水上学の血統トレジャーハンティング

日曜東京10R 日本ダービー(G1)(芝2400m)

◎$本命馬&お宝馬
⑩ベストアプローチ
(牡3、栗東・藤原英厩舎、岩田騎手)
競馬史に珍しい大混戦ダービー。それでいてメンバーレベルも高い。春前半に言われていた牡馬低レベル論を嘲笑うかのような、素晴らしいダービーが期待できる。

牡馬がレベルアップしてきた要因は、新興勢力の台頭だ。アルアインも、アドミラブルも、ダイワキャグニーも、2歳から重賞戦線で勝ち負けしていた馬(出走していた馬)ではなかった。ダービー馬候補も、春後半から力を増してきた馬から選ぶ。狙うは⑩ベストアプローチだ。

前走の青葉賞。高速馬場への対応は厳しいかと考え、△しか印を回していなかった。2着には少なからず驚いたものだ。確かにアドミラブルには切られたが、上がりの脚は0秒1しか違わず、追い出しの位置取りの問題が大きかった。さらに追いつけない差と見てラストは流していたこともあり、アドミラブルとの差は見かけよりはずっと小さいはずだし、アドミラブルより消耗も少なかったと考える。
血統は、オークスを制したソウルスターリングと同じガリレオ直系のニューアプローチ。そして母方は異色のハイペリオン系の生き残りエフィシオ。欧州で1200から2400まで幅広い欧州G1馬を出して成功している種牡馬だ。さらにその父系は南米でも成功している。今の日本競馬においてはかなりの異端の配合で、スピードスタミナ共に高品質。東京2400でレースレベルが上がると、母がヨーロッパ血統であることが望ましいのだが、これにも該当する。

「青葉賞からダービー馬なし」の歴史を変えるのは、アドミラブルではなくて青葉の影に隠れたこちらではないか。キツいローテーションを乗り越える必要はあるが、この逞しい血統ならと期待する。こうした異端児が世代頂点に立つシーンを見てみたい。

上位評価は⑤クリンチャー⑱アドミラブル①ダンビュライト。押さえで⑥サトノアーサー、以下個人的にはアタマなしで⑦アルアイン⑫レイデオロ④スワーヴリチャード⑪ペルシアンナイト⑮ダイワキャグニー。今年のダービーは波乱とみた。