競馬YouTuberとして一躍名を挙げ、各媒体に引っ張りだこの佐藤ワタルが、地方&海外レースを展望。若くして人並み外れた知識量、分析力を披露する。
【中山牝馬S・結論】前走負けて強し!巻き返し狙う◎!
2019/3/8(金)
意外なほど阪神タイガースファンの多い競馬業界。先日同業の友人と「今年の阪神は今のところ先に向けて期待できる要素がほとんどない」という話で盛り上がったが、先週日曜の対ソフトバンク・ホークス戦では、1回表に大山悠輔選手のホームランで先制するも、その裏、満塁ホームランを打たれて逆転負け。一喜一憂とはこのことである。某一口クラブの担当者さんも大の阪神ファンだが、「俺の中で今日は1回表までしか試合はなかったから」と言い残し、悲しそうな顔で中山競馬場を去っていった。
今日の楽天イーグルス戦も1回裏に3失点、2回裏に2失点。先発の望月惇志投手は4回7失点でKOされてしまった。球は速いのだが……。打線も楽天投手陣の前に4安打1得点。これでオープン戦開幕から5戦5敗の最下位で、12球団唯一勝ち星がない。 いくら弱いとはいえ、例年オープン戦では少しばかり何か楽しみを得られるはずだが、ここまでは実家の猫並みにおとなしい。オープン戦の結果に一喜一憂してはいけないことを頭で分かりつつ、虎というチーム名を変える時期が来たのかもしれない。
オープン戦の阪神の低調ぶりに頭痛がしてくるものの、当コラムも阪神状態になってはシャレにならない。こちらは堅実に実績を積み重ねていきたいところだ。
中山11R・中山牝馬Sが行われる中山芝は先週日曜、大雨によりだいぶ緩んでいた。週中にも雨が降り、金曜は晴れたとはいえまだ緩さ残る、パワーが必要な馬場だろう。そうなればダート血統であったり、欧州系スタミナ血統が幅を利かせるのだが、もう一つ注目の血統がある。母父サンデーサイレンスだ。
これまで中山牝馬Sでは(4.3.6.30)、複勝回収率は実に157%に達する。3年前に15番人気で穴を開けたメイショウスザンナも母父サンデー。昨年も2、3着馬が母父サンデーだった。末脚がしっかりしており、直仔よりパワーのある馬が多いことから、直線に坂があり、馬場が重くなりやすいこの時期の重賞とマッチするのだろう。
今年、母父サンデーサイレンスは2頭。その中から今年は◎フロンテアクイーンでいきたい。母父サンデーという理由だけではなく、注目したいのは前走のターコイズS。ラップを記すと、
12.3-10.8-11.1-11.3-11.5-11.8-11.7-12.2
赤字で示した部分の400m通過地点から1000m通過地点までの合計33.9は、過去10年、オープン時代も含め、ターコイズSのこの地点では最速タイムだった。この部分のペースが流れたことにより先行馬は苦しくなり、4コーナー15番手のデンコウアンジュまで届いた。そんなレースでフロンテアクイーンは2番手を追走。結果4着だったが、負けて強しどころか一番強い競馬をしている。
今回は脚を溜めて競馬するとのこと。先行馬も揃い、前走と違って展開も向いてくるだろう。父メイショウサムソンは欧州の至宝サドラーズウェルズ系。前傾ラップでも過去に紫苑Sや福島牝馬Sで好走歴があるように、持続力を必要とするレースでも問題はない。
欧州系スタミナ血統とダート血統を併せ持つノームコア、ウラヌスチャームなどもぜひ買っておきたい馬である。
中山牝馬Sの予想印はコチラで公開⇒
阪神11R・ポラリスSは別定戦になって今年で4年目。過去3年の勝ち馬の4コーナーの位置取りを見ると、1番手、4番手、2番手と実に前に行ったもの勝ちのような状況が続いている。そりゃあダートの短距離戦なのだから前有利だろうと思われがちだが、それ以前に4コーナー2番手以内で勝ったのは2010年ケイアイガーベラまで遡る。別定戦になって以降前が残りやすいレースになってきた。のかもしれない。
そんなことを頭に入れつつ出走馬を見ると、なんと先行馬の少ないことか。近2走でハナを切った馬は5頭。タイセイエクレールやヴェンジェンスが2走前に逃げているが、どちらも普段は逃げ馬ではない。展開利が見込めそうなルグランフリソンも休み明けと不安が残る。メイショウヒサカタは前走1着から3.3秒差ではさすがに食指が伸びない。ということで残った◎スズカコーズラインを狙ってみる。
