一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
オークス除外も力が入る週末
2017/5/18(木)
先週はコスモペリドット(4人気)で勝つことができました。スタートこそあまり速くありませんでしたが、むしろペースが流れていたので展開的にかみ合いました。追い出してからフラフラしていたように、まだまだ良くなる余地を残しての快勝ですから、これから先が楽しみな馬ですね。週が明けて月曜に盛岡、水曜に川崎と遠征しましたが勝利はなし。菜七子ちゃんの活躍や的場文男騎手の7000勝などで話題になった開催日も、勝てそうで勝てないレースばかりで自分的には歯痒かった。それでも、地方競馬への参戦はいい刺激になっています。
この土曜は東京で10鞍に騎乗します。5Rのエスティームの前走は最後まで集中して走れていました。改めてゆったり走れる東京コースは合っていますし、状態も良いうちに勝たせてあげたい。6Rのマイネルユニブランは今回が初ダート。大型で力がある馬なので、いいほうに向いてくれませんか。8Rのコスモコレクションの前走は、参考外と言っていいほどの不良馬場で時計が速かった。乾いたダートの1400mで追走も楽になるはずなので、巻き返してくれると思います。
オークス除外で9Rに出走するアンネリースは、休み明けを使ったことで状態面が上がっていると思います。前走はかなりのスローペースで上がりの脚を使ってもかみ合わず。流れに乗せてタメを利かせれば、500万で十分に通用するところを見せられるはず。10Rのピアシングステアは休み明けの前走でも頑張ってくれました。東京2100mは本当に合っており、状態も上がっている2戦目で力が入ります。11Rのマイネルラフレシアの前走は直線で不利があったようです。東京1800mではいい競馬ができていますので、ハンデ戦と相まって頑張ってくれるはず。プラス材料が多い一戦です。12Rのワンダフルラッシュは、前走の福島1200mが忙しいように見えました。東京1400mは合うように思えますし、二度乗っている感触から十分に通用する馬です。
日曜も東京で8鞍に騎乗します。4Rのマイネルクラースはあとひと押し。前走内容も良かったですし、東京コースも合いますね。良馬場での出走も叶いそうなので、展開的に向いてくれれば勝ち負けです。5Rのブロッシェの前走は1600mが長く感じました。スピードがある馬なので、1400mに距離短縮なら差はないと思います。7Rのコスモピクシスは、前走も上手に立ち回れて頑張っています。前が止まる展開が理想なので、開催後半の馬場は歓迎材料です。
9Rのコスモナインボールは良馬場の前走で力どおりに頑張ってくれました。この馬も開催後半の馬場が向きそうで、引き続き状態が良いとも聞いています。10Rのペルソナリテは53キロのハンデがいいですね。今回は1400mになりますが、2歳時に連勝した実績もあり、前走の行きっぷりから距離短縮は問題ありません。当日に体を維持できていればなお理想です。12Rのマイネルビクトリーは前走後の外傷で間隔が空きましたが、万全の態勢と聞いています。ここにきてまた力を付けており、昇級緒戦でもいい競馬をしてくれるはず。自分が乗ってきて力が分かる馬もいるので、そのあたりの駆け引きが楽しみでもあります。
オークスこそ除外になってしまいましたが、来週の日本ダービーはマイネルスフェーンに騎乗します。1週前追い切りに乗せていただきましたが、感触が良かった青葉賞から状態面は変わりなく順調にきています。休み明けを使ったことでガス抜きができて、リラックスして走らせられれば巻き返してくれそう。レースまで気持ちを抑えていけるかどうかが課題になります。直前の感触と意気込みは次回の更新で書かせてもらいますね。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。