競馬YouTuberとして一躍名を挙げ、各媒体に引っ張りだこの佐藤ワタルが、地方&海外レースを展望。若くして人並み外れた知識量、分析力を披露する。
【札幌日刊スポーツ杯】時計のかかる馬場で息長い末脚が生きる!
2018/8/17(金)
終わった。そう思った。
昨日8月16日(木)のプロ野球・阪神タイガースVS広島カープの一戦。8回に1点を勝ち越した阪神は、9回表に抑えのドリス投手を送り出した。ところが最初の打者に対し、1球目で頭部にデッドボール。危険球退場となった。
窮地を救ったのはベテラン・能見投手だった。肩ができていない状態での登板となったが、ベテランらしい冷静な投球術で試合を締め、見事チームの4カード連続勝ち越しに貢献したのである。
一時は先発で不振となり中継ぎに立場を変えたが、さすが阪神を長年支えてきたベテランである。これからも息長くブルペンを支えてほしいものだ。
首位広島相手に勝ち越せたのは大きい。そして今日8月17日(金)からは、神宮球場で2位ヤクルトスワローズとの3連戦を迎えるが、上り調子を維持したいところ。好調といえば、番組推奨馬が好走を続けている予想動画「うま馬データMOVIE」で日曜の札幌記念(G2)の注目馬を紹介しているので、ぜひご覧いただきたい。
このコラムも上り調子に乗りたい。土曜の札幌11R・札幌日刊スポーツ杯が2回札幌開催の開幕週、1000万特別の芝2600mとなってから今年で4回目。開幕週に行われる1000万特別と比べると、開催が進んだことによる影響でレース上がり3Fが1秒ほど遅くなる傾向がある。その分より脚を長く使えるタイプの差し馬が来やすくなっている。
特に今年は開幕週の1000万特別・北海道150年記念でラップが中弛みし、レース上がり3F34.7秒というおおよそ北海道の2600mとは思えない流れ。開催が進み、かつ週中に雨が降ったことで開幕週より上がりが掛かるならば、150年記念で差し損ねた◎アルムフォルツァにチャンスがありそうだ。3走前のあずさ賞も長く脚を使って勝ったように、この馬は母父チーフベアハートの影響か息長く脚を使える。今回は叩き2戦目でもあり、前進が期待できるだろう。
新潟11R・日本海Sは7頭立てで、ハナ候補がケイティクレバーだけということもあり、スローペースが予想される。但しケイティはハナに行った場合、スローペースでもレース上がり3Fは決して速くない傾向がある。
元々新潟2200m自体上がりが掛かるコースでもあり、狙うは長く脚を使えるタイプ。◎ポポカテペトルはこれまでの4勝を挙げたレースで上がり3Fのタイムが一番速かったのは34.4秒と、多少上がりが掛かる流れを得意としており、適性面ではピッタリと言える存在だろう。休み明けでも降級馬だけに力は上位だ。
小倉11R・TVQ杯は◎マイネルオスカル。前向きな気性でいいスピードを持っている馬だが、その気性がアダとなり抑えが利かない面がある。10着だった前走も前傾ラップを作り出してしまい前崩れの展開だった。今回は最内枠を引いたことで前に壁が作りやすく、落ち着いてレースを進められれば、このクラスでも十分通用するポテンシャルを感じている。
他のレースからは、新潟12R・3歳上500万下の◎レッドイリーゼ。前走はスローの前残りとなった東京芝1400mで外枠からの差し損ね。全てが後手に回ってしまった。素質のある馬で、新馬を勝った際に下したキューグレーダーはすでにこのクラスを卒業している。巻き返しに期待したい。
プロフィール
佐藤ワタル - Wataru Sato
1990年山形県生まれ。アグネスフライトの日本ダービーを偶然テレビで観戦して以降、中学生、高校生、大学生と勉学に勤しむ時期を全て競馬に費やした競馬ライター。『365日競馬する』を目標に中央、地方、海外競馬の研究を重ねている。ジャンルを問わない知識は、一部関係者に『コンビニ』とまで評されている。早稲田大学競馬サークル『お馬の会』会長時代に学生競馬団体『うまカレ』を立ち上げたり、北海道の牧場などに足繁く通うなど、若手らしい行動力を武器に、今日も競馬を様々な角度から楽しみ尽くしている。現在はサラブレ、一口クラブ会報などでも執筆中。血統派で大の阪神ファン。甘党でもある。