一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
根岸Sはダイメイフジに騎乗
2021/1/28(木)
先週はマイネルミュトス(4人気)で勝つことができました。2走前2着の感触が良く、同じコースで自信を持って臨むことができました。力が要る馬場もマッチして、何も言うことのない好内容。もともと相手なりに走れるところがあるので、クラスが上がっても楽しみですね。
カラハリ(6人気2着)は中1週で砂を被ることに慣れていましたし、最後もしっかり伸びて順調に良くなっていました。マイネルダンク(8人気2着)は思っていたより行き脚がつかなったものの、追ってからの脚は想像していた以上。内にササりながらも頑張ってくれました。スウィートブルーム(2人気2着)は全体的な内容は良かったのですが、勝負所の反応が久々の分もあってもうひとつ。攻め馬は積んでいたのですが、やはり実戦を使って変わるタイプなのですかね。3頭それぞれにいい感触を掴めたので、次で決めてあげたいです。
アメリカJCCのナイママ(14人気8着)は馬場もマッチして、思い描いていたようなレースはできました。コントロールが良くなって競馬を覚えてくれているので、メンバーや舞台がかみ合えばオープンで勝つチャンスもありそうです。
この土曜は東京で4鞍に騎乗します。11Rのマイネルファンロンは3走前に頑張ってくれた東京2000mのオープン特別。開幕週の馬場がどうかですが、週中の雨(雪)で少し時計がかかってくれれば現状ベストの舞台だと思います。12Rのレットミーアウトは、近走コースを問わず崩れずに走れています。そんな中でもベストと思える舞台なので、調子の良さを活かしてあげたい。
日曜も東京で4鞍に騎乗します。根岸Sのダイメイフジは芝ダート問わず、展開ひとつで食い込めるイメージ。時計が速くなっても問題なさそうなので、長いキャリア分をしっかり研究してベストを尽くします。4Rのマイネルイリャルギの前走は2走目で馬の気持ちが乗り過ぎていた印象。もう少しタメを利かせて乗ることができれば、このクラスでも差はないと思っています。6R(新馬)のアクトゥリアンは今週の追い切りに乗せていただきましたが、乗り込みが進んでおり動きは良かった。周りを気にしてソワソワする面が実戦にいってどうかですが、持っている力さえ出せればいい競馬ができるはず。7Rのボーイズオブサマーは捌きやすい少頭数は歓迎ですが、自分で競馬を作れるタイプではないので、流れが向いてくれることが好走の条件になります。
鬼門の開催替わりではありますが、来週以降も東京で腰を据えて頑張っていきます。コロナ禍もあって、毎週のルーティンが本当に早く感じます。競馬と調教以外は密にならない時間のジム通いと自宅でストレッチの繰り返し。寒い時期なので硬くならないように、例年以上に体をほぐしています。面白い話題がなくて申し訳ありませんが、とにかく結果を残したいという一心で精進を重ねていきます。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。