競馬YouTuberとして一躍名を挙げ、各媒体に引っ張りだこの佐藤ワタルが、地方&海外レースを展望。若くして人並み外れた知識量、分析力を披露する。
【紫苑S】あの一族出身が開幕週で花開く!
2018/9/7(金)
先週末は北海道へ。おいしい自然の恵みを堪能し、牧場の子馬に癒される休日を過ごすことができた。そんな北海道を襲った震度7の大地震。未だライフラインが復旧していない地区も多数あり、被災者の皆様の苦労は察するに余りある。少しでも早く、日常が戻ってくることを願わずにはいられない。この度の地震により被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。
話を先週末に戻す。札幌2歳Sでは◎に指名したニシノデイジーが6番人気ながら快勝。直線はさすがに声が出た。朝から晩まで全てのレースに参加し、叫び、夜中まで北の大地の自然の恵みを堪能した結果、その疲労からか風邪をひいてしまい、昨日木曜日は熱に苦しんだ1日だった。
頭がボーっとした状態でプロ野球の結果を見たところ、我らが阪神タイガースが、首位広島カープ相手に13-3というスコアで圧勝していたのである。きっと高熱の影響で幻を見たのだろう。明日から1ゲーム差で追う宿敵・巨人との2連戦。いつもの阪神は大体勝てないが、せめて1勝1敗で終わってほしいものである。
前振りが長いことにもはや定評すら出てきそうだが、今週の予想に移ろう。土曜中山メインレースは紫苑ステークス。開幕週だが、エアレーション作業を施した馬場は柔らかく、この3年で3着以内に入った9頭中7頭が4角5番手以下と差しが決まりやすいレースである。
◎ロサグラウカ。前走のオークスは10着に敗れたが、初めての東京コースに加え初の重賞、そして3ヶ月の休み明けとかなり厳しい臨戦過程だった。レース振りから溜めて競馬して更に味がありそうなタイプ。綺麗な馬場を得意とする傾向があるバラ一族出身だけに、開幕週という条件も良さそうだ。
切れ味鋭いレッドベルローズや、高い素質を持つクイーングラスあたりも要警戒だろう。
阪神競馬場のメインレース・エニフステークスは◎スマートアヴァロン。休み明けからいきなり走れるタイプなので臨戦過程に関してはそこまで不安視していない。最初から外を追走し外を回った時のほうがパフォーマンスがいいタイプでもあるため、外枠はプラスだろう。
よく見たらこの馬、4走前から天王山ステークス→天保山ステークス→天王山ステークス→天保山ステークスと交互に走っているではないか。これを見て『遠山・葛西スペシャル』を思い出したのは私だけではないだろう。そうだと思いたい。
他のレースから狙い目を挙げるとすれば阪神最終レースの◎キャッチミーアップ。テンションが高い馬で、根本的に一周の1800mは長過ぎる。距離短縮して前に壁が作れる内枠を引いた今回は巻き返しが可能だろう。
プロフィール
佐藤ワタル - Wataru Sato
1990年山形県生まれ。アグネスフライトの日本ダービーを偶然テレビで観戦して以降、中学生、高校生、大学生と勉学に勤しむ時期を全て競馬に費やした競馬ライター。『365日競馬する』を目標に中央、地方、海外競馬の研究を重ねている。ジャンルを問わない知識は、一部関係者に『コンビニ』とまで評されている。早稲田大学競馬サークル『お馬の会』会長時代に学生競馬団体『うまカレ』を立ち上げたり、北海道の牧場などに足繁く通うなど、若手らしい行動力を武器に、今日も競馬を様々な角度から楽しみ尽くしている。現在はサラブレ、一口クラブ会報などでも執筆中。血統派で大の阪神ファン。甘党でもある。