一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
青葉賞、天皇賞(春)に騎乗します
2016/4/28(木)
この土曜は東京で9鞍に騎乗します。青葉賞のマイネルハニーは帰厩してから毎日乗せていただいており、馬は元気一杯で申し分のない状態です。距離延長は未知の部分となりますが意識した調整をしていますし、自分のリズムで走らせられれば十分にチャンスはあるはず。東京コースには実績もあるので、最高の結果をイメージして乗ります。2Rのグットドディユは2100mに距離が延びるのは歓迎。これまで強いメンバーとも戦ってきたので、コース替わりで前進に期待しています。3Rのリュイールスターはポジションを取ると案外に終いが甘くなってしまうので、今回は最後に脚を残しながら乗ってあげたい。実績あるコースで巻き返せるイメージはあります。
4Rのコスモリシャールは1400mで追走に苦しくなりそうですが、むしろ腹を決めて乗れる距離。脚はある馬なので、決め手を発揮できる展開になってほしい。5Rのコスモジャーベは距離が延びて追走が楽になりそう。最近は終いに脚を使ってくれる競馬が板についてきたので、かつ少しでも流れに乗っていければ勝ち負けに持ち込めるはず。9Rのコスモヨハネは厩舎サイドから状態の良さを伝え聞きました。相手なりに走ってくれる印象がある馬なので、ゲートを出して流れに乗せれば昇級でも差のない競馬になりそうです。10Rのフェスティヴイェルはレースで初騎乗とはいえ、以前から調教に乗せてもらっています。凄く動きがいい馬という印象で、前走の結果が実力ではないと思います。ダート2100mの舞台もピッタリというイメージがあり、密かな楽しみを持っている一戦です。
日曜は京都で5鞍に騎乗します。天皇賞(春)のマイネルメダリストは数走前からヤル気が戻ってきたと言いますか、気持ちが前向きになっています。G1で相手は強くなりますが、この馬なりの風向きを活かしたい。距離は長ければ長いほどいいタイプなので、舞台に関しては申し分ありません。本来のポテンシャルをフルに発揮できるように頑張ります。12Rのラブミークンは凄く素直で乗りやすい馬。前走はイメージどおりの競馬で勝てましたが、1200mは忙しく感じたくらい。昇級のペースと相まって、1400mで流れに乗りやすくなると思います。
今週は月曜に北海道のビッグレッドファームに行ってきました。主たる目的はゴールデンウィーク明けに入厩する今年デビューの2歳馬に乗せていただくため。今年も楽しみな馬が粒揃いで、とりわけ新種牡馬のアイルハヴアナザー産駒の動きは目立ちます。デビューする際には牧場時代からの感触と合わせてまた書かせてもらいますね。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。