
騎手時代に約20万人が来場した90年ダービーをアイネスフウジンで逃げ切った中野栄治元調教師が、
独自の視点で重賞の好調教馬を導き出します!
【桜花賞】思い出深い桜の決戦!レジェンド・中野栄治元調教師の失敗談とは…
2025/4/12(土)
1週前 栗東坂路(良) | ||||||
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51.6 | 36.9 | 23.7 | 11.8 | ゴール前一杯 |
先週の大阪杯はナンバーワンに取り上げたベラジオオペラが勝ってくれたね。パドックからやはり良く見えたし、まずはホッとしているよ。今週もこの調子でいきたいものだね。
さて、今週からクラシックの開幕だ。ジョッキーとしても調教師としてもクラシック、特に桜花賞には色々な思い出があるけれど、先週もこの場で言ってしまった手前、続きを話さないといけないよね…。そう、飛行機運が悪い話だ(笑)。
2015年のこと。管理していたノットフォーマルを桜花賞に出走させたんだ。当日は成田から伊丹空港に行く予定が、間違えて関西国際空港に行ってしまったんだ…。
慌ててタクシーに乗ったよ。そしたら着いた先がなんと園田競馬場(笑)。これにはびっくりしたね。運転手さんも分からなかったんだろうね。まあ、誰が悪いかと言ったら僕が悪い(笑)
なんとかレースには間に合ったんだ。ただパドックには間に合わなかったんだ…。スタッフに合わせる顔がなかったよ…。今週、ヒロト(ノットフォーマルに騎乗した黛弘人騎手)と話す機会があったんだけれど、「今週は桜花賞ですね~」ってイジられてしまった…。
これは飛行機運という話ではないかもしれないね(笑)。そろそろ本題に移ろうか。今週の桜花賞、ナンバーワンはビップデイジー。
体はあまり大きくないんだけれど、動きはダイナミック。何よりトモの踏み込みが素晴らしい。手前も上手く替えていたし、上積みはかなりあると思う。
次にエンブロイダリー。ビシッと追った1週前の動きは実にシャープだったし、今週は抑え切れないくらいの手応えで古馬に先着していたね。右回りがどうかという走りではあるけれど、動きは良かったよ。
あとはエリカエクスプレス。いかにも切れのありそうな動きをする馬だ。力みもなく気分良く走っているのがいいし、順調にきているよね。
最後にウォーターガーベラ。前走は仲のいい河内調教師の最後だったから勝ってほしかったのが正直なところだけれど、2着まで差してきたあたりやはり力がある。1週前の坂路では自己ベストをマークして、反応良くスッと伸びていた。使い込んでいる中で、更に状態は上げてきたな。

トーアライデン
中山は日曜、雨予報みたいだね。どんな馬場になるかちょっと分からないところはあるけれど、10頭立てのメンバーでスローペースになりそうなここは、トーアライデンの逃げ切りに期待してみたい。道悪でも実績がある。
プロフィール
【中野 栄治】Eiji Nakano
1953年大分県生まれ、東京都出身。父は大井の元調教師という家庭で育ち、1971年に騎手デビュー。数多くの活躍馬に騎乗し、約20万人が詰めかけた1990年日本ダービーをアイネスフウジンで逃げ切り伝説を作る。1995年には調教師に転身。短距離G1を2勝したトロットスターなどを育て、日本競馬にその名を残した名ホースマン。