一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
【続】力が入る未勝利戦
2019/8/22(木)
先週は新潟で2勝を上げることができました。シュピールカルテ(4人気)は今まで教えてきた競馬が勝利という結果に繋がってくれました。相手なりに力を発揮してくれるタイプだけに、昇級してからの走りも楽しみです。アイアンゾーン(3人気)は少しずつ調子が上がっている実感があっただけに、嬉しいタイミングでの勝利。楽ではないローテの中で馬体重が増えていたように、この時期も合うのかもしれません。
タイドオーバー(7人気2着)は間隔を空けてフレッシュな状態に戻っていました。左回りの1400mという条件も合っていますね。コスモビックラコグ(8人気2着)は展開がかみ合って一生懸命に走ってくれたものの、勝ち馬が着差以上に楽な競馬をしていました。相手関係につきる段階なので、ラストチャンスは何としてもモノにしてあげたい。
この土曜は新潟で6鞍に騎乗します。3Rのマイネルキアロは1400mの初戦で上手に競馬をしてくれました。1800mに延びることで追走が楽になりそうで、2戦目の慣れと相まって前進を見込んでいます。6Rのルシェルドールは1勝クラスへの格上挑戦。2走前のような立ち回りができれば差はないはずなので、もちろん勝たせてあげたい一心で挑みます。7Rのマイネルイヴィンスも何とかしなければならない一戦。間隔を空けた前走は気持ちが入っていたので、もうひと踏ん張りさせてあげられるアプローチに徹します。11Rのニットウスバルは1200mの前走が反応なく終わってしましました。ダメージはなさそうという事で、距離を延ばしての連闘策。あんな馬ではないはずなので、流れに乗せてキッカケを掴んであげたい。
日曜も新潟で5鞍に騎乗します。1Rのリーディングレディの初戦は上手に競馬ができており、11着も内容は悪くなかったと思っています。ダートの距離短縮で変わり身がありませんか。12Rのブランメジェールは前走の2着しかり、1勝クラスでは断然の実績を持っている馬。このレースで初めて乗ることになりますが、しっかりと研究していただけたチャンスにお応えしたい。
少しずつ過ごしやすくなってきましたが、この夏の休日はオーバーワークを避け、温泉施設の岩盤浴で読書しながらゆっくりと英気を養っています。ここ数週は結果も伴っているので、無理に予定を入れず週末へのパワーを蓄える所存です。秋競馬の足音も近づいてきましたが、全力で騎乗馬が勝ち上がれるように頑張ります。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。