「血統分析」に心血を注ぐこと数十年。東大卒の頭脳と豊富な経験によって完成した独自の理論から導いた自信の『本命馬』と、一発逆転の可能性を秘めた『お宝馬』を披露する。
直近の血統激走馬
- 11月17日 京都11R マイルCS(G1)
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本命馬◎ソウルラッシュ(4人気) 1着
難解なメンバーで本命ズバリ!
- 11月16日 東京11R 東スポ杯2歳S(G2)
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本命馬◎クロワデュノール(1人気) 1着
2歳戦で血統ジャッジが光る!
【エプソムC】栄冠への胎動
2018/6/5(火)
★土曜東京11R 麦秋S ◎本命馬 トラスト 3番人気 12着 願ったりのレース展開、絶好の2番手で、鞍上も「気分よく走っていた」とのこと。それが直線で全く走る気を失くしてしまった。「ちょっとなんでか分からない」とのことだが、絞らなければいけないような状況ではなかったのに、12キロの馬体重減は、暑さがこたえた結果であるような印象が強い。パドックでも気合が乗っていなかった。
$お宝馬 チェイスダウン 6番人気 15着 好位からズルズル後退。直線は粘りが全く見られなかった。息が入らない流れになったことだけではなく、東京コースの長い直線で嫌気を差してしまったのかもしれない。あとは能力的にまだ試練が必要か。
★日曜東京11R 安田記念(G1)◎本命馬 サングレーザー 3番人気 5着 ポジションを徐々に上げて外目から好位へ。福永騎手はダービーと同じく積極策で臨んだ。ただ直線では前の馬と脚色が同じに。タメられなかったことで最後の爆発力が削がれてしまったが、これは仕方ない。G1を勝つには、もうワンランク必要ということか。高速にももちろん対応していたし、現状の力は出している。
$お宝馬 サトノアレス 7番人気 4着 スタートをアオってしまい、やむなく待機。直線は外を回らされることになったのが痛かった。直線は突き抜けそうな手応えで伸びてきたが、外は伸びない馬場で最後に脚が止まった。しかし勝ち馬と0秒2差なら仕方ない。スタートがまともなら、あそこまで外を回ることもなかっただろうし、この辺は競馬のうちだ。
【今週のポイント】
春のG1シリーズが終了、このあと宝塚記念は控えているが、クラス編成も新しくなり、2歳戦も始まったことで、秋までG1のない関東圏ではひと足早い夏競馬の気分となる。ただ、今週日曜の東京メイン、エプソムCは、近年ダークシャドウ、ダノンシャーク、ジェスタウェイ、エイシンヒカリ、サトノアラジンなど、その後国内外のG1で勝ち負けする馬を送り出してきた出世レースという様相が濃くなっている。今年のメンバーレベルも例年以上が見込まれ、秋以降のためにも重要な一戦となりそうだ。
エプソムCは基本的に4歳馬が優勢で、その辺も将来性への直結度を裏付けるものといえる。今年は4歳の登録は2頭しかないが、ダイワキャグニー、サトノアーサーと2頭共に将来性を嘱望される馬であり、傾向通りなら強力なラインだ。
ただ今年は、例年だと実績馬が揃う5,6歳が上がり馬となる。グリュイエール、サーブルオールあたりの勢いがある馬を、例年の同年齢馬と同じ扱いにできるかどうかは微妙なところ。加えて2年のブランクを経て復活する未完の大器スマートオーディンもいる。
これに古豪マイネルフロスト、マイネルミラノ、シャイニープリンスらが加わるわけで、年齢層の比較に悩むこととなりそうだ。
なお日曜の天気は微妙な予報。ここ3,4週の超高速馬場とは、いささか異なってくるかもしれない。
【次回の狙い馬】
※次回出走時については、レース当日の朝に配信されるメルマガにてお伝えしています。
土曜・阪神5R 5着 新馬戦。コーナーをうまく曲がれない、また直線で手前を何度も替えるなど、幼さが目立った。あと、母がエピセアロームということを考えると、距離適性に母の血を出すロードカナロア産駒なら、阪神の1600mはタフすぎた。
レース慣れが見込める次走は、距離短縮を条件に狙いたい。
日曜・東京3R 7着 速い流れでハナ争い、宥めるのが大変そうな手応えで直線へ。さすがに最後は東京の長い直線で息切れしてしまったが、テンのスピードには見るべきものがあった。血統的にも明らかにスプリンターで、今回は距離が合わなかった。
次走、東京なら1400m、福島なら1150mへ振ってきたらアッサリ逃げ切りも。
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プロフィール
水上 学 - Manabu Mizukami
1963年生まれ、東京大学卒業。 初めてレースを目にすることになった1971年の日本ダービーをキッカケに、競馬にノメリ込む。70年代後半から血統に興味を持ち、手製の血統表を作成。以後、試行錯誤を重ねつつ現在に至る。必然と偶然が折り重なる「血統」に魅了され、膨大なサンプルを解析。血統傾向を絶対評価と相対評価に体系化することで、より実践的な予想理論に昇華させている。多角的な観点から競馬を検証する鋭い分析力は、ファンのみならず関係者からも支持を受けており、現代競馬を語る上で欠くことのできない最重要人物である。ラジオ日本「競馬実況中継」メイン解説、雑誌「競馬の天才」など多媒体で活躍中。