「血統分析」に心血を注ぐこと数十年。東大卒の頭脳と豊富な経験によって完成した独自の理論から導いた自信の『本命馬』と、一発逆転の可能性を秘めた『お宝馬』を披露する。
直近の血統激走馬
- 12月15日 京都11R 朝日杯FS(G1)
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本命馬◎ミュージアムマイル(2人気) 2着
見事にハマった「連軸推し」!
- 12月7日 中京11R 中日新聞杯(G3)
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本命馬◎ロードデルレイ(1人気) 2着
馬券のチャンスを見逃さない!
【関屋記念】1対その他
2017/8/8(火)
★土曜新潟11R 越後S ◎本命馬 ドリームドルチェ 7番人気 3着 もっと人気になると思っていたが、7番人気と中穴となり、お宝馬としての役割も十分に果たしてくれた。ここを目標としていた気配がアリアリだっただけに、連対できなかったのは残念だが、よく走っている。勝ち馬と0秒1差なら、後は展開の綾だ。
$お宝馬 センターピース 6番人気 15着 スタート後は好位に居たが、そこからズルズル下がってシンガリ負け。クラスを考えるとそこまで前半が激流だったわけではなく、また4角からの下がり方があまりにも急激であり、何か異変が起きた可能性が高い。
★日曜小倉11R 小倉記念(G3)◎$本命馬&お宝馬 フェルメッツァ 6人気 3着 インコースの好位を取って、そこからずっとズブさを見せて追いどおし。ただ飛ばせない分最後まで力が残っており、直線はバテずにジリジリ。前2頭には離されたものの、ベルーフを押さえこんだ。小回りオンリーであるが、今後もローカルコースのオープンやG3なら勝ち負けになる可能性はある。
【今週のポイント】
高速上がり、切れ味勝負の新潟外回りのマイル重賞、関屋記念が行われる。個人的には最も夏の盛りを思わせる重賞という印象を持っている。
今年は、何と言ってもマルターズアポジーの存在がポイントとなる。小倉大賞典(1800m)での逃げは、1600m通過時点1分32秒9というタイムだから、そのままマイルのここでも勝ち負けになっていいことに机上の計算ではなるのだが、今度は小倉と違って650mある直線の長さを意識しないわけにはいかないし、さらにこの馬にとっても久々のワンターンの競馬となるだけに、ペース配分もかなり難しいはずだ。
かといって、マルターズのスピードは他の陣営も周知だけに、後続にしてもあまり離されて逃げられたら不安を覚えるはずで、仕掛けのタイミングがこれまた難しい。2番手追走が目されるウインガニオン、マイネルハニーは同じオーナーズグループだけに、どちらが先に動くのか。ブラックムーンをはじめとする追い込み勢は自分の競馬に徹して、前を無いものと割り切るのか。つまりはマルターズ1頭を他の馬がどう意識するかが全てで、まさに騎手の腕の見せ所となりそうだ。
また傾向的には中京記念4着以下からの巻き返しが目立っており、さらに父サンデー系が近年、最低1頭は馬券になり続けている。その辺を踏まえつつも、最終的には展開読みが最も重要なファクターとなりそうな、今年の関屋記念である。
【次回の狙い馬】
土曜・新潟8R 5着 今回は休み明け。太目ではなかったが、厳しいペースを3角から押し上げていって最後は息切れした感じ。ただ、この厳しいペース先行で休み明けというのは最も息ができるパターン。次走はバッチリ変わるはず。引き続き新潟ダート1800mで。
日曜・小倉12R 5着 個人的に期待していた1頭。勝ったペスカネラを追走する形から早めに手が動き、外からスパイチャクラに被せられてさらに苦しくなり万事休すかと思わせたが、そこから差し返してきて小差の5着に盛り返してきた。被せてきたスパイチャクラが沈んでいるだけに価値は高い。反動は考慮する必要はあるが、夏場の牝馬、かつ3歳で斤量はまだ恵まれるだけに、次走も小倉芝1200mなら。
※なお次回ですが、火曜更新の当コラムでは札幌記念のポイントのみを更新し、前週推奨馬の回顧と次走狙い馬は、金曜更新となりますのでご了承ください。
プロフィール
水上 学 - Manabu Mizukami
1963年生まれ、東京大学卒業。 初めてレースを目にすることになった1971年の日本ダービーをキッカケに、競馬にノメリ込む。70年代後半から血統に興味を持ち、手製の血統表を作成。以後、試行錯誤を重ねつつ現在に至る。必然と偶然が折り重なる「血統」に魅了され、膨大なサンプルを解析。血統傾向を絶対評価と相対評価に体系化することで、より実践的な予想理論に昇華させている。多角的な観点から競馬を検証する鋭い分析力は、ファンのみならず関係者からも支持を受けており、現代競馬を語る上で欠くことのできない最重要人物である。ラジオ日本「競馬実況中継」メイン解説、雑誌「競馬の天才」など多媒体で活躍中。