15日(金)の話である。沖縄・宜野座で行われている我らが阪神タイガースの春季キャンプで、新外国人のジェフリー・マルテ内野手がフリー打撃を行い、58スイングで柵越え20発をマークした。しかもライト方向へ8本、レフト方向へ10本とまんべんなく打ち分ける内容で、期待は高まる。

昨年鳴り物入りで入団したウィリン・ロサリオ内野手がキャンプでホームランを放つ度に阪神ファンは「優勝や!」と騒いでいたことを考えると、今年は少々盛り上がりに欠ける。さすがに昨年のロサリオ内野手の成績から阪神ファンがいつも以上に慎重になっている気配はある。歓喜の刻を告げるはずだった渡来の勇者に代わり入団したマルテ内野手が、力の限りプレーしてくれることを心から祈りたい。

プロ野球チームの新外国人について2日連続で取り上げた競馬コラムは初めてだろう。サッカー好きの競馬ファンの読者の皆様を始め、「なぜ毎回阪神ネタなのか」と思う方も多いと思うが、週末のコラムでしか取り上げる機会がないだけに、お許しいただきたいところだ。


さて、日曜の中央競馬の話に移ろう。日曜は今年初めての中央G1である東京11R・フェブラリーSが行われる。レースのポイントや有力馬の評価は、YouTubeで公開している予想動画「うま馬データMOVIE」(最終回)でも紹介しており、ぜひ参考にしていただきたい。

フェブラリーSの予想動画は⇒


まずは展開を読む。

ハナを切る可能性が高いと思われているのはインティ。6連勝の内の4勝は逃げ切りによるものだが、テン自体はそこまで速いわけではない。自身より内によりテンの脚があるサクセスエナジーがいること、自身が初の芝スタート、初ワンターンであることを考えれば、サクセスを行かせて2番手は十分考えられる。外に先行馬ノボバカラがいるが、この馬は昨年もフェブラリーSで外枠を引き、4番手に控えている。距離がやや長いことを踏まえ、無理につっかけない可能性は十分。

ここ4年のフェブラリーSはペースが速くなりやすく、テン3Fは15年34.3、16年34.1、17年34.0、18年34.1と速いペースが続いている。ここ最近以前より距離延長馬の好走が目立つのはペースが速くなり追走力が問われているからなのだが、この枠の並びならここ4年ほどペースが速くはならず、距離短縮馬でも好走が可能な流れになりそうだ

仮に前半3Fがここ4年より遅い、34秒台後半だとしよう。過去10年のフェブラリーSで前半3F34.5~34.9だった年は、10年エスポワールシチー、12年テスタマッタ、13年グレープブランデーの3回。3着以内馬の父、母父を見ると、ブライアンズタイム、シンボリクリスエス、プレザントタップ、マンハッタンカフェといった、スタミナを要するレースで強い種牡馬の名前が並ぶ。追走に手間取ることなく持ち味を発揮できることで、スタミナ血統が幅を利かせている年が多い


土曜の東京ダートを見ていると、開幕週のダートに近い印象を受ける。ある程度前が止まらず、ロスなく運ぶ差し馬は届くが外を回す追い込みは届かない馬場。以上のことを勘案し◎サンライズソア。チャンピオンズCからの距離短縮だけにあまりにペースが速くなると足りない可能性は出てくるが、前半3F34秒半ば~35秒前半であれば楽に追走可能。むしろ集中力に欠けるタイプであり、距離短縮はプラス。

元々怖がりで揉まれると厳しい馬なのだが、引いた枠は6枠10番と外枠。ダートの外枠で大崩れしたのはいずれも一周コースであるように、半周コースであれば外枠は大きなプラスとなる。

同じシンボリクリスエス産駒からサクセスブロッケンが出ていることに加え、母アメーリアはスペシャルウィーク×ホワイトマズルと非常にスタミナある組み合わせ。スピードとスタミナ血統を併せ持つ馬はこのレースで好走しやすい。ある程度のポジションで揉まれず運べれば今回もチャンスはある。

