一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
オールカマーはマイネルミラノで出走
2017/9/21(木)
先週はコスモヨハネ(2人気)で勝つことができました。スタートが出なかったので、無理について行ってハミを噛むよりもフワッと抜かせることを重視しての後方待機。最後はシッカリと脚を使ってくれるので、自分としてはあの位置取りにも不安はありませんでした。使いつつ状態も上向いていたので、このタイミングで結果を出せて良かったです。期待していたマイネルファンロン(1人気②着)は調教で気のいいタイプだったのですが、競馬に行って若さを見せたのか3コーナーから追っ付けどおし。それでも直線に向いてもうひとふん張りしてくれたのがポテンシャルだと思いますし、最初からガツガツ行くよりはいいと捉え、一度使っての変わり身に期待したい。22キロ増えていたマイネルザウバア(4人気③着)は体の硬さもなく、凄くいい雰囲気でした。競馬の内容的には100点満点。惜しむらくは先着された2頭が強かったので、上積みが見込める次走は一層楽しみです。
この土曜は中山で8鞍に騎乗します。1Rのコスモグラトナスは芝の初戦が押して押してという競馬。使われた上積みはあるはずで、イメージ的にダートも問題なさそう。2戦目の前進に期待しています。3Rのコスモレリアの初戦は思っていたほどスタートが出ませんでした。1600mは忙しい印象だったので、距離が1ハロン延びるのはいいと思います。改めて勝ち負けを意識したい一戦。5R(2歳新馬)のベリータはゲート練習に乗せていただきましたが、馬はシッカリしていて気持ちが前向き。芝1600mでのデビューですが、上手く流れに乗っていけそう。血統面も魅力で初戦から頑張ってくれると思います。
9Rのマイネルヴンシュは春緒戦から使いつつ力をつけてきました。デビュー時から感じていた素質が競馬に繋がってきたという印象。少頭数の長距離戦と条件も合いそうで、クラス2戦目の前進に期待しています。12Rのウォーブルは久々で状態面がどうかも、自分のリズムで走れれば渋太く頑張ってくれる馬。このコースでは勝利かつクラス実績もあり、立ち回りひとつだと思っています。
日曜も中山で10鞍に騎乗します。オールカマーのマイネルミラノはここ2戦が自分からやめてしまっている感じがあるので、別定戦で斤量面が有利になることと相まって、気持ちが途切れずに最後までシッカリと走ってくれるかどうか。調子落ちはなさそうなので、馬にプレシャーをかけすぎない競馬を意識して、枠順なども踏まえて最善の策で臨むつもりです。2Rのタイドオーバーは気難しいところがありデビューまでに時間はかかったのですが、ここ2戦ともシッカリ競馬ができています。新潟外回りよりも中山向きのタイプだと思うので、今回は着順を上げて来れるイメージ。3Rのコスモライジンはダートのほうがいいとは思うのですが、前走が気になる負け方。乾いた馬場のほうが走れる馬なので、当日の天候は気になるところです。
5R(2歳新馬)のマイネルプリンチペは状態を崩した時期があって予定よりも遅れてのデビュー。まだ緩さがあったりするものの、無理せずジックリと進めてきたことが実を結んでくれませんか。期待と不安が半々と言うのが正直なところも能力は高く、走ってくるはずの馬なので楽しみにしています。6Rのデフィニールは1年半ぶりの騎乗。条件は合っているイメージなので、上手く流れに乗せてあげたい。7Rのコスモフレンチは、このコースの1000万で③着がある馬。500万では抜けた実績があるので、勝ち負けを意識して臨みます。
9Rのコスモイグナーツはワンペースの面があり、流れが落ち着く少頭数は合いそうなタイプ。自分のペースで積極的に運んで、渋太く粘らせる競馬をしてあげたい。10Rのペルソナリテは中3週と丁度いい間隔。スムーズに運べた前走は不利があった2走前から巻き返してくれましたし、あの競馬ができれば中山1600mも問題ありません。12Rのコスモコレクションの前走は休み明けの分ではないでしょうか。③着があるようにこのコースは合っていますし、2戦目の上積みと重ねて前進を見込んでいます。
昨日(20日)はテレ玉杯オーバルスプリントでモンドクラッセ(4人気⑧着)に騎乗してきました。初コースだった浦和の1400mはこの馬に忙しかった印象で、スタートからゴールまで追いっぱなし。それでも乗り味がかなり良く、スタートも速いので条件ひとつかみ合えばまだまだ活躍が見込めます。今回は距離的にスペシャリストが多く結果を出せませんでしたが、是非とも違ったコースでチャンスをいただきたい馬です。そして、台本にも目を通し、いよいよ生うまトークサミットが迫ってきました。当日は柴山騎手と一緒に渋谷に向かいます。喋りが上手い谷中さんがいるので安心していますが、僕らなりにも盛り上げますので、是非とも9月28日(木)はLOFT9 Shibuyaに足を運んでください!
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。