
競馬YouTuberとして一躍名を挙げ、各媒体に引っ張りだこの佐藤ワタルが、地方&海外レースを展望。若くして人並み外れた知識量、分析力を披露する。
【帝王賞】軽い馬場の決戦はスピード重視!
2021/6/27(日)
出走馬&展望
◎チュウワウィザード世界の強豪集まるドバイワールドカップで2着。大敗したサウジカップはゲートを失敗したこと、サウジアラビアの砂が合わなかったことに尽きそう。昨年のチャンピオンズカップ勝ち馬でもあり、現在の日本ダートでトップクラスの実力を持つのは間違いない。右回りも上手く、帝王賞でも崩れていない。休み明けもこなせるとなれば上位評価だろう。
○オメガパフューム
大井2000mは(4.3.0.0)。パーフェクト連対記録継続中。ハイペースでもスローペースでも結果を出しているあたり、よほどこのコースが合うのだろう。昨年の東京大賞典もスローペースを強引に差し切った内容は優秀。右回りのほうがよりいいだけに、左回りの川崎から右回りの大井に変わって逆転を狙う。
▲クリンチャー
昨年春にダートに転向後、安定したレースぶりを見せている。馬券圏外に敗れた昨年の太秦Sは時計が速過ぎた。みやこS、佐賀記念、名古屋大賞典と、勝ったレースはダートの良馬場。2000mへの距離延長は歓迎も、湿ったダートだと昨年のように2、3着止まりである可能性は頭に入れておきたい。
☆マルシュロレーヌ
昨年夏にダートに転向すると、レディスプレリュードなど牝馬重賞を3勝した。前走の平安Sは牡馬相手に3着。休み明けで、2走前のエンプレス杯とは違う、流れの速いレースだったことを考えれば悪くない内容と言っていい。軽い馬場は合う馬で、スローペースになったら牡馬相手でも通用して良さそう。
△カジノフォンテン
今年の川崎記念、かしわ記念の勝ち馬。川崎の2100m、船橋の1600mとまるで違う条件で中央馬を倒すなど、完全に充実期に入っている。昨年の東京大賞典ではややスローペースを先行し2着に踏ん張った。ここもハイペースに巻き込まれず、マイペースで先行できれば崩れにくい。
△ミューチャリー
前走、同条件の大井記念を2着に6馬身差をつけて圧勝した。勝ちタイムの2.04.3は、昨年の帝王賞、クリソベリルの勝ちタイム2.05.3を1秒上回る。例年の帝王賞のタイムにも見劣らない。以前から右回りの大井2000mを得意としているだけに、この条件はベスト。昨年の東京大賞典でスローに泣いた借りを返したい。
△オーヴェルニュ
ここ5戦で4勝、負けたのはフェブラリーSだけという充実ぶり。前走の平安Sは58kgを背負いながら圧勝した。完勝だった1月の東海Sが不良馬場、前走の平安Sは重馬場。軽い馬場の時計勝負でより強いだけに、良馬場の体力勝負になると苦しそう。今の大井は雨がなくとも軽く、雨が降って更に軽ければ軽視できない。
△ダノンファラオ
ダイオライト記念以来の実戦となる。その前走は3番手から流れに乗って、直線で突き抜けた。安定した先行力は魅力。大井2000mでもジャパンダートダービーを勝っているようにコース適性はある。ただこのレースは道中ペースが流れて持久戦になったのも大きかった。昨年の東京大賞典のようなスローペースでは崩れてしまうシーンはありそう。
プロフィール
佐藤ワタル - Wataru Sato
1990年山形県生まれ。アグネスフライトの日本ダービーを偶然テレビで観戦して以降、中学生、高校生、大学生と勉学に勤しむ時期を全て競馬に費やした競馬ライター。『365日競馬する』を目標に中央、地方、海外競馬の研究を重ねている。ジャンルを問わない知識は、一部関係者に『コンビニ』とまで評されている。早稲田大学競馬サークル『お馬の会』会長時代に学生競馬団体『うまカレ』を立ち上げたり、北海道の牧場などに足繁く通うなど、若手らしい行動力を武器に、今日も競馬を様々な角度から楽しみ尽くしている。現在はサラブレ、一口クラブ会報などでも執筆中。血統派で大の阪神ファン。甘党でもある。