人気馬で信頼したいのは左回りの半周コースで安定して力を発揮するゴールドドリーム。穴馬からはモーニンを挙げたい。前走の根岸Sは2、3着馬が内から差し込む中、外を回って4着。ヘニーヒューズ産駒の上級馬はヘニーハウンドやケイアイレオーネのように一度スランプに近い状態に陥り、そこから歳を重ねて再度復活するパターンがある。モーニンも同様のパターンでレース振りが安定し始めており、ここもマークは外せない。根岸Sで内を突く新境地を開いたクインズサターンも気になる1頭だ。

インティは初の芝スタート、初のマイル、初の東京、内枠と課題は多い。東海Sのラップ構成からかなりの能力を感じるだけに消しとは言わないが、初めての要素も多く、評価は控えめ。コパノキッキングはピッチ走法で確かにマイルは長そう。ただレースにバリエーションが増えている。人気ほどの信頼感はなく重視はできないものの、消しにもできない。

フェブラリーS
◎サンライズソア
〇ゴールドドリーム
▲モーニン
☆クインズサターン
△インティ
△サンライズノヴァ
△コパノキッキング
△ノンコノユメ


小倉11R・小倉大賞典が行われる小倉芝は先週ほど重くなく内の状態も悪くないとはいえ、キングマンボの血を持つ馬が多く来ているように、未だパワーが必要な馬場状態。小倉大賞典自体内枠の馬が有利になりやすく、内枠のパワーある馬を狙いたいところ。

先行馬が揃ったメンバーで絶好の2番枠を引いた◎エアアンセムは展開にも恵まれそうだ。前走の中山金杯はレースにならなかったこと、アイドリームドアドリームの一族が冬の芝に強いことは、【今週のコメント特注馬】前走は出遅れて直線も追えず…小倉大賞典で逆襲へにて取り上げている。

加えてこの馬、内枠が上手い。本格化し始めた5歳以降、馬番6番以内では(2.2.3.4)。勝った函館記念は6番枠、3着だった福島記念は1番枠。そういえば2歳時、勝ったホープフルSは2番枠であった。器用さはこの一族に共通するもので、1800mも守備範囲内。それなりの位置で脚を溜めて直線うまく捌きたい。

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京都11R・大和Sが行われる京都ダートだが、今の馬場は前が残りやすい。改めて大和Sのメンバー構成を見ると、ほどよく先行馬が多い。特に外枠に先行馬が揃った。並び的に超ハイペースということはないだろうが、ある程度流れれば決して差し馬が届かないことはなさそうだ。

ヤマニンアンプリメに期待したい。前走の根岸Sはダート1400m。1400も守備範囲ではあるが、本来最も末脚がハマるのはこれまで3勝を挙げている1200m。しかも根岸Sは馬場が乾き、前述したように内を走る馬が有利の展開に。2、3着は内を通った馬であった。しかも道中は砂を被らせないよう外に出そうにもコパノキッキングが壁になり出せず、ようやく進路が開いたかと思えば挟まれて進路を無くし、更に外に切り替えるロスがあった。勝ち馬から1.0秒離された7着は仕方ないところ。

砂を被らなくて済む外枠で強い馬で、半周ダートの7~8枠に入った時は(1.1.1.0)という成績を残している。昨年の大和Sこそ7着だったが、勝ったナンチンノンは逃げ切り、2着のコウエイエンブレムは2番手追走と、差し込みにくい展開であった。もう少しペースが流れれば出番があってもいいだろう。


その他からは合計2レース挙げておく。


東京9R・ヒヤシンスSは好メンバーが揃った。ただこのレースは別定。人気が予想されるデルマルーヴルは1頭だけ57キロを背負う。他に人気が予想されるオーヴァルエースはいい馬だが、中間ザ石で順調さを欠くところがあり、全面的に信頼しきれない。

マスターフェンサーは最内枠とあまりいい枠を引けなかったが、素質はここでも十分通用する。2走前に阪神ダート1800mで未勝利を制した際の勝ち時計は1.51.1。稍重でこの時計はそう出せるものではない。

今回は初のワンターン、初のマイルと課題は多いものの、母セクシーザムライは現役時代1000mでも勝ち鞍があるスピード馬で、兄のエポックも距離短縮時は(1.3.0.3)と悪くない。この頭数なら極端に揉まれることはなさそう。互角にゲートを切っていいポジションを取りたいところだ。



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