「血統分析」に心血を注ぐこと数十年。東大卒の頭脳と豊富な経験によって完成した独自の理論から導いた自信の『本命馬』と、一発逆転の可能性を秘めた『お宝馬』を披露する。
直近の血統激走馬
- 11月24日 東京12R ジャパンカップ(G1)
-
本命馬◎ドウデュース(1人気) 1着
2週続けてG1突破!
- 11月17日 京都11R マイルCS(G1)
-
本命馬◎ソウルラッシュ(4人気) 1着
難解なメンバーで本命ズバリ!
【スプリングS】勝つか、権利か
2020/3/17(火)
【今週のポイント】
若葉Sが土曜に行われるので、今年はトライアルとしてはスプリングSが皐月賞出走への最終切符となる。3着までに優先出走権となるが、ヴェルトライゼンデとサクセッションは収得賞金ですでにクリアしており、普通ならここは前哨戦となるところ。ただ、クラブ馬の場合は、本番とトライアルの役割を分けているとしか思えない使い方が近年珍しくなく、本番よりトライアルを勝つことに全力を向ける馬も出てきている。
何はともあれ、モチベーションという意味では、ここで3着以内に入らないと出走がほぼ絶望となる収得賞金900万以下の馬たちが高いのは確か。このスプリングSでは特にその傾向が強い。2014年以降は、収得賞金を満たした馬が勝ったのはステルヴィオだけ。あとは900万以下が勝ち切っている。軸馬はこの組から採ってみたい。
また中山はここ2週道悪の競馬が続いた上に、Aコース4週目、しかも3日連続開催の最終日のメインの時間帯とあれば、良馬場でも時計はある程度要するはず。例年よりもパワーシフトの血統に注目するつもりだ。最終結論は土曜夜更新の血統トレジャーハンティングをチェックしていただきたい。
★土曜中山11R 中山牝馬S(G3) ◎本命馬&お宝馬 メイショウグロッケ 8番人気14着 前半は内目から好位を取れた。だが3角あたりから、寄られたり前を切られたりでバランスを崩してノメり出す。最後は戦意を失くした感じで流すだけ。内にいたことが仇になった感もあるが、それにしても走れておらず、やや不可解。何かあったか?
★日曜阪神11R フィリーズレビュー(G2) ◎本命馬 カリオストロ 1番人気4着 内から押してハナへ。テンの3Fは過去10年で最も速い33秒4、息が入らなかったのに、坂の途中までは差し返す態勢を見せていた。これはよく走っている。ひと息入れられたら、押し切っていただろう。残念。
$お宝馬 ソーユーフォリア 9番人気15着 終始速い流れに付いて行けず。力というかスピード不足だった。やはりマイル以上での馬だろう。反省。
【次回の狙い馬】
日曜 中山6R 4着 追い込み馬のワンツーになった中、息が入らないペースで飛ばすことを余儀なくされた割にはよく頑張っている。良馬場で普通の展開になれば、このクラスは押し切れる。できれば中山の内にもう1回使いたい。
日曜 阪神6R 3着 勝ち馬は後方一気、2着馬はマクリ上げてきた馬で、ペースと捲られたことで二重に苦しくなったが、それでも3着を我慢して取り切った。こちらも良馬場で流れが落ち着けば、アッサリのシーンもあるはず。同じダート1400mで。
プロフィール
水上 学 - Manabu Mizukami
1963年生まれ、東京大学卒業。 初めてレースを目にすることになった1971年の日本ダービーをキッカケに、競馬にノメリ込む。70年代後半から血統に興味を持ち、手製の血統表を作成。以後、試行錯誤を重ねつつ現在に至る。必然と偶然が折り重なる「血統」に魅了され、膨大なサンプルを解析。血統傾向を絶対評価と相対評価に体系化することで、より実践的な予想理論に昇華させている。多角的な観点から競馬を検証する鋭い分析力は、ファンのみならず関係者からも支持を受けており、現代競馬を語る上で欠くことのできない最重要人物である。ラジオ日本「競馬実況中継」メイン解説、雑誌「競馬の天才」など多媒体で活躍中。