前走はゲートの中で横を向いている時に前扉が開いて出遅れ。まったくの参考外と言っていい。父が外枠向きのストームキャット系スズカコーズウェイということもあり、この馬もダートの外枠で堅実。1200mのイメージが強い馬だが、1400mはさりげなく2戦2勝。持ち時計を詰めることができればチャンスはありそうだ。
その他のレースからは合計3レース取り上げる。
まずは中山8R・4歳上500万の◎ルーチェソラーレ。距離延長で臨んだ前走は現地の地下馬道から見ていたが、テンションも高くこれでレースは大丈夫か?と思える状態であった。結果6着に敗れ、騎乗していた大野騎手も「短いレース間隔で使うのは初めてでしたし、今日はレースまでに燃えてしまいましたね」と語っていた。
今回も間隔自体は詰まっているものの、距離短縮は大きい。母サウスティーダは非常にスピードのある馬で、キャリア29戦中24戦でハナを切るほど豊富なスピードを武器としていた。娘も2、3走前を見る限りかなりのスピードを秘めている。特に2走前の中山ダート1200m戦は33.1-38.9と前半3Fが後半3Fより6秒近く速い超前傾戦で外枠、差し馬有利の展開の中、4番枠から先行して1着馬とクビ差に粘り込んでいる。大外枠を引いた今回はスピードの違いを活かすことができそうだ。
続いて阪神12R・4歳上1000万の◎スペクター。エンパイアメーカー産駒は気難しい馬が多く、この馬も例に漏れず難しい。同産駒らしくゲートが悪かったり、使い込むとバタっと負けたりと不発が多くなる。
今回は休み明けで後入れの偶数枠。これまで3ヶ月以上間隔を空けて使った時は2、3、1着とまったく崩れていないように休み明けは大歓迎。現級で好勝負を演じてきた馬の中には、上のクラスでも好走している馬もいるように、この馬自身1000万の牝馬限定戦では力上位の存在だ。
今日の楽天イーグルス戦も1回裏に3失点、2回裏に2失点。先発の望月惇志投手は4回7失点でKOされてしまった。球は速いのだが……。打線も楽天投手陣の前に4安打1得点。これでオープン戦開幕から5戦5敗の最下位で、12球団唯一勝ち星がない。 いくら弱いとはいえ、例年オープン戦では少しばかり何か楽しみを得られるはずだが、ここまでは実家の猫並みにおとなしい。オープン戦の結果に一喜一憂してはいけないことを頭で分かりつつ、虎というチーム名を変える時期が来たのかもしれない。
オープン戦の阪神の低調ぶりに頭痛がしてくるものの、当コラムも阪神状態になってはシャレにならない。こちらは堅実に実績を積み重ねていきたいところだ。
中山11R・中山牝馬Sが行われる中山芝は先週日曜、大雨によりだいぶ緩んでいた。週中にも雨が降り、金曜は晴れたとはいえまだ緩さ残る、パワーが必要な馬場だろう。そうなればダート血統であったり、欧州系スタミナ血統が幅を利かせるのだが、もう一つ注目の血統がある。母父サンデーサイレンスだ。
これまで中山牝馬Sでは(4.3.6.30)、複勝回収率は実に157%に達する。3年前に15番人気で穴を開けたメイショウスザンナも母父サンデー。昨年も2、3着馬が母父サンデーだった。末脚がしっかりしており、直仔よりパワーのある馬が多いことから、直線に坂があり、馬場が重くなりやすいこの時期の重賞とマッチするのだろう。
今年、母父サンデーサイレンスは2頭。その中から今年は◎フロンテアクイーンでいきたい。母父サンデーという理由だけではなく、注目したいのは前走のターコイズS。ラップを記すと、
12.3-10.8-11.1-11.3-11.5-11.8-11.7-12.2
赤字で示した部分の400m通過地点から1000m通過地点までの合計33.9は、過去10年、オープン時代も含め、ターコイズSのこの地点では最速タイムだった。この部分のペースが流れたことにより先行馬は苦しくなり、4コーナー15番手のデンコウアンジュまで届いた。そんなレースでフロンテアクイーンは2番手を追走。結果4着だったが、負けて強しどころか一番強い競馬をしている。
