競馬YouTuberとして一躍名を挙げ、各媒体に引っ張りだこの佐藤ワタルが、地方&海外レースを展望。若くして人並み外れた知識量、分析力を披露する。
【函館スプリントS】持続力+洋芝適性ある血統のアノ馬から勝負!
2018/6/16(土)
昨日6月15日(金)の夜遅くに開催されていた、サッカーワールドカップ・ポルトガルVSスペイン。見応えのある試合で、つい最後まで見てしまい、気が付いたら朝の5時。これから数週間、寝不足の日々が続きそうである。試合はポルトガルのスーパースター、C・ロナウド選手がハットトリックを達成し、3-3の引き分け。その決定力はさすが世界の頂点。昨日、楽天イーグルス相手に安打放って4点止まりだった我らが阪神タイガースもあのくらいの決定力が欲しいものだ。
そんな阪神だが、昨日は藤浪晋太郎投手が407日ぶりの勝利。虎のエースとして期待される存在だけに、この勝利を機に復活を果たしてもらいたいところだ。
さて、函館競馬が開幕した土曜日。11R・HTB杯で推奨したウィズは非常にもったいないレースとなってしまった。抜群の手応えで直線を向いたものの、前が壁になってしまい1度も追えずゴールイン。その姿は通勤ラッシュ時の新宿駅のサラリーマンを彷彿とさせた。函館の開幕週は内がいい分、特に芝1200mは内の馬が詰まりやすい。そのネックを考慮しても捌けると踏んでウィズを本命にしたが、少々悔しさが残る結果だった。
気を取り直して日曜日。東京11R・ユニコーンSの◎は少し捻ってエングローサーを推してみたい。前走は2着馬とアタマ差だったものの、内容は着差以上に完勝。元々抜け出して遊ぶ面があり、相手が強くなっても走れるタイプの可能性が高い。
ユニコーンSはメンバーが揃いやすく、ダートとはいえスピードが求められる重賞。本馬は新潟2歳Sで上がり3F33.1の末脚を使ったように、芝でも切れる脚が使える。決してスピード負けはしないだろう。昨年母父ワイルドラッシュのハルクンノテソーロが5番人気で2着だった。父父ワイルドラッシュのこの馬も相性は悪くなさそうだ。
左回りのワンターンに替わるのはプラスのルヴァンスレーヴが相手。当週追いでは遅れていたものの、相手は古馬のオープン馬。そもそも調教から抜群に動く馬ではなく、仕上がりにそこまで不安はない。
穴っぽいところだとダート替わりが魅力的なリョーノテソーロ、そして外枠替わりが大きなプラスになるであろうダンケシェーンなども買い目に加えておきたい。
もう一つの重賞・函館スプリントSは◎ワンスインナムーン。前走の京都牝馬Sは開催後半で外伸び馬場となる中、ハナを切って最後まで粘っていたように内容は悪くない。2走前は海外遠征で参考外。昨年のスプリンターズSではテン3F33.9で入って、後半3F33.8でまとめたように持続力もある。血統的に洋芝に不安はない。
一つネックなのは、外枠にライトフェアリーがいること。ワンスインナムーン自身は番手からも競馬できるだけに、ここで競り合うことがなければ楽しみがある。
逆に1枠のセイウンコウセイ、ダイアナヘイローが抜群のスタートを切ってペースが速くなった場合ナックビーナスが、そしてペースが流れて、かつ走破時計が速過ぎなければティーハーフやヒルノデイバローあたりには好都合になってくるだろう。内枠で前が壁になる可能性があるが、タマモブリリアンあたりまで気にしておきたい。
函館から他に挙げたい馬は、9R・3歳上500万下の◎デルマオギン。現級勝ちの実績が示す通り、素質は500万クラスにいる馬ではない。しかしハービンジャー×スウェプトオーヴァーボードという配合から推察されるように、いかんせん瞬発力勝負では分が悪い。前走の石打特別は9着に敗れたものの、新潟外回りの1800mで、スローペースからの瞬発力勝負だっただけに致し方ない結果と言えるだろう。
今回は昨夏2、4、3着と大崩れのなかった函館の一周競馬、しかも距離延長で内枠。条件は揃っただけに、後ろ過ぎない位置取りであればチャンスはあっていい。
函館からもう1頭挙げるなら、6R・3歳未勝利のスカルダイヤモンド。新馬戦、続く未勝利戦で3着だったようにこのクラスは卒業できる力は持っているが、いわゆる『ストライクゾーンが狭い馬』。上がりが掛かる右回りの芝という得意条件以外は、左回りで10、13、9着だったりとまったく力を出せないタイプ。今回は新潟から函館に替わり、かつ内枠を引くことができた。内々を捌ければ楽しみはある。
さて、我らが阪神タイガースの話に戻ると、今日6月16日(土)の楽天戦は相手先発の則本投手をまったく打ち崩せず「ああ今日も負けるのか……」と思っていたところ、中谷選手、高山選手のタイムリーで知らない間に逆転勝ちしていた。正直「今日は終わった」と思っていただけに嬉しい誤算である。
しかし今日もスコアは2-1。昨日は4-0。ほとんどサッカーの試合と見間違うスコアが続き、毎日胃が痛い。サッカーは当分、夜見るだけでいい。昼間はもう少し野球らしいスコアでお願いしたいものだ。
▼佐藤ワタルの予想動画「内ラチの上を走れ!」▼
プロフィール
佐藤ワタル - Wataru Sato
1990年山形県生まれ。アグネスフライトの日本ダービーを偶然テレビで観戦して以降、中学生、高校生、大学生と勉学に勤しむ時期を全て競馬に費やした競馬ライター。『365日競馬する』を目標に中央、地方、海外競馬の研究を重ねている。ジャンルを問わない知識は、一部関係者に『コンビニ』とまで評されている。早稲田大学競馬サークル『お馬の会』会長時代に学生競馬団体『うまカレ』を立ち上げたり、北海道の牧場などに足繁く通うなど、若手らしい行動力を武器に、今日も競馬を様々な角度から楽しみ尽くしている。現在はサラブレ、一口クラブ会報などでも執筆中。血統派で大の阪神ファン。甘党でもある。