
騎手時代に約20万人が来場した90年ダービーをアイネスフウジンで逃げ切った中野栄治元調教師が、
独自の視点で重賞の好調教馬を導き出します!
【ヴィクトリアマイル】楽しい宴を経たレジェンド・中野栄治元調教師が狙う伏兵!
2025/5/17(土)
先週日曜 栗東CW(稍重) | ||||||
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83.0 | 67.2 | 51.6 | 36.3 | 11.1 | 仕掛け |
先週は久々に東京競馬場に足を運んだんだ。やっぱり東京のG1は盛り上がるね!
活気が違うというか、長い直線での攻防を目の前で見ると迫力がある。まだ東京のG1は始まったばかり。ファンの皆様もぜひ足を運んで応援してほしいな。
なんで先週東京競馬場に行ったかって、これには理由があるんだ。以前管理していたマイネルクリソーラがメトロポリタンSに出走するから、応援しに行く意味もあったんだよ。
管理していた時の話。ある日、マイネルクリソーラ宛で厩舎に女性ファンからラブレターが届いたことがあってね(笑)。その縁でそのご夫婦と親交が深まって、日曜日は一緒に応援していたんだ。
クリソーラがメトロポリタンSを勝ってくれたから彼女も凄く喜んでいたし、僕も嬉しかったね。夜は府中でご夫婦とごはんに行って、これまた楽しい宴になったよ。
クリソーラにもらった勢いのまま今週のヴィクトリアマイルを考えていこうか。ナンバーワンはアルジーヌだ。
この中間は日曜にCWでビシッと追って、水曜は坂路で流す過程。メリハリが利いていて、動きはシッカリしていたね。前走は12kg増でいかにも次を見据えた仕上げであの着差。上積みは大きいと思うし、勢いを感じるよね。
2番手はステレンボッシュ。前走の大敗で評価が割れているようだけれど、この馬に内回りは忙しかったようだ。中間の動きを見る限りダメージは無いようだし、シッカリ反応していた。広いコースで見直したい1頭だよ。
重賞を勝った勢いを感じたのがサフィラ。前走は条件馬の身で重賞初勝利。これも血統なんだろうね。凄くリズミカルな走りで集中して走っていたので、精神面でも充実している印象を受けたな。
最後にシランケド。牝馬としては大型だけれど、追い切りでもその体を持て余すことないダイナミックな走りが印象的だったね。鞍上もこの馬は手放したくないようだし、G1でも勝ち負けになっていい素材だと思うよ。

メイショウカシワデ
ワンペースな馬だよね。なるべく先行したいところなんだろうけれど、内枠だとそうもいかない。ここ最近は内枠ばかり当たって自分の形に持ち込めないレースもあった。外目の枠に変わった今回は前進を期待したいね。
プロフィール
【中野 栄治】Eiji Nakano
1953年大分県生まれ、東京都出身。父は大井の元調教師という家庭で育ち、1971年に騎手デビュー。数多くの活躍馬に騎乗し、約20万人が詰めかけた1990年日本ダービーをアイネスフウジンで逃げ切り伝説を作る。1995年には調教師に転身。短距離G1を2勝したトロットスターなどを育て、日本競馬にその名を残した名ホースマン。