「血統分析」に心血を注ぐこと数十年。東大卒の頭脳と豊富な経験によって完成した独自の理論から導いた自信の『本命馬』と、一発逆転の可能性を秘めた『お宝馬』を披露する。
直近の血統激走馬
- 12月15日 京都11R 朝日杯FS(G1)
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本命馬◎ミュージアムマイル(2人気) 2着
見事にハマった「連軸推し」!
- 12月7日 中京11R 中日新聞杯(G3)
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本命馬◎ロードデルレイ(1人気) 2着
馬券のチャンスを見逃さない!
【新潟2歳S】暑さに耐えて秋を望む
2020/8/25(火)
【今週のポイント】
札幌の日曜メイン、キーンランドカップは、私にはどうにも堅そうなレースに思え、お宝馬の選びようがないように感じられてならない。今週は敢えて新潟2歳ステークスを狙ってみたい。
2013年のハープスターを最後に、クラシックでの連対馬は上位から出ておらず、早熟度とコース適性を占うレースとなっている。また前走で未勝利戦、新馬戦を勝ってきた馬以外はまず連対できないといっていい。なお前走1400m、1600m、どちらを使ってきても問題なし。
今年は天候が悪い日が多かったこと、直線向かい風の日が多かったこともあり、例年以上に上がりが掛かるレースを勝ってきた馬が多い。これらの中から、実は高速上がり対応の方がより合っている……という馬を探す必要がある。血統からの適性でそこを判断し、盲点をうまく突く予想ができればと考えている。
★土曜新潟11R 日本海ステークス ◎本命馬 アストラサンタン 9番人気15着 なんと2ハロン目と3ハロン目に10秒8が刻まれる、2200m戦としては相当なハイペースで流れてしまい、そこへ2,3番手で乗り入れてしまった。前に行った馬は大半が総崩れとなり、後方にいた馬を呼び込む結果に。この展開は全く想定できなかった。ただ、いつももう少し控えていく馬だけに、普段通りの騎乗ならもう少し前には来ていただろう。
$お宝馬 エストスペリオル 12番人気5着 こちらは後方から、3角過ぎに動いてそのまま足を長く使った。鋭い脚は使えないのでこの戦法は正解。次走はもっと距離を延ばす手もある。
★日曜札幌11R 札幌記念(G2) ◎本命馬 ラッキーライラック 1番人気3着 終始2番手、ただ3角過ぎの手応えは決して良くなかった。直線はいったん先頭も、ノームコアの差しには無抵抗、最後はペルシアンナイトにも差し込まれての完敗。時計だけ速く、動きのスムーズさに欠けるという追い切り判断の声も一部には出ていたが、それが的中したのかもしれない。前に行くと良さがないといっても、これくらい楽なレースなら前哨戦でも2着は確保しないとダメだ。
$お宝馬 イェッツト 10番人気5着 開き直ってシンガリから。インへ潜り込むことを最初から意図しての策だったようだ。直線は狭いところを捌いてよく伸び、上がり最速タイ。もう少しで4着はあった。収穫は大だったが、中団あたりから運んでも弾けるだけのスタミナはあったはずで、決め打ちの追い込みが少し勿体無かった感も。今回のような競馬だと、自己条件でも取りこぼす恐れが出てくる。
【次回の狙い馬】
土曜 新潟11R 4着 前述の通り、超ハイラップが序盤に刻まれたことで前が総崩れになったのだが、唯一粘ったのがこの馬だった。もともと良血で期待されていたが、煮え切れない走りを続けて出世が遅れている。しかし今回を見るに、やはり秘めたポテンシャルはかなりのものだ。自分のスタイルに馬を合わせるのではなくて、ペースを見て馬に合わせるタイプの鞍上なら、オープン入りはすぐだろう。
日曜 小倉5R 6着 新馬戦。逃げられたが、終始つつかれて、デビュー戦にして1800mで全く息が入れられなかったのはかなりツラかったはず。それでもゴール前まで2番手を粘り、力尽きたのはゴール寸前だった。この経験は次走に活きるはず。次走も同じ1800mか、あるいは距離を2000mあたりに延ばしてペースが楽になる方が、粘り込める可能性は高くなるかもしれない。
プロフィール
水上 学 - Manabu Mizukami
1963年生まれ、東京大学卒業。 初めてレースを目にすることになった1971年の日本ダービーをキッカケに、競馬にノメリ込む。70年代後半から血統に興味を持ち、手製の血統表を作成。以後、試行錯誤を重ねつつ現在に至る。必然と偶然が折り重なる「血統」に魅了され、膨大なサンプルを解析。血統傾向を絶対評価と相対評価に体系化することで、より実践的な予想理論に昇華させている。多角的な観点から競馬を検証する鋭い分析力は、ファンのみならず関係者からも支持を受けており、現代競馬を語る上で欠くことのできない最重要人物である。ラジオ日本「競馬実況中継」メイン解説、雑誌「競馬の天才」など多媒体で活躍中。