一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
いよいよトラストが始動
2016/8/18(木)
この土曜は新潟で10鞍に騎乗します。1Rのシュピールカルテは2戦目の前走で競馬が上手になっていましたが、少し相手が強かった。まだ上積みはあるはずで、勝たせてあげたい番組です。3Rのコスモピクシスも毎回、一生懸命に走ってくれます。併せ馬の相手に跨っていて見たところ調子落ちはなさそうでしたし、今回も力を出し切ってくれるはず。4Rのリュイールスターも、牝馬限定戦なら立ち回りひとつという段階。願わくば今回も内目の枠がほしいです。6R(2歳新馬)のマイネルレンカは先週除外でもうひと追いできたのは良かった。ダート戦を予定していての芝なのですが、動きはイイですしフットワーク的にも僕は問題ないと思っています。
7Rのカシノクロエは、以前に乗ったダートよりも芝のほうがいいと思います。距離は忙しいかもしれませんが前進に期待しています。8Rのコスモカンプは使いつつ良くなっていくというタイプ。成長は楽しみですが、いきなりはどうでしょうか。9Rのマイネルクラフトの前走は、上のクラスに行ってもと思わせる内容。この馬も使いつつ良くなるタイプですが、能力でカバーしてくれないかと密かに期待しています。11Rのマイネルジェイドも休み明けの分がどうか。ただ、前回騎乗した際に能力を感じましたし、2200mの内回りという舞台はマッチしそうです。
日曜は札幌で7鞍に騎乗します。2Rのマイネルラザンツの前走は体に余裕があってスタート後の不利も痛かった。距離は未知ではありますが、スムーズなら多少の前進は見込めます。5R(2歳新馬)のコスモスピードは今朝(木曜)の追い切りに乗せていただきました。まだ気性的に幼く、体も成長途上の段階なので使いつつ良くなるタイプではないでしょうか。8Rのダブルフラワーは見ていると洋芝の走りがいいですね。持ち味である渋太く長い脚を使わせてあげたい。
かねてから期待をお伝えしてきたクローバー賞(9R)のトラストは、今朝(木曜)の追い切りに乗せていただきました。牧場で攻められ、川崎から輸送があっての調教だったので無理せず直線で脚を伸ばすという内容でしたが、思っていたとおりの動き。へこたれたところも一切見せず本当にタフな馬です。来春の大きなところを目指しているので、中央初戦とはいえメンバー的にも結果を出しておきたいところ。競馬に行ってどんな反応をしてくれるのか楽しみでなりません。
今週はトラストの追い切りに乗るため、水曜午後の便で千歳空港に移動。台風の影響を心配しつつ飛んではくれたのですが、降りてから電車が動かず、バスから地下鉄に乗り換えて、札幌競馬場まで4時間もかかってしまいました。金曜朝はビッグレッドファームで調教をつけてから新潟競馬場に移動。土曜は新潟で騎乗して、レース後に飛行機で札幌に戻り、レースに乗って翌月曜に帰宅するというなかなかのスケジュールです。
ただ、「北海道に来た時に楽しみにしていることは?」という質問をいただいていたように、海鮮物を食べるのが遠征時の楽しみのひとつ。その機会が増えたと思えば移動も苦ではありません。リンクするので「かかさず食べているもの、していることは?」という質問にもお答えしますが、僕は納豆とランニングですね。合間を縫って美味しい魚を食べ、そんなルーティーンを崩さずに今週も頑張ります。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。