クロワデュノール      
1週前 栗東CW(良)
82.2 66.9 51.2 35.9 11.1 仕掛け

いよいよ日本ダービー。ワクワクしちゃうね。僕もダービージョッキーだからさ(笑)、ダービーの思い出はもう語りつくせないくらいあるんだ。

昔話が長くなりそうだから、先にダービーのナンバーワンから紹介しておこう。今年のナンバーワンはクロワデュノール。人気を背負う立場だけれど、一番強いと思うよ。

皐月賞の時は2番手評価だったんだ。理由はまだ仕上がり切っていないように見えたから。皐月賞で休み明けを叩かれてから1~2段は上がっている感じだね。

調教でも緊張感がなくユッタリとしていて凄く伸び伸び走れていたのが良かった。上積みが大きいし、今度は万全。ゴチャついた皐月賞でも負けて強しの競馬だった。今回は楽しみだよ。

さて、ちょっとダービーの昔話をしようか。昔の話だろうって?いやいや、今年のダービーに繋がる話でもあるかもしれないよ、シランケド(笑)

"ダービーからダービーへ"とはよく言われているけれど、この世界にいると1年が経つのは早いものだ。もう100歳くらいになった気分だよ(笑)

ダービーと言えばやはりアイネスフウジン。なにしろ私を男にしてくれた馬だから思い入れは深い。当時の入場者数、19万6517人は未だに歴代最多なんだってね。今は入場規制もあるから仕方がないけれど、そんな大観衆の中でも緊張は無かったし、絶対に勝つと決めて乗っていたんだ。

なぜ緊張しなかったか。それは前日に同じ芝2400mのオープン特別でローゼンリッターという馬に乗っていて、そこで色々試せたのが大きかったんだよね。

まずは馬場。あの週は内の5頭分くらいは悪くなっていたので、ローゼンリッターでそれが確認できた。そして、これが一番重要だったんだけれど、"返し馬から集合合図が掛かるまでの時間が計れた"のが良かったんだ。

今だから言えるけれど、実はアイネスフウジンという馬はキャンターができない馬だったんだ。キャンターの返し馬をやると引っ掛かってしまう馬でね。

今は3、4コーナーどちらにも待機所があるけれど、以前は3コーナーにしかなくてね。そこからスタート地点に移動しないといけなかったんだ。

待機所には時計があって、歩いて集合場所にどれくらいで着くか、前日のローゼンリッターで"試し歩き"をしたんだよ。集合8分前に出たところ、スタート地点の到着が予定の集合時間より3分早かったんだよね。

なので、アイネスの場合は逆算して、集合時間5分前に3コーナーを出て、歩いて集合場所に向かったんだ。これがドンピシャ。集合時間ちょうどに着いて、アイネスフウジンはいい精神状態でゲートに入ることができた。

そういう意味ではローゼンリッターに感謝だね。色々な準備ができたわけだから。あとはレースでどう乗るかだけだったなぁ。

こういう感じで、ダービーはそれまでの準備が特にモノを言うレース。ダービーだけでなく、それまでの芝レースにおける各ジョッキーの動きを見ていると、ダービーをより楽しめるんじゃないかな。

今思い返せば、あのアイネスフウジンのダービーは皐月賞の教訓もあったな。やはりアイネスはスピードとスタミナが長所。道中は1F12秒台で行くつもりだったんだ。ただゲートが開いたらスッと出なかったんだよね。皐月賞でスタート後の不利がトラウマになっていたのかな。

それで前半はゴチャつくかなと思ったけれど、最初のコーナーでスーッと先頭に立てちゃってね。あの時はシメシメと思ったよ(笑)

向正面で馬場のいい外を回りながら、後ろを6馬身くらいは離していたかな。そこで控えたくなるものだけれど、武豊君のハクタイセイと、郷原(洋行)さんのカムイフジがすぐ後ろにきてね。

そしたらアイネスがグッとハミを取ってくれたんだ。今思うと、あそこでペースダウンして控えていたら、メジロライアンには更に差を縮められていたかもしれない。

いずれにしても、ずっと乗せ続けてくれた加藤修甫先生には感謝しかないな。今の時代なら弥生賞4着と負けた時点でクビになっていただろう。無事に調教師生活を送れたのも先生のおがげだと思っているよ。


昔話が長くなっちゃったな。今年のダービーの次点以下の話もしておこうか。次点はジョバンニ。皐月賞後も順調に来ている様子で、むしろ体は締まった感じがしたね。その影響か追い切りの走りも弾んでいたし、いい仕上がりだよ。

皐月賞馬ミュージアムマイルもいいね。ガッチリとした馬体で距離に課題はあると思うけれど、凄く集中していて迫力のある動きだったね。

最後にマスカレードボール。中山コースに懸念もあった皐月賞でアワヤの脚を使っていたよね。精神面の問題が大事なタイプということかな。そのあたりをケアしながらの調整だった前走とは違って、この中間は負荷をかけられたのは大きい。動きも実に力強かったし、今の精神状態で東京ならかなり面白いと思うな。


京都10R 安土城S
クランフォード      

先週はテイエムスパーダを推奨したんだけれど、見事勝ってくれた。この勢いで狙うのが京都10Rのクランフォード。京都は馬場が荒れて外有利になっているけれど、ジョッキーもそれは分かっている。ハナを切って内を開けて回れれば残り目もあって良さそうだよ。