一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
根岸Sはプロトコルに騎乗
2016/1/28(木)
開幕週の土曜は東京で5鞍に騎乗します。3Rのアイルーロスは、距離が少し詰まる1600mはいいですね。段々と競馬を覚えてきたので、以前に東京コースを走った時とは違うと思います。4Rのラペルトワは、前走が外を回されたりと中途半端な競馬になってしまいました。距離が延びるので中団もしくは好位でタメて、馬のリズムに合わせて脚を使わせられたら、2走前くらいは走ってくれると思います。能力的に前進させないといけません。9Rのアンジェラスベルは、昇級緒戦と天気が相まって速い決着になりそうなのが心配。前走の勝ち方も良く、状態がいいのは間違いありませんので馬は頑張ってくれるでしょう。12Rのコウソクコーナーは、短い距離だと忙しい面が出てきたので1600mが良いほうに向いてくれることに期待。追い切りにも乗りましたが、気が入っているため久々は問題ないはず。使うとテンションが高くなるので、むしろ頑張れるかもしれません。
日曜も東京で8鞍に騎乗します。根岸Sのプロトコルは凄く充実しています。2週続けて追い切りに乗せていただきましたが、先週よりも今週の動きのほうが抜群に良かった。相手はかなり強くなるものの、上手く流れに乗せてスムーズな競馬ができれば差はないはず。トビが大きな馬ですが、具合の良さと能力で速い馬場にも対応してくれると信じています。先々が本当に楽しみな馬なので、何とか賞金を加算できるように頑張ります。3R(新馬)のハミルトンパークは除外になって乗り込めたことがプラスに働きそう。追い切りにも乗ったことがありますが、なかなか前向きな馬。少し周りを気にする部分があるので、それを競馬で見せずに流れに乗れればいきなりがありませんか。4Rのコスモレティクルムは、極端な競馬をして脚を使わせたほうがいいタイプ。道中で馬の気持ちが入ると一気に行ってしまうので、何よりも折り合いを意識したい一戦です。
5R(新馬)のオアーゾはかなりいいモノを持っているのですが、気性は凄く難しそう。すぐにスイッチが入るタイプなんです。道中フワッーと行ければビュンと脚を使えそうなイメージもあるので、いい方向でかみ合ってほしい。どちらに出るのかは何とも言い難いところ……。6Rのヘイローフォンテンは、東京2100mとマッチしているイメージ。気持ちだけ途切れないように走らせられれば、今回も堅実に頑張ってくれると思います。10Rのマイネルメリエンダは今回も57.5キロというハンデとの戦い。これを補うような競馬を心掛けるのみで、願わくば良馬場でやれるにこしたことはありません。12Rのマイネルネーベルは、昇級緒戦の前走が時計的にも悪くない内容。ここでイキナリとは言い切れませんが、慣れていけば1000万でも頑張れるだけの馬です。
またあっという間に週末という感じですが、合間の月曜は森アーツセンターギャラリー(六本木ヒルズ)へフェルメールとレンブラントの絵画展に行ってきました。何度も書かせてもらっているとおり、新鮮な気持ちになれる美術館は自分にとって欠かせない場所。今回もいい気分転換ができましたので、先週勝てなかった鬱憤を開幕週で晴らしたいです。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。