騎手時代に約20万人が来場した90年ダービーをアイネスフウジンで逃げ切った中野栄治元調教師が、
独自の視点で重賞の好調教馬を導き出します!
【菊花賞】三冠最終戦を当てて勝利の蕎麦を食べる!レジェンドのS評価馬は…
2025/10/25(土)
| 一週前 栗東ウッド(稍重) | ||||||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 79.6 | 65.1 | 50.9 | 36.1 | 11.4 | 一杯 | |
先週は府中の話をしたので、今週は府中の隣にある調布の話をしようかな。京王線沿線ツアーじゃないよ(笑)
先日、テレビで調布にある深大寺(じんだいじ)が特集されていたのを見たんだ。懐かしいなぁ、なんて思いながら見ていたら、今は若者が集まって原宿のようになっているんだってね。以前に通っていた場所なので嬉しいよ。
なんでわざわざ調布の深大寺まで通っていたかって、有名な蕎麦屋があったんだ。"雀のお宿"っていう名前でね。
もちろん蕎麦が目当てなんだけれど、ほんの少しだけもう一つ目的があったんだ。当時あのお店には、1970年代に国民的アイドルとして一世を風靡した天地真理さんに似ている女性が働いていて、いわゆる看板娘として人気があったんだよ。
大事なことだからもう一度言うけれど、一番の目的は美味しいお蕎麦だからね(笑)。もちろん何かあったわけでもなく、これも懐かしい思い出の一つさ。
まあ僕のことはさておき、風情のある場所だし、興味のある方は年齢を問わず一度調布の深大寺に行ってみてほしいな。
お蕎麦の話をしていたら食べたくなってきたけれど、その前に今週の牡馬三冠最終戦・菊花賞の話をしないとね。
やはりダービー上位組は素直に評価しなければいけないと思うが、それを抜きにしてもナンバーワンはショウヘイだ。
前走の神戸新聞杯。負けはしたものの本番に向けてはイイ準備ができたと思っているんだ。ここ2週の追い切りを見ていても、道中は凄くリラックスして走っていた。
終いも頭を低くしてフットワークもシッカリしていたね。ひ弱さも抜けた感じで、かなり成長していると思う。ここでしっかり走ってもらって、払戻金で気分良く蕎麦を食べに行きたいものだね。
ジョバンニも神戸新聞杯を使ってかなり良くなっていると思う。最近のレースではフワッとするところがあって反応が鈍かったんだ。
ただ松山騎手が跨った1週前追い切りではリズム良く走っていて、反応も良かった。松山騎手が手放さなかった馬だし、最後の一冠には期するものがあるだろうな。
エリキングは神戸新聞杯で完全復活したね。骨折がなければ春の二冠でも上位争いしていたはずだし、まだ余裕残しの造りで勝ち切るんだからやはり力がある。
その前走から予定通りに来ているようで、今週の追い切りも明らかに上積みを感じる力強い動きだった。上位評価でいいんじゃないかな。
最後にマイユニバース。まだ2勝クラスを勝ち上がったばかりだけれど、その前走が破格の強さだった馬。奥手のタイプらしく、勝った後も更に逞しくなった印象がある。
武豊騎手が跨った1週前も弾むような走りで状態はかなり良さそうだ。長距離はジョッキーの腕も問われるし、ここでも侮れない存在だと思う。
タイトニット
逃げ先行馬が多いメンバーだね。先行争いが激化してハイペースになるんじゃないかな。狙いはタイトニット。前走はいかにも休み明けといった感じの内容だったし、今回は変わってくるんじゃないかな。
プロフィール

【中野 栄治】Eiji Nakano
1953年大分県生まれ、東京都出身。父は大井の元調教師という家庭で育ち、1971年に騎手デビュー。数多くの活躍馬に騎乗し、約20万人が詰めかけた1990年日本ダービーをアイネスフウジンで逃げ切り伝説を作る。1995年には調教師に転身。短距離G1を2勝したトロットスターなどを育て、日本競馬にその名を残した名ホースマン。