今回は脚を溜めて競馬するとのこと。先行馬も揃い、前走と違って展開も向いてくるだろう。父メイショウサムソンは欧州の至宝サドラーズウェルズ系。前傾ラップでも過去に紫苑Sや福島牝馬Sで好走歴があるように、持続力を必要とするレースでも問題はない。
欧州系スタミナ血統とダート血統を併せ持つノームコア、ウラヌスチャームなどもぜひ買っておきたい馬である。
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阪神11R・ポラリスSは別定戦になって今年で4年目。過去3年の勝ち馬の4コーナーの位置取りを見ると、1番手、4番手、2番手と実に前に行ったもの勝ちのような状況が続いている。そりゃあダートの短距離戦なのだから前有利だろうと思われがちだが、それ以前に4コーナー2番手以内で勝ったのは2010年ケイアイガーベラまで遡る。別定戦になって以降前が残りやすいレースになってきた。のかもしれない。
そんなことを頭に入れつつ出走馬を見ると、なんと先行馬の少ないことか。近2走でハナを切った馬は5頭。タイセイエクレールやヴェンジェンスが2走前に逃げているが、どちらも普段は逃げ馬ではない。展開利が見込めそうなルグランフリソンも休み明けと不安が残る。メイショウヒサカタは前走1着から3.3秒差ではさすがに食指が伸びない。ということで残った◎スズカコーズラインを狙ってみる。
前走はゲートの中で横を向いている時に前扉が開いて出遅れ。まったくの参考外と言っていい。父が外枠向きのストームキャット系スズカコーズウェイということもあり、この馬もダートの外枠で堅実。1200mのイメージが強い馬だが、1400mはさりげなく2戦2勝。持ち時計を詰めることができればチャンスはありそうだ。
その他のレースからは合計3レース取り上げる。
まずは中山8R・4歳上500万の◎ルーチェソラーレ。距離延長で臨んだ前走は現地の地下馬道から見ていたが、テンションも高くこれでレースは大丈夫か?と思える状態であった。結果6着に敗れ、騎乗していた大野騎手も「短いレース間隔で使うのは初めてでしたし、今日はレースまでに燃えてしまいましたね」と語っていた。
今回も間隔自体は詰まっているものの、距離短縮は大きい。母サウスティーダは非常にスピードのある馬で、キャリア29戦中24戦でハナを切るほど豊富なスピードを武器としていた。娘も2、3走前を見る限りかなりのスピードを秘めている。特に2走前の中山ダート1200m戦は33.1-38.9と前半3Fが後半3Fより6秒近く速い超前傾戦で外枠、差し馬有利の展開の中、4番枠から先行して1着馬とクビ差に粘り込んでいる。大外枠を引いた今回はスピードの違いを活かすことができそうだ。
続いて阪神12R・4歳上1000万の◎スペクター。エンパイアメーカー産駒は気難しい馬が多く、この馬も例に漏れず難しい。同産駒らしくゲートが悪かったり、使い込むとバタっと負けたりと不発が多くなる。
今回は休み明けで後入れの偶数枠。これまで3ヶ月以上間隔を空けて使った時は2、3、1着とまったく崩れていないように休み明けは大歓迎。現級で好勝負を演じてきた馬の中には、上のクラスでも好走している馬もいるように、この馬自身1000万の牝馬限定戦では力上位の存在だ。
中山1R・3歳未勝利の予想は
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プロフィール
佐藤ワタル - Wataru Sato
1990年山形県生まれ。アグネスフライトの日本ダービーを偶然テレビで観戦して以降、中学生、高校生、大学生と勉学に勤しむ時期を全て競馬に費やした競馬ライター。『365日競馬する』を目標に中央、地方、海外競馬の研究を重ねている。ジャンルを問わない知識は、一部関係者に『コンビニ』とまで評されている。早稲田大学競馬サークル『お馬の会』会長時代に学生競馬団体『うまカレ』を立ち上げたり、北海道の牧場などに足繁く通うなど、若手らしい行動力を武器に、今日も競馬を様々な角度から楽しみ尽くしている。現在はサラブレ、一口クラブ会報などでも執筆中。血統派で大の阪神ファン。甘党でもある。