競馬YouTuberとして一躍名を挙げ、各媒体に引っ張りだこの佐藤ワタルが、地方&海外レースを展望。若くして人並み外れた知識量、分析力を披露する。
【安達太良S】抜群のセンスで強力メンバーを斬る!
2018/7/13(金)
日々の生活に張りがない。 理由は簡単。阪神タイガースの試合が行われていないからである。豪雨の影響もあり、広島カープとの3連戦は中止となった。広島、岡山など瀬戸内海一帯の豪雨被害を考慮すれば妥当な決定である。被災地の一刻も早い復興を祈るばかりだ。
我らが阪神タイガースの試合は、お粗末な守備、サッカーの試合と変わらないほどの得点力など、観ているだけで精神的に疲れてくる。試合がないと精神的にもだいぶ落ち着いてくるのだが、ここまで試合がないと逆に寂しくなってきて、試合が待ち遠しくなってくる。いざ試合が始まると今度は逆の気持ちになるのだから困りもの。今日7月13日(金)はプロ野球のオールスターゲーム。発表されたスタメンに阪神の選手はゼロ。それはそれでなんだか寂しい……。
競馬の話。先日はセレクトセールのために一路北海道へ。協力させていいただいている馬主さんたちの隣でセールを見るという貴重な機会を頂いた。億単位の金額が飛び交い、相変わらず非日常的な空間であった。個人的には、予定では1000万円の馬を2000万円近くで購入することになった馬主さんの「高いよ!」という言葉が印象的だった。いや社長、1000万円でも十分高いです……。
東京に戻って個人的な買い物をした際、値段が100円単位だったことに妙な安心感を得たものだ。来年もまた貴重な勉強をさせていただきたい。
今週土曜は、まず福島11R・安達太良Sから。交流重賞勝ちのあるミッシングリンク、交流重賞2着のあるビッグスモーキーなど強力なメンバーが揃った。穴狙いで◎フィールザプリティに期待する。
東京での好走歴が多く、どうしても東京向きのイメージがあるが、昨年12月に中山のチバテレ杯で最内枠から器用なレースぶりを見せて2着と、小回りコースでも上手に立ち回ることもできるセンスのある馬だ。隣の枠にミッシングリンクという強力な降級馬がいるのも好都合。その後ろからマークするようにくっついていき、3着以内を狙いたいところ。
中京11R・マレーシアCはなんと6頭立て。メインレースが6頭立てとは珍しい。◎スズカルパンはもう9歳。以前と比べてスピードよりスタミナが問われる条件のほうが好走確率が高い。前走はここ2年[0-0-0-6]の芝1800m以下。秋は大きなところを狙えそうな素質馬メイズオブオナー、同じく素質十分エンジニアなどがいるものの、距離延長に加えて少頭数の今回、チャンスは大きい。
函館11R・STV杯は◎ダノンハイパワー。前走の道新スポーツ杯は最内からロスなく回っての4着。休み明けということを考えればよく走っているほうだろう。パワー豊富な馬で、函館適性の高さを感じさせる内容だった。湿った芝も苦にしないことは前走で証明済。それから2週間レースが行われ、再び緩めの馬場の今回は叩き2走目で更なる前進が期待ができるのではないか。
その他からは、福島10R・信夫山特別の◎イチダイ。父シンボリクリスエス×母父ラムタラという配合通り、一瞬の脚は欠くが持続力ある末脚が使える馬。ここ6走は直線が長いコースで3着2回、4着4回。よく頑張っていると言っていいだろう。福島の2600mに距離延長はプラス。ロスなく競馬できるコース替わりもプラスと言えそうだ。
プロフィール
佐藤ワタル - Wataru Sato
1990年山形県生まれ。アグネスフライトの日本ダービーを偶然テレビで観戦して以降、中学生、高校生、大学生と勉学に勤しむ時期を全て競馬に費やした競馬ライター。『365日競馬する』を目標に中央、地方、海外競馬の研究を重ねている。ジャンルを問わない知識は、一部関係者に『コンビニ』とまで評されている。早稲田大学競馬サークル『お馬の会』会長時代に学生競馬団体『うまカレ』を立ち上げたり、北海道の牧場などに足繁く通うなど、若手らしい行動力を武器に、今日も競馬を様々な角度から楽しみ尽くしている。現在はサラブレ、一口クラブ会報などでも執筆中。血統派で大の阪神ファン。甘党でもある。