水上学の血統トレジャーハンティング


★土曜東京11R 麦秋S ◎本命馬 トラスト 3番人気 12着 願ったりのレース展開、絶好の2番手で、鞍上も「気分よく走っていた」とのこと。それが直線で全く走る気を失くしてしまった。「ちょっとなんでか分からない」とのことだが、絞らなければいけないような状況ではなかったのに、12キロの馬体重減は、暑さがこたえた結果であるような印象が強い。パドックでも気合が乗っていなかった。

$お宝馬 チェイスダウン 6番人気 15着 好位からズルズル後退。直線は粘りが全く見られなかった。息が入らない流れになったことだけではなく、東京コースの長い直線で嫌気を差してしまったのかもしれない。あとは能力的にまだ試練が必要か。


★日曜東京11R 安田記念(G1)◎本命馬 サングレーザー 3番人気 5着 ポジションを徐々に上げて外目から好位へ。福永騎手はダービーと同じく積極策で臨んだ。ただ直線では前の馬と脚色が同じに。タメられなかったことで最後の爆発力が削がれてしまったが、これは仕方ない。G1を勝つには、もうワンランク必要ということか。高速にももちろん対応していたし、現状の力は出している。

$お宝馬 サトノアレス 7番人気 4着 スタートをアオってしまい、やむなく待機。直線は外を回らされることになったのが痛かった。直線は突き抜けそうな手応えで伸びてきたが、外は伸びない馬場で最後に脚が止まった。しかし勝ち馬と0秒2差なら仕方ない。スタートがまともなら、あそこまで外を回ることもなかっただろうし、この辺は競馬のうちだ。


【今週のポイント】
春のG1シリーズが終了、このあと宝塚記念は控えているが、クラス編成も新しくなり、2歳戦も始まったことで、秋までG1のない関東圏ではひと足早い夏競馬の気分となる。ただ、今週日曜の東京メイン、エプソムCは、近年ダークシャドウ、ダノンシャーク、ジェスタウェイ、エイシンヒカリ、サトノアラジンなど、その後国内外のG1で勝ち負けする馬を送り出してきた出世レースという様相が濃くなっている。今年のメンバーレベルも例年以上が見込まれ、秋以降のためにも重要な一戦となりそうだ。

エプソムCは基本的に4歳馬が優勢で、その辺も将来性への直結度を裏付けるものといえる。今年は4歳の登録は2頭しかないが、ダイワキャグニー、サトノアーサーと2頭共に将来性を嘱望される馬であり、傾向通りなら強力なラインだ。

ただ今年は、例年だと実績馬が揃う5,6歳が上がり馬となる。グリュイエール、サーブルオールあたりの勢いがある馬を、例年の同年齢馬と同じ扱いにできるかどうかは微妙なところ。加えて2年のブランクを経て復活する未完の大器スマートオーディンもいる。
これに古豪マイネルフロスト、マイネルミラノ、シャイニープリンスらが加わるわけで、年齢層の比較に悩むこととなりそうだ。

なお日曜の天気は微妙な予報。ここ3,4週の超高速馬場とは、いささか異なってくるかもしれない。


【次回の狙い馬】
※次回出走時については、レース当日の朝に配信されるメルマガにてお伝えしています。
土曜・阪神5R 5着 新馬戦。コーナーをうまく曲がれない、また直線で手前を何度も替えるなど、幼さが目立った。あと、母がエピセアロームということを考えると、距離適性に母の血を出すロードカナロア産駒なら、阪神の1600mはタフすぎた。
レース慣れが見込める次走は、距離短縮を条件に狙いたい。

日曜・東京3R 7着 速い流れでハナ争い、宥めるのが大変そうな手応えで直線へ。さすがに最後は東京の長い直線で息切れしてしまったが、テンのスピードには見るべきものがあった。血統的にも明らかにスプリンターで、今回は距離が合わなかった。
次走、東京なら1400m、福島なら1150mへ振ってきたらアッサリ逃げ切りも。

水上学氏による最新著書は種牡馬辞典!amazonでのお求めはコチラ(※外部サイトに繋がります)