競馬YouTuberとして一躍名を挙げ、各媒体に引っ張りだこの佐藤ワタルが、地方&海外レースを展望。若くして人並み外れた知識量、分析力を披露する。
【函館記念】機動力がポイント 小回り巧者の血が騒ぐ!
2018/7/14(土)
プロ野球のオールスターゲーム第1戦が終わった。結果から書くと7-6でパ・リーグがセ・リーグを下した。セ・リーグの先発が中日ドラゴンズの松坂大輔投手であったり、両チーム合わせて5本のホームランが飛び出すなど、話題の多かったこの試合。個人的に最も感動したのは、セ・リーグの2番手として我らが阪神タイガースの大エース、メッセンジャー投手が登板したことだった。
来日して9年目。虎を引っ張る存在にまでなった彼は、外国人枠の問題などがあり、これまでオールスターの出場経験がなかった。ようやく掴んだ夢舞台の切符。マウンドにメッセンジャー投手が上がった瞬間、泣きそうになったのは内緒にしておこう。
今年国内FA権を取得したことで、来年からは外国人枠を外れ、日本人登録される助っ人。ラーメン大好き、人柄も素晴らしいナイスガイが阪神一筋のまま現役を続けてくれることを願うばかりである。
今日は熊本でオールスターゲーム第2戦が行われる。地元出身で阪神の左の柱・岩貞祐太投手の活躍が期待されるが、その前にまず明日7月15日(日)の競馬予想である。土曜は福島10R・信夫山特別で◎イチダイがしぶとい末脚を使って3着に食い込み、中京11R・マレーシアCで◎スズカルパンが3着に逃げ粘ってくれた。日曜もしぶとく3着以内を狙える馬を本命に挙げていきたい。
まずは函館記念から。コース替わり最初の週ということもあり、内ラチの移動で荒れた部分がある程度カバーされることから、内で溜めて末脚を伸ばせる小回り向きの機動力のある馬を狙いたいレースである。
◎エアアンセム。前走のエプソムCは道悪での競馬となり、内枠から次第にポジションを下げる苦しい競馬。それでも最後しぶとく伸びて、一瞬3着以内に入るかと思わせる末脚を使い5着。内容自体は悪くなかった。内枠から器用に立ち回り、4コーナーで先頭をうかがうように進出した3走前などを見ても、秋華賞馬エアメサイアや有馬記念3着馬エアシェイディなど数々の小回り、内回り巧者を輩出してきたアイドリームドアドリーム一族出身らしく、この馬は一周コースの内枠をこなすのが上手い。
函館記念を使うと聞いてからずっと内枠に入ることを楽しみにしていたが、引いてきた枠は3枠6番。雨が強く降らなければチャンスはある。
前走の鳴尾記念は時計が速すぎた影響もあったトリコロールブルーが対抗。このレースと相性があまり良くないミスタープロスペクター系だが、悪くない枠を引いてきたスズカデヴィアス、サクラアンプルールあたりも一定の評価はしておきたいところである。
福島11R・バーデンバーデンCは当初登録馬を見た段階でフミノムーンを中心視する予定だったが、よくよくメンバーを見てみると、フミノムーンが楽に届くほどペースが上がるのか疑問が湧いてきた。そこで◎タイセイプライド。古馬との力関係がポイントになってきそうだが、ヨハネスブルグ×エルハーブと時計の掛かる福島にはピッタリの配合に加え、土曜の福島競馬を見る限り、ラチ沿いの状態が次第に悪くなってきたことも追い風となってくるだろう。
中京11R・名鉄杯は大変難解な一戦。土曜の中京ダートでキングマンボ系が好調だったことから、父キングカメハメハの◎オールマンリバー。2走前のように正攻法で競馬するより、前走のようにじっくり溜めて乗るのがこの馬には合っているのだろう。
ただ中京でメインレースより楽しみなのは12R・フィリピンTの◎ラベンダーヴァレイである。元々折り合いが難しい馬で、前走も行きたがる素振りが見られた。坂路調教で抜群の動きを見せることから、適性は更に短距離に寄ってきているのかもしれない。以前1200mを一度だけ使った時は、前半3F33.6秒の流れを2番手で追走してそのまま押し切るというレースを見せた馬。折り合いを考えずに運べる1200mに替わるのはむしろプラス。脚力は上のクラスでも通用するものがあり、ここは勝負圏内だろう。
プロフィール
佐藤ワタル - Wataru Sato
1990年山形県生まれ。アグネスフライトの日本ダービーを偶然テレビで観戦して以降、中学生、高校生、大学生と勉学に勤しむ時期を全て競馬に費やした競馬ライター。『365日競馬する』を目標に中央、地方、海外競馬の研究を重ねている。ジャンルを問わない知識は、一部関係者に『コンビニ』とまで評されている。早稲田大学競馬サークル『お馬の会』会長時代に学生競馬団体『うまカレ』を立ち上げたり、北海道の牧場などに足繁く通うなど、若手らしい行動力を武器に、今日も競馬を様々な角度から楽しみ尽くしている。現在はサラブレ、一口クラブ会報などでも執筆中。血統派で大の阪神ファン。甘党でもある。