。昨年のこのレースを中間に順調さを欠いても勝ったように実力は十分。今年は順調にきているのは強み。先週ビシッと追って今週の坂路は整える程度だったけれど、それでいて終いはビュンっと伸びてきた。連覇も十分ありうると思う。
最後にママコチャ。ここ2週、抑えきれないほどの手応えで坂路を駆け上がっているんだ。実戦に行ってのテンションがカギだけれど、オーシャンSを叩いた上積みは大きいね。

ニシノエピカリ
7頭立ての少頭数。先行馬も手薄で、ニシノエピカリがハナを切れば楽なペースを刻めそうだ。勝ち上がるまでに4戦要したけれど、こういう馬は昇級しても通用しやすいんだよね。
プロフィール
【中野 栄治】Eiji Nakano
1953年大分県生まれ、東京都出身。父は大井の元調教師という家庭で育ち、1971年に騎手デビュー。数多くの活躍馬に騎乗し、約20万人が詰めかけた1990年日本ダービーをアイネスフウジンで逃げ切り伝説を作る。1995年には調教師に転身。短距離G1を2勝したトロットスターなどを育て、日本競馬にその名を残した名ホースマン。